概要
亜空間に住むトレジャーハンター。オオカミとトビネズミのハーフ(デザインモチーフはトビネズミ)。性格は守銭奴でズル賢く、コソコソと立ち回りカオスエメラルドを狙おうとしている。また見栄っ張りであり人前で格好をつけたがるが、大体は失敗して空回りする三枚目キャラとなっている。コミックや日本語版説明書によると、一人称は「オレ様」。
戦いにはコルク栓を発射するピストルを用いる。また、空飛ぶ小型バイク「マーベラスクイーン」を所有している。様々な武器を搭載しておりカスタマイズ性が高く、ファングの手によって日々改良が施されている。
出演作品としてはゲームギアタイトルがメインで『ソニック・ザ・ファイターズ』を最後にゲーム作品に出ることはほとんど無くなったが、2023年発売の『ソニックスーパースターズ』で久しぶりに登場した。これに際し設定が多少変更されており、種族が完全なトビネズミになった。
指名手配犯であるため名前をよく変えているという設定も追加され、2023年現在、彼の現在の名前は「ファング・ザ・ハンター」である。
名前について
このキャラクターには
- 「ナック・ザ・ウィーゼル(Nack the Weasel)」
- 「ファング・ザ・スナイパー(Fang the Sniper)」
- 「ファング・ザ・ハンター(Fang the Hunter)」
- 「ジェット・ザ・ジャーボア(Jet the Jerboa)」
という4つの名前が存在する。
- 「ナック・ザ・ウィーゼル(Nack the Weasel)」
- 「ファング・ザ・スナイパー(Fang the Sniper)」
ざっくり言えば「ナック」は海外版、「ファング」は日本版の彼の名前である。
元々「ナック」というのは開発段階の名前であった。しかし「ナックルズ」と発音が被る理由で、日本ではファミ通の読者募集で選ばれた「ファング」という名前が採用された。
海外版においてもこの名前が採用されるはずであったが、海外発音では"Nack"と"「K」nuckles"の区別は十分につくとの理由で『ソニック&テイルス2』では「ナック」が採用された。しかし『ソニックドリフト2』以降のゲームは海外版も「ファング」で統一されている。
しかしゲーム版がファングで統一された後も漫画媒体(Archie Comicsアメコミ版とイギリスコミック版)では引き続き長期間「ナック」を採用していたため海外では今でも「ナック」と呼ぶファンも多い。その漫画媒体も現在刊行中のIDW版ではゲーム基準で「ファング・ザ・スナイパー」が採用されているため、現在「ナック」の名前はゲーム漫画共にもう完全に使用されなくなった(そもそも「ウィーゼル」はイタチであるため、種族設定も日本と海外で相違があった)。
ちなみに『ソニックジェネレーションズ白の時空』のCity Escapeにて彼が指名手配されている張り紙が確認できるが、そこには「Nack The Weasel A.K.A Fang The Sniper」と表記されている。A.K.Aというのは「またの名を」という意味である。そのため、「ナックの方が本名なのでは?」という声も一部であったが…。
- 「ファング・ザ・ハンター(Fang the Hunter)」
2023年発売の『ソニックスーパースターズ』で与えられた彼の新たな名前。初出は海外版公式サイト。
この時「指名手配されているため名前を度々変えている」という、これまでの度重なる名前変更への理由づけがされた。つまり4つのどの名前も彼の本名ではない可能性がある。
SEGA海外スタッフのイアン・フリン氏(IDWアメコミ版や『ソニックフロンティア』のシナリオ担当)によると、メタ的に今になって再び名前が変更された理由は設定の簡潔化とのこと(加えて、種族がトビネズミに統一された理由は「珍しい動物をソニックシリーズに導入するため」らしい)。
- 「ジェット・ザ・ジャーボア(Jet the Jerboa)」
当初イギリスの雑誌で紹介された彼の名前は「ジェット(Jet)」であった。こちらはただのミスであるため無かったことにされた。参照
…と思いきや、『ソニックスーパースターズ』発売記念にXにて投稿された前日譚コミック『ファングの大逆転』で、エッグマンが彼の過去の名前を一通り呼ぶシーンに「ジェット・ザ・ジャーボア」という名前が登場(「ジャーボア」はトビネズミの英語名)。なんとここにきて「ジェット」が彼の過去の名前として公式に取り扱われることとなった。
出演作品
ソニック&テイルス2
ファングのデビュー作品。カオスエメラルドがあるスペシャルステージでボス的役割を担っている。説明書に記載のストーリーによれば、「ソニック達とエッグマンがカオスエメラルドを巡って戦っている間に自身もエメラルドを狙おうとしている」という、いわば第三勢力のコソ泥ポジションで、エッグマンとの関係も特にない様子。
実はメインステージでの登場は最終ステージの1回きりであり、スペシャルステージを無視して進んだ場合、「こんなキャラいたっけ?」と言われる、非常に影の薄い悲しい存在になってしまう。
ソニックドリフト2
プレイヤーの1人として登場。前述のマーベラスクイーンに乗ってレースへ参戦。加速に優れ、マシンが小さいため相手をかわしやすい。欠点は小型のマシンの割に小回りが利かずハンドリングに難がある。
