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ジャック・トランス

じゃっくとらんす

ジャック・トランスは、スティーブン・キングのホラー小説、及びそれを原作としたスタンリー・キューブリックのホラー映画、「シャイニング」に登場する人物。
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概要編集

1977年にスティーブン・キングが発表したホラー小説「シャイニング」の主人公。1980年のスタンリー・キューブリックによる映画版ではジャック・ニコルソンが演じている。原語版での発音はどちらかというと「トーランス」に近い。

キャリー・ホワイトペニーワイズと違い、彼はあくまで狂気に取り憑かれただけの普通の人間だが、いずれの作品でも妻子に襲い掛かる脅威的な存在として、見る者に強い恐怖とインパクトを与える。

キング、キューブリック、ニコルソン、それぞれのキャリアにおいてとりわけ代表的なキャラクターの1人に数えられている。

人物編集

作品全体がそうであるように、原作と映画では異なる部分が多い。


性格は基本的に温厚だが、短気な部分も強く、時折ひどい癇癪を起こすことがある。一時はアルコール依存症に悩まされており、酔った勢いで息子ダニーの腕を折ってしまったこともある。特に原作では己の愚かしさ、情け無さとそれによる重圧に苦しめられており、事ある毎に酒を欲する。

以前勤めていた学校では酒癖の悪さから問題視され、挙句生徒に暴行を加えたことが決定打となり、職を失っている。劇中ではなんとか家族を養うためにオーバールックホテルを訪れ、休業中の冬季管理人として妻子と共に移り住む。

しかし、長く滞在するうちにホテルの持つ奇怪な力によって精神に異常をきたしていき、家族に対しても良からぬ衝動を抱くようになる。

そして、ついに完全に正気を失ってしまい、凶器を手に妻子を殺そうと暴れ廻る。だが、その後の彼の末路は原作と映画では全く違うクライマックスとなっている。

原作編集

父親もまた、暴力的で飲んだくれであり、妻子を日常的に虐待していた。このため、子ども達からは憎まれていたが、例外的に幼いジャックは彼を愛していた。対して母親は夫の蛮行を全く追求しておらず、息子のジャックからは得体の知れない女性という認識を持たれていた。

2人の兄と1人の姉がおり、長男はベトナム戦争で命を落としている。これがきっかけで、後にジャックは反戦運動に熱心になる。

その後の学生時代、支配的な母親の下で虐待を受けていたウェンディに寄り添い、彼女とアパートで一夜を共にした後にプロポーズをする。


教員時代の飲み仲間のアルバート・ショックリーとは親友の間柄であり、2人揃ってアル中ツートップとして知られていた。夫の酒に対する依存がピークに達していたこともあり、ウェンディからはあまり良い印象を持たれていなかった。だがある夜、奇妙な交通事故に遭遇したことで危機感を覚え、両者共に禁酒する。その後、学校を辞めたジャックのために、自らも投資をしているオーバールックホテルの冬季管理人の仕事を薦める。


性格はやや短気であり、上述の家庭環境の影響もあってか、幼少期より頻繁に喧嘩騒ぎを起こしていた。学生時代はアメリカンフットボールに励んでいたが、後に怒りとストレスのはけ口でしかなかったと振り返っている。酒に依存したり魔力に操られたりしてはいるものの、妻子を想う気持ちは本物であり、正気を失いそうになる度にダニーのことで思い直す描写が多い。

劇中では様々な怪異に遭遇し、その度に神経衰弱のせいだと自分に言い聞かせていたが、ダニーの見立てでは「シャイニング」は持っていないのだという。ハロランによれば「シャイニング」は母親に多く発現するものらしく、実際ウェンディも能力を宿していることが示唆されている。


作中では、内心でホテルの邪悪な力と自身の善の心とで格闘していたが、次第に精神を侵されてしまう。小槌を用いてウェンディやハロランを殴り倒し、ダニーを殺そうと迫るが、彼の言葉によって一瞬正気を取り戻し、ダニーを愛していることを告げて逃げるように警告する。最終的に圧力の上がったボイラーの爆発によってホテル共々爆死した。

映画編集



  仕事ばかりで遊ばない ジャックは今に気が狂う



演:ジャック・ニコルソン/石田太郎


大まかな部分は原作通りだが、アルコール依存や妻子への愛はあまり強くは描かれておらず、映画の大半のシーンで正気を失っている。

映画自体、極力説明を省いた作風なので、ジャックの見たものが本物なのか幻なのかどうか、ジャックとオーバールックホテルの関係などについては曖昧に描かれており、考察の余地がある。スタッフによれば、「シャイニング」は親から子へ遺伝するものであり、ダニーより微弱ながらもジャックも能力を有しており、反対にウェンディは非能力者故に2人と違って状況を理解できなかったという。

ニコルソンの凄まじい演技によって、ジャックの登場シーンは本作最高のハイライトとなり、ホラー映画史における最も強烈なアイコンのひとつに刻まれた。


劇中ではホテルに滞在してから1ヶ月余りで既に些細なことで癇癪を起こすようになり、早くも精神を悪霊に支配され始めてしまう。最終的に斧を用いて妻子に迫り、助けに来たハロランも惨殺する。その後、前庭の迷路に逃げ込んだダニーを追いかけるも、ウェンディと共にハロランの雪上車で逃げられ、猛吹雪の中取り残されて凍死する。


そして、ホテルにはどういうわけかジャックそっくりの男性が写り込んだ古写真が額縁に飾られているのだった。

余談編集

  • キング自身、若手の頃は不遇の時代を過ごしており、アルコール依存症に悩まされるなど、ジャックとの共通点が見られる。
  • 1997年、ニコルソンは本作と同様小説家の主人公を演じた「恋愛小説家」でアカデミー主演男優賞を獲得している。
  • 公開当時キューブリックに感想を聞かれたスティーブン・スピルバーグは、ニコルソンの演技に対して大袈裟すぎて歌舞伎のようだと指摘すると、「要するに好みの問題だろう。私にとってはニコルソンは最高だ」と反論した。

関連タグ編集

スティーブン・キング

スタンリー・キューブリック

ジャック・ニコルソン


シャイニング(スティーブン・キング) 殺人鬼 狂人 悪役 父親

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