くすくすくす…
あなたのココロに広がる闇で、
わたしを飲み込んで、滅ぼすの?
プロフィール
概要
シリーズ第3作『ワイルドアームズ アドヴァンスドサード』 のラスボス。
魔族の情報庫『ヒアデス』に潜む特殊な魔族――「夢魔」と呼ばれる電子情報体であり、生身の肉体というものを持っていない。
そのためか実体のある世界に憧れ、自分のための新世界を創造するべく暗躍する。
しでかした悪行はシリーズを通しても最大級。作中では操った人間を介してユグドラシルシステムを暴走させて惑星環境を激変させ、世界中の人間を記憶喪失にした上、一度は世界を消滅させることにさえ成功している。
WA3は四部構成となっており、物語上で本格的に姿を見せるのはCHAPTER3の最後から。
……が、よく見ると序盤から何度も背景にさりげなく登場しているのが確認出来る。街中でも見かける機会があるが近づくと消えてしまう。
- クレイボーンを訪れたとき、鳥小屋の表の囲いに出ると畑の近くにいる
- ジョリーロジャーでジェイナスに絡まれたとき
- ティティツイスターで大通りからARM屋の方を覗いている
- ガンナーズヘヴンの2階のバルコニー
- ハンフリースピークの地下に入ったとき地上にいる
- ブーツヒル村でのジェイナスとイベント中
- ブーツヒル村のヴァージニア宅2階のバルコニーから外を見渡すと広場をうろついている
- ラクシスランドの宿屋付近にある木箱の方
などに登場する。ストーリー終盤でも一瞬だけヴァージニアの前に姿を現し、影の黒幕感が演出された。
戦闘の際は変身する。ただし真の姿ではなく“戦闘用の形態”とのこと。
性格
可愛らしい外見とは裏腹に冷徹・冷酷な心の持ち主。目的のためなら平然と他者を利用し、尊厳を踏みにじるやり方もいとわない。
一方で利用価値がある内は斬り捨てるような真似はしない。真実に気付いて反旗を翻した教主ラミアムに関しても、ヴァージニアたちを庇わなければもう少し生かしておくつもりだったという。
能力
『電界25次元』という“夢を操作する能力”を持ち、永久の眠りにつかせることやこの空間に引きずり込むこともが出来る(つまり夢の中の世界へ引き込むことが出来る)。
また電界25次元はベアトリーチェが支配する空間でこの中でなら全能と言える程の力を行使出来る。 設定上ではこの力は惑星規模まで拡大することもできる。
しかし逆に現実世界ではほとんど何もできないため、人を夢から操ることで新世界を創造しようと暗躍した。
この他、掌から光の弾丸を放つという芸当もやっている。この能力でヴァージニアを殺そうとしたが、庇いに入ったラミアムが犠牲になった。
小説版の同シーンではヴァージニアたちの偽者を生み出して銃撃させラミアムの命を奪っている。
活躍
過去にはユグドラシルを用いてファルガイアを改造し、自分が住める世界にしようとした。しかしシステムが過負荷に耐えきれず暴走してしまい、人々の『想い出』を奪うという形に終わる。結果、星の生命力をユグドラシル周辺に偏らせてしまうことになった。つまり世界が荒廃したのは、ベアトリーチェが原因である。
その後はシェーンやラミアムの夢の中に現れ、聖女のお告げという体で二人を動かして暗躍。更には後述にもあるようにジークフリードを復活させ、ヴァージニアたちをぶつけることで彼を消滅させた。
終盤ではナイトメアキャッスルという自身の居城へとヴァージニアたちを誘き寄せ、配下のディザスターをけしかけたが失敗したため自らが戦うことに。
敗北後は一時撤退。と同時にファルガイアの人々から想い出(記憶)を奪い取り、星を創るためのエネルギー源にした。
そしてデスティニーアークまで追って来たヴァージニアを不意打ちで殺そうとしたが、ラミアムが庇いに入ったため彼を射殺してしまう。直後、ヴァージニアたちを電脳空間に引き込んで闇の檻の中に幽閉する。
勝利を確信したがラミアムが遺した希望という名の光がヴァージニアたちを闇から解放してしまい驚愕。激昂したヴァージニアから「あなたを誰の想い出にも遺さないッ!」と告げられ、最後の激突を繰り広げる。
「ファルガイアに生きる生命より産み出されし、【もうひとつのファルガイア】が、あなたたちを、食らい尽くしてあげるわ!」
「わたしは――【ファルガイア】のマザーになるのよッ!」
その後、マイナスのファルガイアである「ネガ・ファルガイア」と同化。全9形態に及ぶラストバトルを繰り広げる。
ナイトメアキャッスルでの戦いを入れるとエンディングを見るためにノーセーブで11連戦もするという、シリーズ屈指の長時間バトルを強いられる。ただしラスボス自体はそこまで強くなく、ベアトリーチェに勝てるなら多少苦戦する程度。
「結界【夢の中の世界】にあるゆえに、存在していたふたつのファルガイア…
わたしが滅べば、結界も滅ぶ…
