ホワイトシャドウ
ほわいとしゃどう
注意:この項目はR-18に該当する内容が含まれます
フェアリーダストから1987年4月15日に発売された、アダルトアニメの新くりいむレモンシリーズ第2作目でAICとの共同作品。当時はスタッフ名は伏せられていたが、後にうるし原智志がキャラクターデザイン、作画担当したことをイラスト集などで公表しており、うるし原にとっては初の監督作品となったが、作品としては満足するものではなかったらしい。
新体操にホラー要素を組み合わせた作品で、魔性の存在に乗っ取られたヒロインが相手の男の精気を吸い取り惨殺する、というかなりグロ描写があるので、パッケージなどの見た目で騙されると痛い目に遭うので、視聴には注意が必要である。
なおこの時期、くりいむレモンは翌月にシリーズ第3作の「魔人形 (madol)」、翌々月にくりいむレモンスペシャルとして「DARK〜ダーク〜」と立て続けにホラー風作品を出していた。、また今作品より前の1985年には亜美シリーズのミュージックビデオ(一般作品)「亜美・イマージュ〜白い影〜」という作品が出ているが、ホワイトシャドウとは無関係。
1996年にフェアリーダストより、PC9801用アダルトゲームソフトの「赤い水晶の瞳」が発売。うるし原がキャラデザ担当でないなど、くりいむレモンシリーズとはされていないが、ペンダントの設定や学園の名称などが共通しており関連作品とされる場合もある(今作のキャラクターは一切登場しないし、言及もない)が、世界観が同じなのかパラレルワールドなのかは不明。
麻美
今作のヒロイン。英愛学園新体操部のエースで、全国大会予選に出場することになっていた。プロポーション抜群で、見た目より巨乳。奥手で、ボーイフレンドの祥太と一郎のうち、祥太に心は傾いていたものの、積極的にはなれずに恋人状態に進めずにいた。祥太に貰ったペンダントのせいで、鏡の中の世界に閉じ込められることになり、自分を乗っ取ったもう一人の麻美が祥太を惨殺する光景をただ見てるしかなかった。
序盤5分でもう一人の麻美に乗っ取られた後は、途中鏡の中からのもう一人の麻美との会話があるだけで、解放後にエンディングで台詞無しで登場。出番や台詞自体はそれほどない。
英愛学園の新体操部のエースである麻美は、明日に控えた全国大会予選に向けて体育館で練習をしていた。それを見守るボーイフレンドの祥太と一郎。
祥太との学校からの帰り道、祥太は家から持ち出した赤い宝石のついてペンダントを麻美にプレゼントする。祥太はそのまま麻美にキス、胸を触ろうとするが拒絶され、麻美はその場を立ち去る。家に帰り怒りでプレゼントを引きちぎって床に叩きつけようとするものの、思いとどまり、そっと机の上にペンダントを置く。
就寝中の麻美が突然起き上がると、嵐に見舞われ雨風が部屋に入り込んできたので、窓を閉めると、部屋が突然異空間の中になっていた。気が付くと全裸となっており、脇から現れた2人の女性にローブをかけられ、部屋の外へと歩きだす。外は庭園で、何人もの裸の男女が乱交状態で交わっていた。麻美は男にローブをはぎ取られ、ペンダントを奪われ倒される。が、次の瞬間その光景を見ている麻美がいた。倒れたほうの麻美が消失、光となって残った麻美の胸元に集まる。
翌朝目覚める麻美、何事もなかったかのようにいつもの朝を迎える、しかしその胸元には昨夜外したはずのペンダントがつけられていた。
