概要
ビタミンの欠乏症の一種。ビタミンB3(ナイアシン)が不足することによって起こる病気(栄養失調)である。病名のペラグラ(Pellagra)はイタリア語で「皮膚の痛み」を意味する。
症状
初期症状として光線過敏症が生じ、顔などの日光が当たる部分の皮膚に赤い発疹が出る。
その後、消化器官全体が侵されて吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの症状が現れ、舌と口に口内炎が生じる。また、喉や食道にも炎症が起こる。
症状が進行すると、疲労・不眠・無感情を経て、脳の機能不全(脳症)による錯乱や認知症等が起こり、最悪死に至る。
特徴・原因
トウモロコシを主食とする地域でよく見られる。この原因としてトウモロコシのナイアシンがアルカリによる処理なしでは体内に吸収されにくいことが挙げられる。メキシコのトルティーヤは、このアルカリ処理(ニシュタマリゼーション)が行われる料理の代表例である。
遺伝やトウモロコシ以外の原因として、栄養摂取障害があり、極端な偏食によって発症する場合もある。日本ではアルコール依存症の人が発症しやすい。
また、ナイアシンの不足状態は総じて他の栄養素(亜鉛、鉄分、ビタミンB2〈リボフラビン〉、ビタミンB6〈ピリドキサールおよびピリドキサミン〉)も不足している状態である場合が多く、ペラグラを発症するリスクが高くなる。ニコチン酸アミド及びビタミンB群の投与により治療する。
関連タグ
脚気:こちらはビタミンB1(チアミン)が不足することによって起こる。精米した米(白米)を主食とする地域(アジア等)に多く見られた。
月華国奇医伝:第6-7巻で玉米(トウモロコシ)を常食とする村で奇病が流行っているのを主人公が訪れたが、アルカリ処理をしていない玉米を食べていたことからペラグラだと判明する。