プロフィール
生年月日 | 2017年3月6日 |
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欧字表記 | Hakusan Amazones |
性別 | 牝 |
毛色 | 栗毛 |
父 | シルポート(JPN) |
母 | オークヒルズ(JPN) |
母の父 | ブライアンズタイム(USA) |
生産者 | 三木田牧場 |
馬主 | 河崎五市 |
管理調教師 | 加藤和義(金沢) |
父シルポートは極端な大逃げ戦法で人気を博し、重賞3勝を挙げた。
母オークヒルズはJRAで3勝を挙げたのち地方に移籍し1勝。
馬主は2011年から父シルポートの馬主になった河崎五市氏で、母オークヒルズの中央時代と地方移籍2戦目までの馬主はシルポートの最初の馬主である後藤茂樹氏である。
経歴
3歳時
デビューは遅く3歳の4月、令和2年度オープニング賞(3歳B4組)でデビュー。単勝1.4倍の圧倒的人気に応えて2着に6馬身を付ける逃げ切り勝ちを収める。
A5組に昇級した2戦目は大きく出遅れたことで後方からとなるが、向こう正面で先団に取り付き4角先頭から突き抜けて快勝。
3戦目、重賞初挑戦となるノトキリシマ賞も出負けして5番手追走も、3角で早くも先頭に立ち2着に8馬身差を付けて完勝。
そして石川ダービーへ。ここまでの圧倒的なパフォーマンスから単勝1.9倍の支持を受ける。スタートでまたもや出遅れ後方2番手からの競馬となるが、向こう正面に差し掛かったあたりで進出を開始し3角大外を捲って4角ではもう先頭に立つ。直線追い込んできたフジヤマブシに際どく詰め寄られたがクビ差凌ぎ切り、無敗の4連勝でダービー馬となった。
続くタチアオイ賞では出遅れたものの最内枠からすっと先手を奪い、軽く気合を付けられる程度で2着を9馬身置き去りにした。
これをステップとして金沢4冠(牝馬5冠)シリーズ第3戦のMRO金賞に出走。圧倒的な戦績ながら、人気は重賞5連勝中の東海・名古屋二冠馬ニュータウンガールに譲り2番人気となる。スタートは今ひとつだったものの押していき3番手で先行する。前を行く2頭が一杯になり後退していったことで3角から先頭に立つが、その後ろから仕掛けてきたニュータウンガール、そして最後方から直線一気の追い込みをかけたフジヤマブシに差し切られ、初黒星の3着となった。
一度休養に入り、復帰戦は古馬との初対戦となる俱利伽羅源平の郷賞。ここでも圧倒的な支持を集めたものの、ファストフラッシュ、トウショウデュエルの2頭に先着を許す3着となってしまう。
しかし、続くお松の方賞では逃げて貫禄を見せつける勝利。
更に年末の中日杯では、1度は先着を許したフジヤマブシ、ファストフラッシュ、トウショウデュエルを逃げの手からまとめて千切り捨てて重賞5勝目を飾った。
1年に22しかない金沢競馬の重賞のうち5勝を挙げた圧倒的な戦績が評価され、2020年の金沢年度代表馬となった。
4歳時
初戦は初めての遠征競馬、浦和の早春賞。出遅れがまた出てしまい、後方からの追走になってしまう。懸命に追い上げたが1.1/2馬身差の2着に敗れた。
更に南関東で連戦、初のDG競走挑戦となるエンプレス杯へ。行き脚が付かずに後方から運ぶ形になり、後方からの脚に賭けるが伸びきれず7着と敗れた。
金沢に戻って初戦はJBCイヤー記念。最内から先手を奪い、2番手から追ってくるファストフラッシュを全く寄せ付けず4馬身差の快勝。
この年の金沢2戦目、徽軫賞ではとうとう単勝1.1倍の支持を受ける。しかしスタート直後に躓き中団からとなり、向こう正面から一気に先団に取り付いたが、終始立ち回りに難儀して逃げるネオアマゾネスをとらえきれず2着に敗れてしまう。
とはいえ続く利家盃では先行策からいつもの4角先頭抜け出しで勝利、百万石賞でも2番手追走から逃げるファストフラッシュを捉えて勝利、更に北國王冠も先行して押し切る横綱競馬で重賞3連勝を決めた。
一端の休養を挟んだのちに金沢で開催されたJBCレディスクラシックに出走する。しかしながら出遅れたうえにスタート直後外に大きく斜行したサルサディオーネの煽りを受けた馬群に挟まれる格好となり、3角から仕掛けても差が詰まらず、12頭立て11着に大敗した。
前走は大敗したものの、アクシデントが大きいと見られてか続く読売レディス杯でも人気を集める。2番手追走から3角先頭、余裕の勝利で重賞10勝目をマーク。
連覇を狙う年末の中日杯では出遅れて最後方からのスタートになるが、そこから先行策に持ち込んで3角先頭押し切りで圧倒的な実力差を見せつけて連覇、この年重賞6勝目を飾った。
もはや言うべくもなく2年連続の金沢年度代表馬となった。
5歳時
初戦の金沢スプリングCでファストフラッシュの2着に敗れてしまう。
しかし利家盃ではファストフラッシュから先手を奪い逃げて突き放す完勝で利家盃を連覇。
更に百万石賞も好スタートから逃げると余裕の手応えでファストフラッシュを7馬身突き放し圧勝で百万石賞を連覇した。
休養を挟み秋初戦は金沢競馬場唯一の常設DG競走、白山大賞典。先手は奪ったものの3角で失速。ずるずると後退し12頭立ての11着に大敗した。
