概要
遊戯王OCGのモンスターカードの一つ。
カードテキスト
リバース:相手フィールド上に表側表示で存在する
悪魔族モンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで得る。
解説
デーモン・テイマーはレベル3以上の戦士族のため、それらよりサーチ・リクルート・サルベージ・セットの手段が多く、様々な方法でデッキや墓地など様々な場所から手札に加えたり、直接セットしたりとフィールド上に出しやすい。
更に効果の対象である悪魔族モンスターには沢山の強力モンスターが存在する今も昔も変わらないメジャーな種族であり、原作における「神のカード」の対として作られた「三邪神」を含めて対象となるモンスターは多岐にわたる。
仮にセットされたこのカードが戦闘破壊される際にリバースする羽目になったとしても、似たようなコントロール奪取能力を持つ「霊使い」モンスターと比べると、リバースによるコントロール奪取にはこのカード自身の存在の有無は関係ないのでそのターン限りの壁として奪取することも可能。
「1ターンに1度のみ」等の制限も無いので、緊急時の防御手段としても使える「月の書」等で表側表示のこのカードを再度セットし、「太陽の書」等のセットされたカードをリバースする手段を用いることでこのカード1枚で複数の悪魔族モンスターのコントロールを奪取することもできる。
エンドフェイズで奪取したコントロールは相手に戻ってしまうが、シンクロ・エクシーズ・リンク召喚の素材にする等すればそのデメリットを踏み倒すこともできる。
素材の縛りが緩い上に1体のモンスターでリンク召喚できる「グラビティ・コントローラー」や「リンク・スパイダー」といったリンク1のリンクモンスターを採用すればコントロール奪取してきた広範囲の悪魔族モンスター1体だけでリンク召喚し、デメリットを踏み倒すことができるだろう。
ネタ
サーチ・リクルート・サルベージしやすい種族とステータスが特徴の下級モンスター。
強豪揃いの悪魔族に対するコントロール奪取効果はDNA改造手術と併用すればより強力になる。エンドフェイズ前にフィールドから離してしまえば戻ることもない。
特に溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムとの相性は最適で、初期の【ゴーレム】では洗脳解除や所有者の刻印が追い付かない際の保険として積極的に採用された。
相手の攻撃でリバースしてしまってはほぼ無意味なので、太陽の書などでサポートして差し上げるのが役目というものである。
悪魔族は今もメジャー種族であり、適当なモンスターが居ればとりあえず悪魔族に設定されるのは今も昔も変わらない。
よって現環境では多くのデッキにメタとして刺さるモンスターとして、そのデザイン共々高い評価を得ている――
――わけねえじゃん?
確かに悪魔族には昔から強力なモンスターが多い(その所為か種族サポートは他より劣るが)。
三邪神、幻魔王、ユベル、アプ、偽骸神など、原作・アニメに登場する「曰く付きのカード」には必ずと言って良いほど採用される種族ではある。
だがぶっちゃけ、全種族中第三位の365種という大所帯の割にどこのデッキにでも採用される悪魔族モンスターというのは少ない。居たとしてクリッター、ゴーズ、リゾネーター各種程度ではないかと、(それすら採用率はあまり高くないだろうが)。
だが、ここでコナミは思わぬ刺客を送り込んでくる。
《X・E・N・O(ゼノ)》
効果モンスター
星2/水属性/悪魔族/攻 200/守 100
リバース:相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、
エンドフェイズ時までコントロールを得る。
この効果でコントロールを得たモンスターは、
このターン相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
種族的なアドバンテージこそデーモン・テイマーに劣るが、事も有ろうに直接攻撃付与のオマケ付きである。これではプラマイゼロどころか寧ろマイナスである。
しかも水属性なので《サルベージ》で一気に二匹or他の水属性モンスターと同時に手札へ加えることができてしまう。しかし種族の差もあり、まだ差別化は可能であった……が、彼女に対するコナミの非情な仕打ちはまだ終わっていなかった。
事の起こりはデーモン・テイマー登場から五年が過ぎた2006年の秋(厳密には11月16日)。
主に某クラゲの使用したカードを収録したパック「STRIKE OF NEOS」が発売された。
このパックの主な特徴を列挙すると
・【六武衆】の登場
・通常モンスターの革命児とされる《ジェネティック・ワーウルフ》と《フロストザウルス》が登場。
・《N・グラン・モール》・《D.D.クロウ》・《高等儀式術》・《転生の予言》など、現環境でも充分強力と言えるカードが登場。
となる。特に全盛期に於ける六武衆の暴虐ぶりは閲覧者諸君もよくご存じかと思う。
そしてこのパックに、コナミの許しを得た一匹の虫がひっそりと紛れ込む。
その虫こそ……
《傀儡虫》
効果モンスター
星3/闇属性/昆虫族/攻1000/守1000
このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。
相手フィールド上の悪魔族・アンデット族モンスター1体を選択し、
エンドフェイズ時までコントロールを得る。
デーモン・テイマー完敗の瞬間である。
レベルこそ同じだが、種族は昆虫族で、属性は闇属性。(このため《ダーク・バースト》での使い回しが可能となる。そう1ターンに複数回効果を発動できるのだ)。溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムを二体奪い直接攻撃を決めれば次のターンには(あくまで理論上だが)ワンキルが完成する。
更に対応種族はアンデット族である為、《アンデットワールド》を発動するだけで無差別コントロール奪取が可能となる。
……この時点で明らかに負けた気がするが、最大の特徴は効果の発動方法である。
「手札から墓地へ捨てる」為、召喚権を消費せず即効性があり、直接墓地に行くため様々なカードのコストにできて無駄がない。墓地に闇属性が居るという時点で《ダーク・クリエイター》や《ダーク・アームド・ドラゴン》に繋がるし、昆虫族である為《ライヤー・ワイヤー》のコストになる他、《デビルドーザー》やその下位種たる《ジャイアントワーム》を召喚できる。
短くまとめると
類似の効果を持つモンスターには、「手札から墓地に送る」という召喚権を使用しない上にリバースという時間差が生じやすい弱点すらも克服した即時性を持つ上に悪魔族だけでなくアンデット族にまで対応する傀儡虫がいる上に、同じリバースモンスターに限定したとしてもコントロール奪取範囲が広く、相手への直接攻撃を可能にする追加効果まで持っているX・E・N・Oが存在する。
そのため敢えてデーモン・テイマーを使用するならばレベル3以上の戦士族というステータスから来る豊富なサーチ・セット手段にて差別化する必要がある。
それでもデーモン・テイマー側の明確な利点を言うのであれば、「綺麗系の露出度高めのボンデージ姿の巨乳のお姉さんが鞭を持っている」というイラストアドであろうか。
それも海外版では例に漏れず規制されて胸とおへその付近に布地が追加されてしまったのだが(太ももが露出した美しい御御足はそのまま)。
ちなみに、原作にはまるで登場していなかったが、アニメでは遊戯王DMの「乃亜編」と「ドーマ編」ではデュエルで使用され、遊戯王GXの「異世界編」ではカードの精霊として登場。遊戯王ZEXALでは直接の登場こそ無いもののアニメオリジナルの永続罠カード「ウラトラC」のイラストにて登場と、複数作品に渡って登場している。