サリア(ゼルダの伝説)
さりあ
「リンク、サリアたちとどこかちがうもん」
「でもそんなのどうでもいい! アタシたちず~っと友だち! そうでしょ?」
CV:水沢潤
コキリ族という子供のまま永遠に年を取らない種族で、森から出ると死んでしまう(と言われている)。コキリ族は1人につき1匹の妖精がついて回っている。
主人公リンクの幼馴染で、物語が始まって2番目に出会うキャラクター。
コキリ族ならではの緑の服に緑の髪、ややジト目な青い瞳が特徴の女の子。
リンクの所にもついに妖精が現れ、コキリ族の仲間となったことを祝福してくれる。
リンクのことを大切な友達と思う一方で、自分とリンクがどこか違っており、やがて別れの運命の時がやってくることを察知していた。
そんな中でもサリアはリンクとずっと友達であると伝え、リンクに妖精のオカリナを貸してくれる。
「オカリナ ふいて、
思い出したら かえってきてネ」
普段は迷いの森の奥にある「森の聖域」の前にてオカリナを吹いている。
モンスターが徘徊しているこの道をどうやって行き来しているかは謎である。
この場所が2人にとって大切な場所になると思ったサリアは、リンクにサリアの歌を教えてくれる。
それから7年後、リンクの活躍によりサリアは森の賢者として覚醒し、思わぬ形で再会することになる。
時のオカリナから未来にあたる「風のタクト」では
「森の賢者」としてハイラル城のステンドグラスに彼女の姿がある。
一人称は「アタシ」もしくは「サリア」だが、森の賢者として覚醒した後は「ワタシ」になる。
語尾は「ヨ」や「ワ」がつく程度で普通の口調だが、キータンのお面などの楽しい気分になれるお面をつけるとコキリ訛りである「~ジャラ」が出る。
いじめっ子を快く思わない心優しい性格であり、特にリンクに対し一途な想いを寄せている。
物語冒頭にて、ガノンドロフにかけられた呪いによりコキリの森の守護神「デクの樹サマ」が枯れ果ててしまい、コキリ族の者たちはそれがリンクのせいであると思ってしまう。
そんな中でもサリアはただ1人最後までリンクを庇い続けていた。
冒険から7年後。実はコキリ族ではなかったリンクは大人へと成長し、かつての仲間たちから赤の他人扱いをされてしまう。
しかし、サリアだけは大人になったリンクを見間違えることはなかった。賢者になることは本望ではなかったが、リンクの役に立てると前向きに考え、今でもこれからもずっとリンクの友達であることを誓ってくれる。
順番通りに進めていれば2、3番目辺りに教わる歌。サリアが友達にだけ教える友情の証でもある。この旋律を辿ることで、迷路のような迷いの森の正しい道が分かるようになる。「サリアの歌」を聞くと元気になるらしく、イベントではその効果が発揮される。
この歌を奏でると、いつでもどこでもサリアと会話することができる。要は携帯電話で話かけているのと同じような状況になる。これにより、サリアから色々な攻略の助けとなる情報を聞ける。
なお、この曲をわざわざ奏でてサリアとの会話を断ると、ナビィ(ゼルダの伝説)と会話することができる。
エンディングでもゼルダの子守唄と一緒に使われており、後の『トワイライトプリンセス』でも再登場を果たしている。
ネタバレ注意。プレイヤー名は「リンク」で統一。
会話は全て「リンク…? サリアよ… きこえる?」から始まる。
- ゼルダの子守唄を覚えた後
「森って いろんな場所に つながってるのヨ。
森の外で アタシの歌が 聞こえたら そこは きっと どこかで 森と つながってるのヨ!」
実際森の中はゴロンやゾーラの里に通じており、ゴロンシティではサリアの歌まで聞こえている。
- ダルニアの前で「サリアの歌」を吹いた後
「アタシの歌が ダルニアさんに 大ウケだったなんて カンゲキ!
それが リンクの 役に立つなんて もっと カンゲキ! ウフフ!」
サリアの歌のファンがおり、攻略の手助けにもなれたことが分かり、大喜びの様子。
- ドドンゴの洞窟クリア後
「精霊石を あつめてるの? あと ひとつ なの? 水の精霊石だけ なのネ!
