概要
第53話「二段変身!!目くらまし機械獣」に登場した機械獣。
西洋の騎士の、鎧のようなデザインをしており、背面にはマント、またはコウモリのような翼を持つ。
等身大の小型機「V1スモール」と、大型機「V1ビッグ」の二体一組の機械獣で、互いに入れ替わる事で「等身大だったのが、いきなり巨大化した」と、相手を混乱させる事を得意とする。
V1スモールの大きさは、ブラザスS1・S2と同じく人間大の等身大サイズ(身長2m、体重2.5t)。
当初は、鬼火を思わせる炎のようなものをまとって出現。その目から撹乱光線を発射し、(サブタイトルにもなっている)V1ビッグと入れ替わる目くらまし攻撃を行った。遭遇したボロットは、この撹乱光線で幻惑されている。
頭部から妨害電波を放つ機能も有し、それを用いて光子力研究所のレーダー機能を封じた。
更に、「発射後のマジンガーZのロケットパンチの上に、軽業師の様に乗ってみせる」という芸当も行っている。
V1ビッグは、マジンガーZと同等の大きさ(身長20m、体重220t)。
V1スモールと同じく、両目から撹乱光線を発射する他、破壊光線の発射機能も有する。また、固有武装として、腹部の円盤状パーツを灼熱化し射出。これを用い、スクランダーの右翼を切断した。更に、翼は刃物のような刃があるらしく、これを用いマジンガーZの両膝を切断している。
設定上では、劇中未登場だが「接着光線」なる武装も備えており、胴体部から発射可能らしい。
このサイズ違いの二体が協力する事で、上述の目くらまし攻撃を行う。互いに入れ替わる事で相手の隙を突き、物理法則を無視するかのように、等身大から通常の機械獣の巨大なサイズへと変わり、幻惑する作戦を実行した。
劇中での活躍
最初、火の用心の呼び掛けをしていたボスボロットの前に出現。V1スモールからV1ビッグに入れ替わり、巨大化したと見せかけ手玉に取った。更に妨害電波を出し、研究所からキャッチされないようにしていた。
アフロダイAで駆けつけたさやかにも、同様の攻撃を。当初さやかは、ボスの忠告を信じられずにいたが、同じく巨大化を目にした事で驚愕。
発見が困難なV1スモールと、高い攻撃力を持つV1ビッグとを使い分け、ダブルフェイザーV1は翻弄し幻惑する。
その後、V1スモールの姿で街で破壊活動を行い、マジンガーZを誘き寄せた。
この戦闘中。発射された両腕のロケットパンチに、悠々と腕組みをして立つ余裕さをも披露。更には目くらまし攻撃で隙を突き、一瞬の間に姿を消す。その後に、研究所のすぐ近くにV1ビッグが出現。マジンガー不在の研究所に攻撃を仕掛ける。
研究所からの通信を聞いた甲児は、そちらに向かおうとする。が、V1スモールが妨害する。
機械獣は1体しかいないと錯覚させたうえで、小回りの利くV1スモールがマジンガーを足止めしている隙に、V1ビッグのパワーで研究所を攻めるという作戦だった。
しかし、V1ビッグが出現した事から急いで帰還したマジンガーZだが、甲児はその最中に渓谷にV1スモールを発見。この機械獣が大小の二体一組である事に気付く。
甲児は、V1スモールがマジンガーを追いかけてきたところを見計らい、ブレストファイヤーで撃墜する。
V1ビッグはそれを感知し、あしゅら男爵の命令を無視して研究所を放置。V1スモールの元へと向かう。
その最中、マジンガーZよりもV1スモールの方へと向かったために、甲児は困惑している。
そして、まるで弔うかのようにV1スモールの残骸へ土をかけ埋葬(甲児曰く「センチな機械獣だぜ」)。
仇討ちと言わんばかりにマジンガーZへ猛攻したV1ビッグは、胸部の円盤でスクランダーの片翼を切断。更にマジンガーZの両膝も自身の翼で破壊する。
そのまま、マジンガーZを抱え、高空から光子力研究所への特攻を試みる。が、零距離でブレストファイヤーを受けて離脱されてしまい、自分のみがそのまま研究所のバリアーに衝突。爆散し果てるのだった。
余談
前回52話に登場した機械獣・バズソンM1は、スクランダーの片翼、および胸部放熱板の片方を、手の鎌や肩の回転鋸で切断している。
また、それ以前。41話に登場したカーマK5も、『薄い箇所なら超合金Zでも切断できる』手持ちの鎌を有し、それを用いてスクランダーの翼を切断した。
そして、それらを更に強化・発展させたのか。今回のダブルフェイザーV1ビッグもまた、胸部回転円盤や翼を用い、マジンガーZのスクランダーや両膝を切断・破壊している。
これらの描写から、ドクターヘルは「超合金Zの頑丈さによる優位性」を独力で克服していった事は明らかであり、特筆すべき点であろう。
また、V1スモールを弔うV1ビッグの行動から連想したのか、この二体を「親子機械獣」と記した文献も存在する。
テロップでの表記は「ダブルフェザー」。
原案デザインは、永井豪本人。
決定稿同様に、騎士を思わせるデザイン。しかし翼は無く、決定稿で書き加えられた。
また原案時には、二体に合体機能または搭乗機能があったらしく、デザイン画には「V1ビッグの頭部に、V1スモールが乗っている」様子が記されている。この機能はオミットされ、清書されて決定稿に至った。
なお、清書・決定稿デザインは、機械獣デイモスF3と同じ中村一夫氏によるもの。原案と基本デザインは同じだが、大小入れ替わる事を想定し、全身のフォルムを人体に近いそれに変更された。
決定稿の設定画およびそのポージングは、デイモスF3の設定画に似ている(特にポージングは同一)。
関連項目
ロビンマスク:デザインが類似している。
円盤獣デキデキ:同じく、デザインが類似している。これらは当然ながら、ダブルフェイザーより後にデザインされたものである。
ジャイローンJ1 ナイターンO3:同じく、西洋の騎士に類似したデザインの機械獣。これらもまた、西洋甲冑に似た外観をしている。