概要
てんとう虫コミックス第44巻及び、藤子・F・不二雄大全集16巻に収録「おれさまをグレードアップ」に登場。
これをかけたものはどんなものでも１時間だけ性能を上げることができる。
ストーリー
前から欲しかった漫画をついに買えて上機嫌ののび太だったが、早々にジャイアンに見つかり奪われそうになってしまう。その場に先生が通りかかったことで難を逃れたが、帰宅すると今度はママに宿題が終わるまでと没収されてしまう。のび太から訳を聞いたドラえもんは「そんなのあるか！！楽しみに待ってたのに！！」と怒り出し、のび太に今すぐ宿題をやるよう言い、でたらめでもいいからとまで言ってのび太をせかしだした。
ようやく宿題を終えたのび太は早速これをママに見せに行くが、その時ちょうどかけていた掃除機の調子が悪くなってしまっていた。そこでドラえもんは「グレードアップえき」を取り出し掃除機にかけたところ、たちまち掃除機の吸引力がアップしたため漫画を返してもらうことができた。しかし喜んだのも束の間で、宿題の答えが間違いだらけだったため、やり直しをすることになり漫画も再び没収されてしまった。
そこでのび太は自分の頭をグレードアップさせることを思いつき、利口になった頭で間違いを確認した後、同じくグレードアップさせた消しゴムで間違いを消し、宿題を解きなおした。そしてようやく漫画が読めることになったが、利口になったために内容がつまらなくなってしまったので、漫画もグレードアップさせることに。
これの面白さが笑い転げるほどだったため、のび太はしずかにも見せてあげることにしたが、途中でジャイアンを発見する。そこで自分の足を液で俊足にし、からかって怒らせた後、その足で翻弄し仕返しに成功。そしてしずかにこの漫画を勧めると、もう読んだとのことであったが、とにかく読んでもらうと、同じく彼女も笑い転げだした。
その後のび太は空地に通りかかったところ、そこでラジコンカーで遊んでいるスネ夫を見つけたため、それを貸してくれたら、うんと性能をあげてあげると持ちかけた。そしてのび太はグレードアップしたラジコンに乗って楽しみ、スネ夫も「すごい、すごい！！」と興奮していたが、のび太が転んだ拍子に通りかかったジャイアンに液を奪われてしまった。
ジャイアンはこれを自分にまんべんなくかけ、もっともっと強くするよう命令してきたので、のび太も言う通りにしたが、液が切れてしまったので尻にしかかけることができなかった。これに怒り出すジャイアンふだったが、その時屁をこいたことで、グレードアップしたこれにより上空へと飛んで行ってしまい、スネ夫は「すごい性能だねえ」と驚いていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1986年12月12日に、水田版は2018年6月15日にそれぞれ放送している。
1986年版
- サブタイトルが「グレードアップ液」に変更
- 漫画を買ったのび太は読んでから帰ろうか、帰ってから読もうか悩んだが、ドラえもんのことを思い出しうるさく言われるのが嫌だったため、空地で読むことにしたが、そこをジャイアンに見つかってしまい参考書だと言って誤魔化したが、すぐに見破られ追いかけられることになった。ちなみにジャイアンはのび太を見つけた際、蛇のように地面を這って近寄っている。
- ジャイアンは先生に見つかって注意された際、のび太の参考書を見せてもらおうと思ってと誤魔化していて、のび太も先生に宿題はやったのか聞かれ、今から帰ってやるところだと言っている。また、のび太はジャイアンがその場から離れた際アッカンベーをしているが、本人はそのことに気付いていて、振り返って睨みつけていた。
- 帰宅後のび太は階段を転げ落ちていて、この時ママに漫画を没収された。ちなみにのび太はジェスチャーでドラえもんに事情を説明していて、ジャイアンの真似をした際は体格も大きくなっていた。そしてドラえもんもこれを聞いて抗議に出ることを言い出したが、のび太から無駄だと思うと言われ、それならのび太に宿題をさせる方がいいと考えた。ちなみに応援した際は日の丸が描かれた扇子を使っていて、まだできないのか迫った際は机の上に乗っていた。
- ママは調子が悪くなった掃除を蹴って直そうとしている。
- ちゃんとしあげた漫画をママに確認してもらい、漫画を返してもらう下りが追加されている。
- のび太が買った漫画のタイトルは『ロコロコマガジン』で、しずかのあまりの笑いっぷりにのび太は少し驚いていた。
- スネ夫は最初、アッカンベーをしてのび太にラジコンを貸すのを断っていて、グレードアップできるのも信じていなかったが、ドラえもんの道具だと打ち明けると貸す気になった。ちなみにのび太がラジコンの上に乗った際は慌てて止めようとして、のび太が転んだのは石に躓いたからだった。
- のび太は「これ以上強くならなくたっていいのに」と言って、ジャイアンにガスをかけた。
- 飛んでいくジャイアンを様子を見に来たドラえもんも目撃していて、これを見てスネ夫は「すごい屁力。どこまで飛んでいくんだろう？」、のび太は「たぶんおなら圏じゃないの？」と言って笑っていて、ドラえもんからジャイアンはｄこに行ったのか聞かれた際は「さぁお尻ません」と言って再び笑っていた。
2018年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトルでは、パパの代わりに、炎が燃え上がったフライパンを持って驚くママが配置されていた。
- のび太が買った漫画は『ピッケルくん』最新巻だった。また、この後のジャイアンのセリフのうち、「のろま」は「のび太のくせに」に変更され、「お前ののろまの足で、この俺に勝てるわけがないだろ」とも言っていた。ちなみに先生に注意された際はプロレスごっこと言って誤魔化していた。
- ドラえもんも漫画のためにお小遣いを半分出していた。
- 再び漫画を没収された際ドラえもんは「でたらめにやるから」と言ったが、当然のび太に「でたらめでいいって言ったのはドラえもんだろ」と返された。
- のび太はジャイアンを翻弄した後、「この後しずかちゃんの家まで超特急でまいりまーす」と言っていて、のび太の俊足により起こった風で、女子高生のスカートが舞い上がったり、黒猫が驚いたり、自動車が傾いたりした。また、漫画は家の中の玄関でしずかに見せている。
- グレードアップしたスネ夫のラジコンは、岩や土管を軽く超え、壁も走るほどにまでなった。また、のび太がラジコンから落ちたのは、ジャイアンがとおせんぼうした後、木に衝突したからだった。そしてのび太はまた俊足で逃げようとしたが、効き目が切れていたのでダメだった。
- のび太は「ジャイアンがもっと強くなったら世界の終わりだ」とつぶやいていた。そしてのび太とスネ夫は草を掴みながらジャイアンの屁で吹き飛ばされるのに耐えていて、ジャイアンが飛んでいく様子をドラえもんもガールフレンドの猫と屋根の上から目撃していた。ちなみにジャイアンは宇宙まで飛び上がってしまい、母親な名を呼んで助けを求めていた。