それって ゾーラの里の王様が もってるって デクの樹サマから きいたこと あるワ…」
攻略のヒント。ナビィも次の精霊石のありかをサリアが知っていないか訊いているので、ナイスサポートである。
- ジャブジャブ様のお腹クリア後
「なんだか すごく イヤな むなさわぎが する… お城… そう、お城からヨ!」
城の話はリンクから聞いたのか、どの方角に城があるかまで正確に分かっている模様。
この嫌な雰囲気を感じ取れるあたり、サリアには特別な力があるのかもしれない。
- 時のオカリナ入手後
「あら…? なんだか オカリナの音色が 変わったネ… リンク うまくなった?」
音が変わったことにすぐ気づきながら、あえてオカリナではなく技量に言及してくる。
人によってはこの台詞に恐怖を感じることもあるようだ。
しかしサリアから貰った「妖精のオカリナ」に戻す手段はない。
- サリアの目の前で「サリアの歌」を吹く
「オカリナで おしゃべりも いいけど ふつうに おはなし しましょ!」
目の前にいる相手にわざわざ電話をかけたようなもので、それに対する専用のセリフ。
このセリフはリンクとサリアの距離が近い場合に発生するが、ゲームの進行度ではなく二人の座標か何かを参照しているらしく、バグでサリアの位置を進行度通りの位置から動かした場合には移動先でこのセリフを聞くことができる。
※以下、子供時代と大人時代を記述する。
神殿の攻略順は森、炎、水、闇、魂とする。
- マスターソード入手後(大人時代)
「よかった ぶじだったのネ!
アタシ 信じてた…
リンク! アタシ 森の神殿に いるの!!
森の精霊たちが アタシに 助けをもとめてる… そんな気がして…
でも ここは 恐ろしい悪霊たちで いっぱい! 助けて!!」
大人時代に入ってすぐに聞けるサリアのセリフ。
しかし森の神殿を進んでも一向にサリアには会えない。と思ったら、ダンジョンクリア後に……
- 森の神殿クリア後(大人時代)
「ワタシ 森の賢者なんて なりたくなかった…
でも… 今は うれしいの。
リンクと いっしょに ハイラルを 守ってるんだもん! そうよね!」
賢者になることが具体的にどうなるかは明記されていないが、少なくともコキリの森へ帰ることはできなくなってしまった。
そんな中でも、リンクの力になれるからと前向きに考える様子がとても切ない。
- 森、炎、水の神殿クリア後(子供時代)
「神殿を さがしてるの? ふしぎな鳥さんが いってたワ。
「闇を 見抜く目は 嵐によって 開く」 …だって。なんのことか わかる?」
闇の神殿の攻略にほぼ必須なアイテムの入手法を教えてくれる。
- 森、炎、水の神殿クリア後(大人時代)
「ワタシたち 賢者は 6人そろえば 魔王ガノンドロフを 封印することが できるの
でも その封印を 完全にするには 七人目の賢者が 必要なの。
それは きっと リンクも しってる人…
これからは 過去と 未来を 行き来しなければ 残りの賢者は 目覚めないワ!
がんばって リンク!」
残りの賢者は確かに過去と未来を行き来しなければならない。
そして、サリアの言う通り、七人目の賢者とは、リンクも知っているあの人物であった。
- 闇の神殿クリア後(子供時代)
「神殿を さがしてるの? ふしぎな鳥さんが いってたワ。
「幼き者 オカリナを持って 砂漠の女神へ ゆけ」 …だって。なんのことか わかる?」
魂の神殿へは一度子供時代に行かなくてはならないことのヒント。とはいえこれを聞けているということは既にそのことを分かっていると思われる。
余談だがこの「ふしぎな鳥」と言えば、あのでかいフクロウ「ケポラ・ゲボラ」のことと思われる。
子供時代に現れ、迷いの森にも姿を現し、喋ることができる。このことから、彼が密かにサリアを通じて助言をしていた可能性がある。
- 魂の神殿クリア後(子供時代)
「もう 神殿 みんな みつけた?」
子供時代に聞ける最後のセリフにも拘らず一番短いセリフなのが少々寂しい。
- 魂の神殿クリア後(大人時代)
「ワタシたち 六賢者の力を あなたに ささげます!
ハイラルの平和は あなたに かかっているわ!」
大人時代に聞ける最後のセリフ。本当に最後の戦いを陰ながら応援してくれる様子は非常に熱い。
上述にある通り、大人時代で賢者となってリンクとは直接会えなくなり、そのリンクもエピローグで元いた時代(子供時代)へと戻された事でお互いに永遠の別れとなった。
無論、元いた時代にもサリアが存在しているものの、己の運命を知ったリンクにしてみればサリアとの間に“見えない壁”ができてしまったのは想像に難くなく、皮肉にも大人時代にサリアが語っていた「同じ世界では生きていけない運命」という言葉がリンク自身にも降りかかったと言える。
時のオカリナ百科に掲載された百科的物語では、サリアはリンクの正体に気づいていながら再会の言葉を飲み込み、「住む世界が違う」という言葉でお互いの立場を示したという。
ウエットな関係だけが親密さの証ではないのだ。