概要
マリオカートダブルダッシュ!!以降、様々な形でマリオカートシリーズに関わり続けたハナチャン。
マリオカート8ではハナチャンを模したカート、ハナチャンバギーとして登場した。
ハナチャンバギーはハンドリングと加速性能に優れたカートであったが、そこまで注目されているわけではなかった。「マリオカート8」時点では。
マリオカート8デラックス、ワルハナの時代到来
マリオカート8のNintendo Switch移植版、マリオカート8 デラックスにて、ワルイージ+ハナチャンバギー(+スカイローラーorローラータイヤ+かみひこうき)のカスタム、通称ワルハナとしてハナチャンバギーは万人に使われることになった。オンライン対戦では運が良けれど悪けれど全員ワルハナという最早ギャグのような光景に出くわすことも。誇張抜きで、オンラインを走っているとワルハナorワルイージかハナチャンバギーの片方を使っているプレイヤーが主であるレースに当たることも珍しくはない。
8デラックスでは8時代からキャラやカートの性能が調整されているが、ハナチャンバギーはATVとしてのハンドリングの良さに加え、ミニターボの強さとバランスの良い能力と同性能のカートより小さい車体による被弾リスクの小ささで注目されることになった。
そこにスピードとミニターボに優れ、かつ同性能のドンキーコングやロイよりも細身で前が見やすいワルイージ、ミニターボと加速が優れたスカイローラーとローラータイヤ、これまた優れた性能を持ち前が見やすいかみひこうきが組み合わさることでワルハナは完成する。
…というのは、ほぼ全て他人からの受け売りである。
ワルハナが使われる理由はそこにもある。
SNSや動画サイト、オンライン対戦などの環境が揃ったネット社会である現代では、様々な人に触れる機会が多い。その中で、上位勢の使うカスタムや強いカスタムを解説する動画投稿者を目にする機会も増える。様々な人に影響されやすい環境が整ったことが原因で、こうした層が注目していたワルハナを使う人が増えたことも要因である(この記事の初版執筆者もその中の1人である)。
強いキャラや組み合わせが使われがちなのはゲームの宿命であり、マリオカートシリーズでも過去の有名なものを挙げるとWii時代はファンキーコング+スーパーバウザー（通称ファンバウ）（ロゼッタ＋スーパーバウザー、デイジー＋マッハ・バイクも候補に入る）、7時代はメタルマリオ+Bダッシュ+ワイルドレッド（通称メリオBダレ）、8時代はモートン+ブルーファルコンが流行ったこともあるが、それらの流行もSNSや動画サイト、オンライン対戦などの存在に後押しされていた。
また、本作は全世界累計でNintendo Switchで最も売れたソフトかつマリオシリーズとしても最も売れたソフトでもあり、その記録は現在も更新され続けている。そのため、あまりゲームに詳しくない人や最強を目指すガチ勢など様々な層の人たちがプレイしている。こういった層の人が他のプレイヤーのワルハナを真似して使い始めることもワルハナが使われる理由である。
今なお『ワルハナは本作のプレイヤーでなくともネットミームと化しつつある』と喩えておけばワルハナの影響や伝染力が大きい事がうかがえるだろう。
では、ワルハナ以外のカスタムを使えばいいだろうという意見もある。実際、ワルイージは似た性能のドンキーコングやロイに置き換えても問題なく、ハナチャンバギーもスタンダードバイクやW25シルバーアロー、あるいはミニターボ性能の高いそらまめやパタテンテンに置き換えても問題なく、ワルハナ以外のカスタムを見かける場面も少なくない。
だが、その場合はワルハナ集団の中に1人だけ違うカスタムが紛れ込んで目に付き、他のプレイヤーが攻撃を当てるための良い目印になってしまうリスクがある。
ワルハナを使うことは、ワルハナ集団に紛れ込んで被弾リスクを分散できるのだ。
(補足として、もともとマリオファンの間でワルイージの人気は高く、マリオファミリーの常連勢であったワルイージをリストラしたマリオカート7への悪い意味での反響は大きかった。その反動が今作でワルイージを使う風潮の後押しになった可能性もある。)
