概要
本作の敵勢力ヴェイガンに所属するXラウンダーだけで構成された特殊部隊。本編での所属は地球制圧軍指揮官となったゼハート・ガレットの指揮下にあたる。
男女8人で構成されたエリート部隊であり、搭乗する機体はいずれもXラウンダー専用機であるゼダスM。
何気にこの部隊で、初の女性ヴェイガンが登場した。
自分達より若輩でありながら、最高指導者のフェザール・イゼルカントの命令とはいえ、あっさり総司令官に就任している上官のゼハートを快く思っていない隊員が多い。
基本的に、Xラウンダーであるエリート意識やそれを礎にしたプライドの高さを持つ非常に我が強い連中であり、ゼハードだけでなく上官に対しても不遜な態度を崩さない事が多いが、反面仲間に対しては情に厚く非常に連帯感が強く、通常の軍隊の部隊と言うよりは同志に近い結束力を持っている。
しかし、戦死した仲間の為に命令無視はおろか、デシル・ガレットに唆されて無断出撃までして勝手に仇討ちに走った結果、むしろより多くの仲間を失ったりと非常に傍迷惑な問題児ばかり。ゼハートとヴェイガンの頭痛の種であり、ぶっちゃけその有り様についてはエリート部隊どころか、むしろ愚連隊と言っても過言ではない程である。
普通なら問答無用で軍事裁判にかけ、懲罰行きになってもおかしくないレベルの連中なのだが、そうならないのはひとえに貴重なXラウンダーの兵士だからである(とはいえ、ドールを初め真っ当な者もおり、戦場ではちゃんと命令に従うだけこれでもまだデシルよりは遥かにマシである)。
最終的には、リーダーのドール以外の面子がコロニー「ノートラム」攻防戦までで戦死し、ドールもゼハートを庇って死亡した事でマジシャンズ8は全滅した。
ちなみに何の因果か毎回1話で2人ずつ死亡している。
肝心の戦績についても、仮にもXラウンダーでありながら劇中ではその驕慢な態度とエリート意識も災いしてか、非Xラウンダーであるアセム・アスノやウルフ・エニアクルを相手に幾度と無く敗退しており、とにかくパッとしない。
その戦績の悪さははっきり言って、デシルと並んでXラウンダーの面汚しとしか言いようがなく、メタ的にはアセムの成長とダブルバレットの販促の為のかませ犬でしかない。
ぶっちゃけ、劇中での活躍やそれによる存在感、そして互いの連携やモビルスーツの操縦技術の巧みさ等、同じようなポジションでも第3部に登場するヴェイガンの非Xラウンダーの精鋭部隊たるファントム3の方が遥かに目立っている。
総じて、イゼルカントが唱える「Xラウンダーは人類の進化ではなくむしろ退化」論を、デシルと並んでその身をもって証明しているような連中だと言える。
メンバー
男性隊員
- ドール・フロスト……マジシャンズ8のリーダー。メイン画像左上の薄紫色の髪にやや痩け気味の頬をした長身の男性で、30歳。第3部でゼハートの副官となるフラム・ナラは苗字の違う妹。寡黙だが理性的でヴェイガンの一員としての使命感は強く、部下達からの信頼も厚い。加えて当初はゼハートに対して懐疑的ではあったが、それでも命令無視等はしておらず、間違いなくマジシャンズ8の中では一番軍人としても真っ当な人である。Xラウンダーとしての実力も確かで、敵を侮るような描写も少なく、戦場でも部隊の中では一番真っ当に活躍していた。一方で、我が強い部下達の事は制御しきれておらず、彼等の命令無視や無断出撃を結果として止められなかったり等、部下の管理能力にはやや難がある。最終的には、当初は懐疑的だったゼハートの事を理解していき、彼に希望を見出だして最期は地球へ落下するゼハートの機体を庇って戦死する。妹のフラムの件も含めてマジシャンズ8の中では一番目立っていたキャラで、むしろマジシャンズ8という部隊のキャラの見せ場や存在感は、ほぼ彼一人に集約されていると言っても過言ではない。後述する小説版においても彼のみ出番がある。
- グリン・ライズ……マジシャンズ8のサブリーダー。メイン画像中央のギャルゲー主人公よろしく両目が髪で隠れた男性で、26歳。一応サブリーダーではあるのだが、ミンクより後輩なのか土壇場では逆に彼女の指示を受けている。劇中ではゼルと共に、非Xラウンダーのアセムに舐めてかかった結果、AGE-2ダブルバレットのビームサーベルを受けて戦死。
