概要
「Fate/strange Fake」の登場人物であり、主人公のひとり。
フランチェスカに雇われ「偽りの聖杯戦争」に参加した魔術使いの傭兵。
エクストラクラスのサーヴァント、「番人」(ウォッチャー)を召喚することになる。
人物
幼い頃から魔術を叩き込まれ兵士として暮らしていたためか、とても淡白で欲の薄い性格。
聖杯戦争にも雇われたから参加しただけであり、これといった願いは無い。彼にとって重要なのは「その日の食事」と「安眠」だけ。何故ならそれが彼の育ってきた環境では貴重なものだったから。
「Σ(シグマ)」という名も個人名というより隊内での識別番号に近い。
傭兵たちの間では有名の存在だった衛宮切嗣の助手、久宇舞弥を母に持つ。本人は彼女が第四次聖杯戦争で死んだことくらいしか知らず母親の名前すら把握していない。
なお、かつて彼が少年兵だった時に魔術使いに肉体を弄られた経験があるらしく、フランチェスカによると残り寿命も一般的な人間より短いらしい。
上司であるファルデウスにはアサシンの監視があったので、とっさに名前の思いついた偉人『チャーリー・チャップリン』だと誤魔化している。しかもクラスは当初の予定通りランサーと報告している。リン違いにも程がある…
アーサー王と言えばモンティ・パイソンの映画と言うなど感覚がずれている一面も。
また、上記の淡泊で欲が希薄な性格なために、当シリーズの魔術師にありがちな酷薄で利益優先的な願望や歪みは殆どなく、悪趣味なフランチェスカから魔術の手ほどきを受けていながら嗜虐心などの悪意も乏しい。
その純粋ともとれる性質のためか、アサシンや繰丘椿など善良な人物や、ジェスター・カルトゥーレ、繰丘夫婦という反面教師との出会いを経て、静かに、そして着実に善性を育んでいく。
容姿
傭兵であるため実際はかなり鍛え上げているものと思われるが、鍛錬を活かせるだけの栄養を安定して得づらい環境で育ったからか、あくまで外見上は中肉中背、黒い瞳に短髪黒髪の青年といった容貌。
本文中においてもこれといった目立つ身体的特徴は記載されてはいないが、これは彼が『兵士A』というモブキャラ同然の立ち位置で登場しようとしていた事から、意図的にそういった〝個性〟の付与が控えられているためではと推察されている。
しかし、Fake三巻の表紙に描かれた姿や挿絵などからは、どことなく母親である久宇舞弥を想起させる。
小説挿絵・漫画版を担当している、森井しづき氏がツイッターで全身イラストを公開しているので、そちらも要参照。
関連人物
自らが召喚したサーヴァント。「影法師」を通じて自分に試練を与えてくる厄介な存在。
ファルデウスから自身のサーヴァントは何かと聞かれた際、アサシンがいたこともありチャーリー・チャップリンを呼び出したと嘘をつき、「世界的にも有名な喜劇王。秘密主義なようで、自らの姿も宝具も明かそうとはしない。攻撃としては何かを突き刺すことはできるようだ。」という設定を貫くしかなかった。
ただ、このおかげで今のところはウォッチャーの存在には気付かれていない。
生き別れた実の母。劇中で明言はされていないが、本人の証言等からほぼ確定的。
生まれた後に別れた為、存在は知っていたが会うことなく死んでしまった為、文字通りの生き別れとなってしまった。
そのせいで、彼女の死に対しても憎しみや怒りという感情は湧いてこず、「穏やかな最期を迎えただろうか」という他人事のような想いしか抱いてなかった。
以前自分が所属していた組織を壊滅させた張本人であり現在の雇い主。彼女の正体も知ってはいる模様。
自身を育ててくれたことにはそれなりに恩義を感じており、目的がどうあれ彼女の依頼で聖杯戦争に参加することに。
直接の雇い主ではないが、一応の上司。形としては彼の指揮下にある部隊に所属してはいるものの、お互いに信頼はしていない。
自らのサーヴァントを召喚した直後、彼女からの襲撃を受ける事になる。
しかしセイバーと偶然遭遇したことでなんとか助かり、シグマとアサシンの共闘をセイバーが持ちかけたことで彼女と関わるようになった。
願いを持たない彼をアサシンは痛ましく思い、ジェスターの件が無ければ信仰について導いてあげたかったと嘆いている。
アサシンのマスター。彼女を絶望させようと執拗に追跡する姿を見て、彼はアサシンを守るために対立し、アサシンと仮契約を結んだ。
アサシンの襲撃から助けてくれた相手。
その後、同盟を組むことになる。
夢の世界で遭遇したライダーのマスター。
彼女の置かれた境遇や彼女が夢の中に取り残されてしまったことを一顧だにしない両親の姿を目の当たりにした際、自身のトラウマが甦ったことで「彼女を救うために聖杯戦争を壊す」という明確な望みを抱くことになった。
また、生涯で初めて怒りに目覚めた彼は、フランチェスカから教わった方法で彼女の両親の魔術回路を破壊した。
関連項目
衛宮士郎:方向性こそ異なるが、どこかロボット要素がちらつく好青年つながり。魔術の腕よりも、しぶとさや生存能力の方が高めである点・良くも悪くも非常に真っ直ぐかつ真面目で、甘さを捨てきれない英霊の女性と親しい仲になる点でも共通している。