新体操全国大会予選では麻美は素晴らしい演技で観衆から声援を受ける。その様子を会場脇で見ていた祥太は昨日の事を思い返して、そのまま麻美に会わずに帰ろうとするが、振り返るとそこには満面の笑みを浮かべた麻美がいた。昨日の事でしどろもどろになる祥太に麻美は気にしないでいいの、と手を取って会場の外へと出る。駐車場に来ると、見知らぬ車の前に来て、麻美がドアを開けて入ってと促す、他人の車なのにと躊躇う祥太にキツい声で入るようにせかす。
車の後部座席に入った2人、何をするのかと問いただす祥太に、麻美は昨日の続きをするの、とトレーナーとレオタードを脱ぎ上半身を惜しげもなく晒す。麻美は祥太にのしかかると、胸を触り乳首を吸うように言ってくる。やがて祥太の手が麻美の下半身に及ぶと麻美は自らの股間部に祥太の手を導き、自分も祥太のモノを触り、ズボンを脱がしてパンツに手をかけ、自分もすべて脱ぐ。祥太に入れてと囁く麻美、どうすればいいのかわからず、もじもじする祥太のモノを握ると自分の中に導く。
激しく交わる2人、やがて体の上下を入れ替え祥太の上で激しく腰を振る麻美。祥太は思わずいきそうだ、と漏らすが、麻美はそれまでと違って冷ややかな表情と声で、いいのよ、永遠にいっておしまい、と返す。虚ろな表情で視点も定まらない祥太の体に変化が起き、急に肌が痩せて髪の色が薄くなる、干からびていく祥太の体。骨と皮のミイラ状態となり、逃げることもできずに、果てると同時に閃光を発して爆散して祥太は消滅する。麻美は衣服を着ると、そのまま冷ややかな表情のまま車から立ち去る。
夜、麻美は風呂場で髪を洗いながら、鏡の中の麻美に話かける。そこには別人の、否、本来の麻美が閉じ込められ、もう一人の自分に対して、なぜ祥太を殺したのかと問いただすが、鏡の前の麻美は皮肉っぽくはぐらかすだけで、今度は一郎を狙うことを宣言、鏡の中の麻美がどちらが好きか曖昧な事しか言えないことに、麻美は腹を立て話を中断し、自室に戻ると、なお話かけてくる鏡の中の麻美の言葉を遮り、これからは心の中にしまっていてやり切れなくてうずうずしていた事を好きなようにやるの、と言い、ベッドの上でオナニー行為にふけるのだった。
学園での部活、麻美は新体操の演技の練習をする。その光景を体育館上から見ている一郎、しかし表情は険しい。そんな一郎を見てニヤリと微笑む麻美。学校を出る麻美を追いかけ、麻美が途中で待っていて、行方不明になった祥太のことで話があると言って、麻美は自宅へと一郎を連れ込む。カーテンを閉めて、ベッドの上で話始める麻美。それは祥太が冷たくて口も聞いてくれないの、という行方不明になったのは明らかなのにおかしな話、麻美はペンダントをかざして一郎に囁きかける。祥太はここにいる、親友に会いたくない、と誘惑。一郎は正気を失ったかのように、麻美に覆いかぶさり、麻美の胸を揉んで、股間に手をやる。
服を強引に脱がせて、お互い裸となって、一郎主導のセックスが始まるが、麻美はやがて冷ややかな目で一郎を見下すようになる。一郎はふと鏡に視線をやると、そこには麻美がこちらを見るように立ちすくんで映っていた。目の前の麻美と違う姿に、ようやく正気に返り、麻美を問いただすが、再びペンダントの力で幻影を見せられ、麻美が一郎の上にのしかかり自ら主導のセックスに及ぶ。徐々に力が奪われていき、体を抑えつけられるが、麻美のつけていたペンダントがすべての元凶だと気づき、麻美からペンダントを奪うと力を取り戻し、それを思い切り叩きつける。ペンダントは割れ強烈な光が漏れる、部屋の鏡などが割れ、麻美は気を失い倒れ、一郎が抱える。割れた鏡が二人に降り注ぐ
雪の降る冬、学園から出る二人、寄り添うように歩き出すところで物語は終了する。