そして、接触を果たす、ふたつの相反世界は、お互いがお互いを駆逐し、消滅させていくの…
何もかもが、終りを迎えるの…
わたしも…、あなたたちも…
全て…、虚無に包まれるの…」
「くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす」
最後は今度こそヴァージニアたちに敗れ、自ら生み出した負の世界ごと消え去った。その時でさえも全てが平等に滅ぶことを嘲笑っていた。
小説版ではラストバトルの後、ヴァージニアに対して「手段こそ選ばなかったが母という存在を羨望し、純粋にファルガイアを思っていた」ことを明かし和解するシーンが描かれた。
ベアトリーチェが本当に欲しかったのは自分が存在出来る世界などではなく、寂しさを埋めてくれる【皆と一緒にいられる居場所】だったのかもしれない。
人気
シリーズ屈指の悪事を働いた上に改心することなく退場した黒幕だが、容姿の可愛らしさから妙な人気がある。最終盤になるまでストーリーに絡んで来なかった、いわゆるぽっと出に近い悪役ということもあってネタにされることも。
当時発売されていたアンソロジーや4コママンガでも、登場したのはカスケード興産や予言者などストーリー序盤に登場する勢力が殆ど。ネタバレ回避のためかジークフリードやベアトリーチェは4コマ後期に少しだけ登場している。
ユーザーでの愛称は「ベア子」「ベアたん」など。
余談
オープニングムービーはストーリーの進行に応じて変化しており、最後のOPムービーではついにベアトリーチェが登場する。その際は悲しげな表情から冷徹な顔に変化するという演出がされている。
中盤の大ボスであるジークフリードは同族であり幹部的存在でもあるが、ベアトリーチェとは敵対している。このため封印されていた彼を消滅させる策略を練っていたとのこと。
ジークフリードの目的は星を改造して人間を滅ぼすことのため、ベアトリーチェにとって何の得にもならない。
二次創作では「孤独だったことから人との関わりに飢えている」「悪ぶっているだけで実は優しい性格」「夢の世界に引きこもっているため極度の世間知らず」「出番の少なさをネタにされて弄られるとクールさを崩して怒り出す」などのキャラ付けがされていることも。
OPムービーの演出や小説版の設定なども影響していると思われる。
本作のキャラクターイラストを担当した大峡和歌子が手掛けた漫画「WA花盗人」には、エスメラルダという幼女が登場しており、「ワンピース姿の幼女で悪役感を出した振る舞い」「実体を持たず精神体で登場し、言葉巧みに主人公を動かす」などベアトリーチェとの共通点が散見される。ただしこちらは味方である。
“邪悪な雰囲気を見せることもあるが根は善寄り”のエスメラルダと“悲しげな表情を見せることもあるが邪悪な存在”のベアトリーチェ。どこか対照的でもある。
花盗人の方が先に描かれており、作者を本作のイラストレーターに起用したことからもベアトリーチェはエスメラルダのオマージュであることが窺える。
名前の元ネタは、イタリアの詩聖ダンテ・アリギエーリが《新生》《饗宴》《神曲》の中に描いた女性ベアトリーチェと思われる。《新生》によればダンテとベアトリーチェは9歳の時に初めて出会い、以後もダンテは彼女に恋い焦がれ続け、彼女の死後も永遠の存在として詩の中に登場させたという。
また『ベアトリーチェ』という言葉には《至福を与える女》という意味がある。なお、彼女は詩の中にしか登場しないため実在しない女性である。
この辺りの要素が、ベアトリーチェの幼い容姿、1人の男に自分を聖女として崇拝させる、現実には存在できない立場として組み込まれたと思われる。
関連イラスト
関連タグ
ラスボス 敵女 悪役 黒幕 哀しき悪役 だいたいこいつのせい
美少女 ロリ 幼女 ダウナー 女性語 ロングヘア 紫髪 ワンピース ミニスカート
エリザベート:初代夢魔。初代リメイクアルターコードFにて電子生命体という設定が追加された。容姿も変更され人間の美少女とほとんど変わらない。ベア子の設定が反映されたと思われる。
マリアベル・アーミティッジ:シリーズのロリキャラ。こちらもファルガイアと別次元を行き来する孤独キャラだったが、ベア子のように歪むことはなかった。
ロードブレイザー:WA2の登場人物。花盗人のエスメラルダのオマージュ元。ちなみにベアトリーチェは、ロードブレイザーによく似たディザスターという存在を従えている。
ベリエール:WA4の敵役。こちらも魔族であり閉鎖空間を生み出して絶対的な力の行使が可能。
ベアトリーチェ・“リリィ”・アナスターシ:名前繋がり。こちらはヒロインであるにも拘わらずヒロインっぷりが薄いことをネタにされている。
謎の少女(グローランサー):こちらも似たようなポジションのロリラスボス。