概要
地球解放機構TLT下部組織の医療アカデミーによって実験的に行われた、ハイブリッド新生児生産プロジェクト。
優秀な人間の遺伝子サンプルをベースに、特に優秀な部分を選出して掛け合わせ、さらに優秀な遺伝子を持つ人間を人工的に生み出すという計画である。
この計画によって生み出された子供たちは「プロメテの子」と呼ばれ、アメリカ・ダラスにある寄宿学校で養育され、おおむね14歳程度で大学卒業課程を修了する能力を持つ。
その目的は、1991年、アメリカ・コロラド州の研究施設にて最初に来訪者とのコンタクトに成功した、A級超能力者である海本隼人に次ぐ新たな超能力者を生み出すことにある。
ハイブリッド新生児を製作する技術もまた来訪者からもたらされた「ハイパージェネティック理論」という技術に基づいており、登録された何種類もの優秀な遺伝子から、特定の遺伝情報を持つDNAフラグメントを選別して組み合わせ、人為的にハイブリッド新生児を誕生させ、来訪者とのより正確な対話を可能にさせ、情報を引き出すという目標があった。
ナイトレイダーのイラストレーターこと吉良沢優や千樹憐もまたこのプロジェクトによって生み出されたハイブリッド新生児である。
なお計画に使われた遺伝子情報はすべて海本のものが使われており、言ってしまえばプロメテの子たちは全員遺伝子上は海本の子供に相当する。
しかし実験工程において、重大な遺伝的ディフェクト(欠陥)が発見されたことでプロジェクト自体は凍結となっている。ディフェクトを抱えて生まれてしまったプロメテの子たちは17歳から18歳になると細胞のアポトーシスが急激に始まり死に至るという。
これを回避するため、プロメテの子たちは特効薬「ラファエル」の開発に着手したが、やがて迫りくるスペースビーストへの対策を優先した新宿大災害の当事者である水原沙羅の命令によって開発は中断された。
それでもプロメテの子たちは諦めずに秘かにラファエルの開発を続けており、水原も本心では彼らを心配し、命令に背いてラファエル開発続行を続けていることを知っていて黙認していた。
そして彼らの必死の努力によってついにラファエルは完成。イズマエルとの戦いで心身ともにボロボロとなった憐に投与され、死にかけていた憐は一命をとりとめた。
なお憐の指輪に書かれているプロジェクトのデータベースにアクセスするためのパスワード「pyr」とは「炎」を意味するギリシャ語であり、人類に炎の力を与えたとされる神プロメテウスの説話に由来する。