それでもお松の方賞では出遅れながら直線で先団を捉えて勝利するが、3連覇を狙った中日杯ではぴったりとマークしてきたヴェノムに交わされクビ差の2着に敗れた。
この年の重賞勝利は3勝にとどまり、この年9戦8勝で重賞5勝を挙げた3歳馬スーパーバンダムに金沢年度代表馬の座を明け渡すこととなった。
6歳時
始動戦の桜歴特別で中央から移籍してきたオヌシナニモノの2着に敗れてしまう。
しかし続く金沢競馬場移転50周年記念ではすっと先手を奪い後続を寄せ付けずに5馬身差で重賞15勝目をマーク。
3連覇のかかる利家盃も好ダッシュから余裕の走りで7馬身差の完勝を見せる。
百万石賞では2年前の徽軫賞以来の単勝1.1倍に支持され、もはやほとんど追われることすらなく2着に2.9秒、およそ14馬身差の大差を付けて3連覇。
更に間隔を空けずに2度目の遠征を敢行。園田競馬場で開催される地方全国交流重賞・兵庫サマークイーン賞でも久々の遠征・ナイターもなんのその、単勝1.5倍に支持され、まずまずのスタートから3,4番手で先行、3角で難なく先頭に立つと後続を寄せ付けず3馬身差を付けて勝利。
続いて名古屋に遠征し秋桜賞に参戦、単勝1.5倍の圧倒的人気に推されるが先手を奪えずに終盤後退、10頭立てしんがりの10着に敗れた。
立て直して金沢のA1クラス一般戦で2着を9馬身ちぎり捨てると、続く兵庫クイーンカップでも2番手追走から余裕たっぷりに突き抜けて秋桜賞2着だったアンティキティラに3馬身差を付け重賞19勝目を飾った。
そして前年2着・4年連続の参戦となる中日杯へと駒を進める。金沢においては無敗を誇る3歳馬ショウガタップリとの初対戦でもあり、カツゲキキトキトが保持する平地重賞最多勝記録に並ぶ重賞20勝目が懸かる中、単勝オッズは1.5倍とここでも圧倒的。好スタートから競りかけられて3番手の追走になるが、いつも通り3角余裕の手応えで先頭に立つとそのまま3馬身差でゴール板を駆け抜けた。この勝利で平地重賞史上最多勝タイ記録を達成。
そして年末の重賞金沢ファンセレクトカップ(金沢競馬場移転50周年を記念しての今年限りのレース 1500m)にファン投票で3位に入って出走する。中日杯2着のテトラルキアや石川ダービー馬ショウガタップリが不在とはいえ、以前敗北したオヌシナニモノやサラブレッド大賞典勝ち馬ダイヤモンドラインがいるのにも拘らず単勝1.1倍の圧倒的支持を受ける。
レースはオヌシナニモノを抑えてハナを切り、そのままオヌシを引き連れての逃げを打つとそのまま後続を引き離し第3コーナーでは3番手に8馬身ほどの差をつけていた。そのまま直線でオヌシナニモノとの一騎討ちになるが残り100m程で完全に振り切って突き放していき4馬身差をつけてゴール板を駆け抜けた。
(2着のオヌシナニモノも3着ダイヤモンドラインに6馬身差をつけていた。)
この勝利で平地重賞は21勝目となり、平地重賞史上最多勝記録を更新する偉業を成し遂げた。
キャリアハイとなる年間重賞7勝の成績をもって3度目の金沢競馬年度代表馬に輝いた。
7歳時(2024年)
7歳時も現役を続行。初戦のA1・A2クラス一般戦は7馬身差で逃げ切り勝ち。
4年連続の参戦となる利家盃ではとうとう単勝元返しの支持を受け、後続を一切寄せ付けない8馬身差の完勝。利家盃4連覇とともに平地重賞勝利記録を22に伸ばした。
続く百万石賞でも抜群のスタートから鞍上が一切手を動かすことなく7馬身差を付けて逃げ切り4連覇、重賞23勝目。
連覇の懸かる兵庫サマークイーン賞では2,3番手追走から逃げるアンティキティラを捕らえて勝利。
しかし、ばんえい競馬のオレノココロが持つ国内重賞最多勝タイ記録が懸かる読売レディス杯では3番手から今ひとつ伸びがなくアンティキティラの逃げ切りを許し、最後サーフズアップに交わされて3着。
昨年のリベンジとなる秋桜賞では前年の兵庫クイーンC以来となる2番人気に甘んじる。スタートは並程度に出たが出脚が効かずに位置取りが悪くなり、最後脚は使っているものの1番人気キャリックアリードからは7馬身離された2着と連敗を喫する。
それでも兵庫クイーンCでは単勝1.3倍の人気に推される。スタートで躓き最後方から運ぶ形になってしまうが、2周目向こう正面で仕掛けると3角で先頭を奪い、そのままスマイルミーシャの追撃を振り切って連覇とともに重賞25勝、国内重賞最多勝タイ記録を達成した。
勝利陣営へのインタビューにて、年内引退が決定していること、次走は中日杯に全力投球することが明かされた。
余談
3歳、4歳の頃は頻繁に出遅れて勝機を逸することが散見されたが、5歳ともなるとむしろ好スタートを切るようになり逃げ~先行のスタイルを確立した。
基本的に先頭から好位にかけての前目のポジションを取り、3角では先頭に立つスタイルを取る。その反面、ペースが速くて追走に苦労する展開や、他の強力な馬がいて3角先頭を奪えない状況になると諦めてしまうのか急失速し大敗を喫することがある。得意な展開ではとにかく強く、嫌な展開になると途端に撃沈してしまうといえよう。