迷彩パターンの1種。
南ベトナム軍が採用しアメリカ軍が追随する形でベトナム戦争中に使用した。
他にも、アメリカと友好関係にあるアジア諸国で使用された。
概要
元々フランス軍が使用していたリザード迷彩(TAP47パターン)を参考に南ベトナムで考案された迷彩パターンである。
ベトナム戦争への本格介入当初のアメリカ軍ではERDLパターンを開発していたものの、全面採用には至らず一般的な将兵の戦闘服はOD(オリーブ色)単色のもので、せいぜいヘルメットカバーに迷彩柄(ミッチェルパターン)のものが使用された程度であった。
ところが、単色の戦闘服は迷彩効果が薄いとされたため、ERDLパターンとは別にタイガーストライプの迷彩服が調達されて併用される形でアメリカ軍の特殊部隊を中心に支給された。
中には支給こそされなかったもののどうにかして入手して使用する一般将兵もいた。
パターン
薄い緑系の生地に虎のような黒い縞模様が描かれ、縞模様の間を緑の濃淡2色(或いは緑系と茶系)の斑模様が描かれる4色構成の迷彩。
製造時期や製造工場によってパターンの細部や色味等に差がある。
製造
アジア各国で製造された。
特に、アメリカ政府との契約によって製造される被服の生地は日本で製造されたという。
その他にも、アメリカと友好関係にあるアジア各国で、アメリカ軍向けのものや自国軍向けのものが製造された。
このため、パターンや色味に様々なバリエーションがある。
アメリカ軍以外での使用
ベトナム戦争中にアメリカ軍と共同作戦を行っていた各国の部隊に供与された。
他にも、フィリピン中華民国などが自国軍の迷彩服として採用した。
生産国の1つである日本でも1960年代に陸上自衛隊向けの迷彩作業服の候補の1つとして数種類が試作されたが落選。
制式採用されたのはERDLパターンに似た迷彩服1型(熊笹迷彩)であった。
アメリカでのその後
ベトナム戦争終結後、アメリカ軍ではタイガーストライプではなくERDLパターンに改良を重ね迷彩柄の代名詞であるウッドランドパターンを完成させ全軍で統一された。
一方で特殊部隊やOPFOR=仮想敵部隊では一般の部隊と見た目を違える必要性からタイガーストライプの迷彩を活用した。
砂漠戦用に色合いを変更した「デザートタイガー」も登場して同様に活用していたと噂されている。
2000年以降にUCP(陸軍)MARPAT(海兵隊)など独自の迷彩パターンに移行することとなったが、海兵隊ではタイガーストライプ型が落選したものの空軍では、タイガーストライプのパターンを基調に輪郭をピクセル状に、色をグレー基調としたものが戦闘服(ABU)や個人装備に採用された。
しかし独自の迷彩パターンを使うメリットが薄いという指摘を受けて廃止され現在では陸軍と同じスコーピオンW2迷彩を使用している。
一方で今日でも特殊部隊やOPFORなどがタイガーストライプの迷彩服を着用している写真などを目にすることができる。