このように、ワルハナが多くの人に使われている背景には、様々な理由による相乗効果がある。
もっとも、誰がどんなカスタムを使おうと人の勝手である。本当に強いプレイヤーなら好きなキャラクターとカスタムで勝てるようになろう。
ワルハナ一強時代の終焉
- 2022年12月
アップデートで「被弾後の無敵時間」がパーツやキャラごとに調整され、「ワルハナ」のテンプレ構成をしていたスカイローラー(ローラータイヤ)、かみひこうき、そしてワルイージ本人が全パーツ、キャラ中最短、ハナチャンバギーはワースト2位となり弱体化が図られた(ハナチャンバギーと同性能のボディより車体が大きくなってしまう代わりに無敵時間が多くなった)。
だが、実際のところこの更新ではワルハナ一強環境は崩れておらず、特にラウンジや交流戦といった所謂ガチ勢の集う場では相変わらずワルハナ以外の選択肢は基本ないものとなっていた。
(ちなみにこの調整により同じ準重量級のドンキーコングとロイ、あまり使われていなかった重量級、最重量級のキャラ5人が巻き添えの弱体化を受けた)
- 2023年3月
このアップデートで状況は大きく動く。「一部のキャラクターやパーツの性能が上昇」というステータス調整が行われたためである。ワルハナ自体には変化は起こっていないが、準々重量級以下のキャラと中量級以上のボディ・タイヤに強化が入ったため、ワルハナの全ての構成パーツが相対的な弱体化を受け、約5年に及ぶワルハナ一強の時代は終わりを迎えた。
スペックにこだわるプレーヤーは、アップデート後初期には最高速が僅かに落ちる代わりにミニターボ性能が大幅に伸び、無敵時間も長くその他の性能もバランス良くまとまっているロゼ猫(ロゼッタ+ネコクラシカル)、ロゼ熊(ロゼッタ+くまライド)、ルイトル(ルイージ+トルネード)、ある程度経った頃には、ヨシトル(ヨッシー+トルネード)やヨシ熊(ヨッシー+くまライド)などに流れ、タイムアタックでも新記録を叩き出している。
これをもってワルイージは環境からほとんど姿を消した。しかしより適したテンプレカスタムが出来ただけという、根本的な問題はほとんど解決していない形ではあるのだが……。
- 2023年7月
このアップデートで再び「一部のキャラクターやパーツの性能が上昇」「一部のキャラクターの無敵時間の調整」がされた。前回のアップデートにより環境の中心になったヨッシー等の中量級の無敵時間が減少し、ワルイージ含む重量級のキャラ達の無敵時間が増加した。これによりどこででも高性能を叩き出す「環境カスタム」自体がほぼ消滅、真の意味での一強時代の終焉がもたらされた(特別強くはないがどこで走っても欠点がないレベルの「万能カスタム」は健在である)。
また、同日のDLC第5弾でハナチャン本人(本虫？)が参戦した。これによってハナチャンバギーにハナチャンを乗せる「ハナハナ」が可能になった。
だが、ハナチャンはワルイージと全く同じステータスだったため見た目的にもネタ的にも強いカスタムが誕生した。更にステータスは重量級であるが体は中量級と同じである判定のため、ワルイージよりも車体、当たり判定が小さくなり性能面で言えばワルハナのほぼ上位互換となるという珍事(？)が発生した(車体の小ささのハナハナ、見やすさのワルハナとなった)。
しかし、度重なる中量級キャラの強化によりミニターボ性能が足りなくなってきてしまった重量級のキャラ達の復権は難しいと言われている。
余談
- マリオカートツアーではアイスツアー2023のリーグ前半の上位報酬として入手できるが本作ではバイクが登場しない関係でハンドル部分がカート仕様になっておりジャンプアクションもカート準拠に変更された。
- 実はマリオカート7の時点でワルビデールとハナチャンを組み合わせることでワルハナを（名前ネタで疑似的に）使うことが一応できるにはできるのだが……性能のほうはネタの域を出ない。
関連イラスト
関連項目
ワルイージカート8DX ……あまりのワルハナの使用率に対する皮肉。
