「アインズ様は意外につまらない生き物にも慈悲を向けるだけの寛大さを持つ方だが、本当に何が重要なのかも理解される方だ。必ず黙認されるだろう。しかし気分はよろしくないだろうという判断で、偽りを述べたに過ぎない。君が心配する必要は無いとも」
概要
デミウルゴスがアベリオン丘陵に築いた牧場で、主に巻物(スクロール)に用いられる『羊皮紙』を確保するために、隣接する大量のローブル聖王国原産の“聖王国両脚羊(アベリオンシープ)”を飼育しており、日夜皮剥ぎが行われている。
『羊皮紙』の鮮度を重視するために麻酔無しで生きたまま皮を剥ぐため、悲鳴が絶えない。
当初は皮を剥いだ後は“羊”をそのまま処分していたが、それでは折角手に入れたものをいたずらに消費する事になってしまうため、回復魔法で傷を癒す事で再利用を可能にした。
なお他には亜人と“羊”の交配実験など、様々な試みが為されている。
聖王国両脚羊とは?
デミウルゴス曰く聖王国に生息している羊(シープ)であり、羊でありながら四足歩行ではなく二足歩行で走ったり歩いたりする奇妙な生物。
昼行性であり、夜は眠らせないと要らぬストレスを与えてしまうので、皮剥ぎは日中で行われる。
その他に羊でありながら雑食性であり、なんと羊でありながら肉も食べて栄養にする事が出来る。ただし、同族の羊だけ例外的に食べてくれないが、ひき肉にすれば食べてくれる。この事から、死体だとしても自身と同じ形をしたものは全て自分の仲間として認識する事が窺える。
また全体的に精神が弱く、環境の変化や亜人との交配と皮剥ぎのストレスで自傷をする羊がいれば、自殺をしてしまう羊もいるほど弱い。ただし、聖王国両脚羊は乱獲をしても絶滅の心配がない程大量にいるので、減った羊の補充には困らず、死んだ羊はミンチにして生きている羊に食べさせる事でリサイクルしている。
ちなみに、この羊から精製した肉は質が悪いためナザリック外には出回っておらず、羊の餌としてのみ活用している。
またどれくらい生きていられるのかは不明だが、ナザリックの巨大図書館『最古図書館(アッシュールバニパル)』の司書長、ティトゥス・アンナエウス・セクンドゥスによると、生後10歳の羊の皮から作られた羊皮紙が贈られているので、最低でも10年の寿命は有ると思われる。
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この先、ネタバレ&SAN値直葬注意
ローブル聖王国で取れた聖王国両脚羊。その正体はなんと聖王国の人間である。
なぜ聖王国の人間が残酷に家畜扱いされているのかというと、ナザリックが異世界転移を果たした折《ユグドラシル》の世界から去ってしまった事で、上述の巻物を始めとする《ユグドラシル》産のアイテムの入手が不可能になる。それにより、魔法が使えないナザリック勢の人物に低位(主に第三位階)の魔法すら使わせてやれなくなり、アインズは頭を抱える事になった。
その事態を打破するためにデミウルゴスは聖王国の人間に目を付けて、聖王国の村々の住民をアベリオン丘陵に拉致監禁して皮剥ぎを行い、巻物の生産に成功した。その事によって、聖王国両脚羊が生まれたのだった。
以上の事から聖王国両脚羊の情報を箇条書きすると。
- 聖王国の無辜の民を誘拐して監禁する。
- 誘拐した人間の皮を麻酔抜きで剥ぎ取る。
- 皮を剝がされた人間を魔法で治療して、再び皮を剥いで延々と地獄を経験させる。
- 治療が間に合わず死んでしまった人間をひき肉にして、生きている人間の餌にする。
- 亜人と無理矢理性行為をさせて、半亜人とでも言うべき新生物を産ませようとしている。
- 10歳の子供が被害に遭っているが、寧ろ幼いほど上質な皮が手に入るので嬉々として子供の皮を剥がす。
- 母親に自身の子供の皮を剥がさせて、母子の苦しむ様子を楽しむ。
- 子供の丸焼きをその子供の母親(A)の目の前で他の母親(B)に食べさせて、その母親(B)の子供の丸焼きを、逆に母親(A)に食べさせる。
といった様に、デミウルゴス(悪魔)は鬼畜外道では済まない極悪の所業を日夜、聖王国両脚羊(人間)に行っている。…それも主人公陣営の人物が(カルマ値-500は伊達じゃないといったところか)。
ちなみにナザリックの慈悲ストッパーであるアインズは、聖王国両脚羊が人間である事を把握していない。一回だけデミウルゴスに訊いたが、当のデミウルゴスはアインズが全てを把握している上で聞いたのだと誤解釈して適当に答えてしまったせいで、アインズは聖王国両脚羊がキメラの様な生物だと誤解している。
関連タグ(ネタバレ)
被害に遭った国民の王を務めている聖王国の女王。魔皇ヤルダバオトに扮したデミウルゴスに失踪した村人の行方を聞こうとしたが、聞かずに戦闘に入った。
ローブル聖王国二大猟奇要素。多くの平民が悲惨な被害に遭ったのが聖王国両脚羊なら、こちらは1人のやんごとない人物が悲惨な被害に遭って生まれた言葉。ちなみに作中ではなく、読者間で使われている名称である。
人間をリアルに家畜や実験動物扱いしては、虐殺している外道繋がりのキャラ(ただし、マユリは物語中盤以降からは極悪非道な面が鳴りを潜めている)。