概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC45巻収録「タイムワープリール」。
釣り竿のリール型の道具で、これを回すとワープの要領で時間を短縮し、未来へ行くことが出来る。しかし「タイムマシン」及び「タイムベルト」等とは違い、この道具による時間移動は実際に時間を経過させるという形で行われている。
その為、一度の使用で多くの時間を短縮すると、その分だけ時間が経過してしまう為、使用者の身体も成長及び老化することになる。
また、この道具を使用して未来に跳躍したとしても、上記の通り実際には時間が経過している為、使用者は時間短縮中、この道具を使用しなかったことを前提とした行動を取っている。
上記の初登場エピソードの作中では、家まで歩いて帰るのが面倒だと思ったのび太がこの道具で時間を短縮して「もう家に着いた。これは楽でいいや」と言っているが、ドラえもんは「勘違いしちゃいけない。僕らはちゃんと家まで歩いたんだ。ただ、その間の時間がカットされただけに過ぎない」と説明している。
ドラえもん曰く「この道具の使用により失われた時間は元に戻せない」とのことで、上記の初登場エピソードの作中では、のび太が一気に10年以上時間を短縮させたことで大人に成長してしまった。その際、先程まで子供だったのび太は、目の前に大人のしずかや息子のノビスケが現れたことでパニックに陥っていた。
短縮させた時間の中で起こった出来事を使用者が記憶しているか(思い出すことが出来るか)は不明。ただし、無茶な使い方をする等でこの道具が壊れてしまった場合、これまで経過させた時間が全てリセットされ、使用前の時間に戻ることが出来る。
派生作品
水田わさび版アニメ「誕生日は計画的に」では、カットした時間を元に戻したいと考えたのび太がこの道具を逆回転させようとしたのだが、リールが全く動かない様子が描かれている(原作版ではそのような描写はない)。
それだけでなく上記の初登場エピソードの作中では、大人になってしまったのび太が終始慌てているだけだったのだが、こちらは大人になってしまったのび太が子供時代に両親から貰ったプレゼント(世界の偉人伝十巻セット)を見て「パパとママがこの本をプレゼントしてくれたお陰で僕は…!」と言っている。
上記の「誕生日は計画的に」及び水田版アニメ「タイムワープでプレゼントを」では、ジャイアンによるリサイタルが開かれた際、のび太がこの道具を使用して彼の歌から逃れる様子が描かれている。
その際、前者はジャイアンの歌を聞いて気分が悪くなったドラえもんが「ずるいぞ!自分だけ時間を飛ばして!」と言っており、のび太は彼の歌の影響を受けていなかったのだが、後者はドラえもんだけでなくのび太も彼の歌の影響で気分が悪くなっており、ドラえもんが「リサイタルの時間をカットしただけで、僕らはちゃんとジャイアンの歌を聞いている」と説明している。
『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』及び上記の「誕生日は計画的に」では、ジャイアンに追いかけられているのび太がこの道具を使用し、ジャイアンから逃げようとしたのだが、単に殴られている間の時間を短縮するだけに過ぎない為、短縮終了直後に身体が傷だらけの状態になってしまう様子が描かれている。