テクニックに自信があるのであれば平均的な速度と加速の速さが期待できるためおすすめ。
テイルスアドベンチャー
ファング本人は登場しないが、ナックルズやソニック達と同様、アイテムの1つとして彼の顔が描かれたパネルが存在する。
装備効果は「倒した敵がライフリングを多く出すようになる」というもの。
ソニック・ザ・ファイターズ
プレイヤーの1人として登場し、初の3D化を果たした。
1人プレイでは、カジノナイトステージにて対戦相手として立ちはだかる(ファングを操作している場合は、性能が全く同じ彼のコピーをエッグマンが召喚する)。
ガンマンらしく、ピストルから放たれるコルク栓と丈夫な尻尾を主な攻撃手段として用いる。
ちなみに、操作キャラクターの中で何故か年齢が「?」となっていた。
ソニックエクストリーム(開発中止)
ボスキャラの1人として登場する予定だったが、開発の中止に伴い幻に終わった。
ソニックヒーローズ(没案)
実は企画段階ではバーク、ビーンと共に再登場する予定があった。ソニック達と同様のスピードタイプだった模様。だが結果的にはボツとなり、またしても復活ならず。
ソニックジェネレーションズ
本人こそ登場しないものの、先述の通り『白の時空』収録のCity Escapeステージにて、街のあちこちに彼の指名手配書が貼られている。
ソニックマニア
『ソニックジェネレーションズ』と同様に、Mirage Saloonステージのあちこちにファングの手配書が貼られている。バーク・ビーンの手配書も一緒に貼られている。
また、そのステージのボスである「ヘビーマジシャン(ハードボイルドヘビーズの一体)」が変身する姿の1つとして登場。Act2の開始時のデモでファングに変身した場合はピストルからコルク栓を発射してトルネード号に当てて墜落させてくる(ランダムでバーク・ビーンの時もある)。ボス戦の攻撃の際にバーク・ビーン・ファングのいずれかの姿でそれぞれの特徴に合わせた攻撃をしてくる。変身のローテーションはファング→ビーン→バークで固定されており、一定のダメージを与えることで、次の変身に移行する。
ファングの姿の時はトビネズミらしく、飛び跳ねながら『ソニック・ザ・ファイターズ』のように、ピストルからコルク栓を発射して攻撃する。
本人ではないとはいえ、カメオ出演等を除けば約21年ぶりの登場を果たした。
ソニックスーパースターズ
今度は本人が『ソニック・ザ・ファイターズ』以来、約27年ぶりに再登場。
本作では前述した通り「ファング・ザ・ハンター」と名を改め、エッグマンと結託し、ノーススター諸島で出会ったトリップ・ザ・サンゲイザーを従えながら悪事を働く。
また、『ソニック&テイルス2』と『ソニックドリフト2』で乗り回していたマーベラスクイーンも再登場しており、それを駆使してソニック達に襲いかかる。
一度ストーリーモードを完全クリアすると解放される「トリップ専用ストーリー」では…?気になる方は実際にプレイして確かめよう。
ちなみに再登場に際してデザインが僅かながら変更されている。具体的には4本指から5本指になったほか、『ソニック・ザ・ファイターズ』までは片側しか露出していなかった口元の牙が両側から露出している。
後述の前日譚アニメ『トリオ・オブ・トラブル』にも登場。
アニメ作品への登場
『ソニックX』やその他海外アニメ番組を含め、基本的にファングが出演した事はない。しかし…
『ソニックスーパースターズ トリオ・オブ・トラブル』
『ソニックスーパースターズ』の前日譚を描いた短編アニメにてついに出演。デビューから29年の月日を経て、初めてファングがアニメ作品の主役に抜擢された。
奪取済みのカオスエメラルドを巡って、ソニック達と激突するファング。愛機マーベラスクイーンを駆り、奮戦するが…。
アメコミでの扱い
スペシャルコミック『ソニック&テイルス2』に初登場し、それ以降から悪役として活躍している。こちらではトレジャーハンターではなく賞金稼ぎとして活動し、一度はエッグマン側にいたが、現在はマンモス・モギュール側で傭兵としている。ニックという妹がいるが、彼とは違って悪役側ではない。そのため、マイティーとレイ、さらにフィオナとは知り合い同士。
また、ビーン・バークとともに、「Team Hooligan」を結成している。
イギリスコミック版
『カオティクス』に初登場し、カオティクス側のメンバーとしてソニックたちが率いるフリーダムファイターズやナックルズと一緒にDr.ロボトニックに戦いを挑んでいたが、宝を奪おうとして行為もあって、カオティクスのメンバーとナックルズの手によって刑務所に閉じ込められていたが、その後、刑務所を脱走し、Dr.ロボトニック側の部下となっている。
余談
- ゲーム作品では出番は少ないものの、メディアミックスが活発な海外ではコミック作品でよく登場している。
- 開発段階ではガチの拳銃を所持していた。
- デザインを担当した東真一氏(Touma)のX(旧Twitter)にて初期デザインや裏話が公開されている。氏曰く「当時、オパオパのシンプルなデザインに感銘を受けていてその遺伝子を継承させようとしてキャラクターにその遺伝子が少しでも入るようにデザインしたのがこのfangのプロトタイプでした。」とのこと。外部リンク