- ゼル・ブラント……マジシャンズ8の隊員。青い長髪をした長身の男性で、24歳。本来なら正面からのぶつかり合いを好む武人肌な人物だが、命令とガンダム相手という事で仕方なくグリンと二人がかりでAGE-2ダブルバレットに挑む。しかし、グリンと共にAGE-2のビームサーベルを受けて戦死。自分の主義より命令を優先していたので、彼もマジシャンズ8の中では軍人として真っ当な方の人である。
- レオ・ルイス……マジシャンズ8の隊員。メイン画像左上の薄いオレンジ色の髪をした男性で、見た目に反して28歳と、マジシャンズ8では高齢な方。常に手鏡を持参しているナルシストで「美しい」が口癖。加えて集中線と共に放ったある台詞からファンからは“命の華(笑)”という愛称で呼ばれている。仲間の仇討ちの為に無断出撃したが、ミューセルの力で疑似Xラウンダーとなったアセムに一方的に圧倒され、最期はゼダスの腹部を撃ち抜かれ、「美しくない!!」と叫びながら戦死した。
- ザファー・ローグ……マジシャンズ8の隊員。側面を刈り上げて白いモヒカンのような髪型をした、厳つい風貌の長身の男性で、その外見に反して年齢は25歳と、マジシャンズ8の中では若い方。ノートラム攻略戦の際にネッドと共にデシルに機体を無理矢理操られてしまい、捨て駒同然にAGE-2に組み付かされた所をウルフに撃たれて戦死する。ゼハートに対しては不信感を持ちながらも、特に命令違反をしている様子もなかったので、マジシャンズ8の中では真っ当な方の人である。
- ネッド・カーン……マジシャンズ8の一員。茶色の髪をした小柄な中年男性で、45歳とマジシャンズ8の中では最高齢。この手のニュータイプ部隊ポジションの部隊の一員としても、かなり珍しいレベルの高齢である。ノートラム攻略戦の際にザファー同様にデシルに機体を無理矢理操られ、捨て駒同然にAGE-2に組み付かされた所をウルフに撃たれて戦死した。こちらも特に命令違反をしている様子もなく、年齢もあってかマジシャンズ8の中では真っ当な方の人。
女性隊員
- ミンク・レイデン……マジシャンズ8の隊員。メイン画像中央上の水色の髪をした褐色肌の女性で、28歳。マジシャンズ8では姉御的な存在であり、一応はサブリーダーのグリンにも逆に指示を飛ばしている。ゼハートに対しては本人の前で暴言を吐く程に懐疑的で、仲間への情も人一倍強く命令無視や無断出撃を繰り返したが、ゼハートに庇われて助けられてからは多少は彼に対して大人しくなった。最終的にノートラムの決戦においてダウネスに挟まれたディーヴァのブリッジを破壊しようとするも、レミ・ルースとオブライト・ローレインに阻まれ、最期はフォトンブラスターキャノンの直撃を受けて肉体を跡形もなく焼かれ、壮絶な断末魔と共に消滅した。
- レッシー・アドネル……マジシャンズ8の隊員。メイン画像右上の赤紫色のロングヘアーの女性で、年齢は26歳。ミンクの事は「ミンク姉さん」と慕っている。仲間の仇討ちの為に無断出撃し、Xラウンダーでもないウルフを見下していたが、そんな彼に動きを読まれて翻弄された末にコックピットを接射されて戦死。こちらも最期は中々壮絶な断末魔を上げる。
小説版
本作では出番はほぼ全カットされている。
一応ゼダス自体は出てくるので、それに搭乗していたと思われるが、台詞及び戦闘シーン、というかそもそもキャラの出番が自体が無く、結局特に活躍も無く墜とされている。
まあ、前述した通りぶっちゃけあくまで販促やアセムの成長用のかませ部隊に過ぎないので、尺の都合もあってわざわざ小説で描写を入れる程ではないと判断されたのだろう。
ただし、ドールだけはゼハートと少し会話した程度の描写だが登場しており、その時の会話からゼハートに希望を見出だし、テレビ版同様に命を懸けて彼を庇って戦死している。
関連タグ
ヴェイガン ゼハート・ガレット デシル・ガレット メデル・ザント ダズ・ローデン ファントム3