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概要編集

男性のみによる地下アイドル、「メンズ地下アイドル」のこと。

地下アイドルそのものについては当該記事を参照のこと。


長らく男性アイドルはメジャーな一部事務所の寡占状態が続いており、また若手俳優バンド(特にヴィジュアル系など)やお笑い芸人と活動の場やファンの層がかぶりがちなためか、女性アイドルに比べると数は少なかった。

しかし、1990年代後半〜2000年代から少しずつ歌手が主体でない事務所や小規模、新興の事務所から男性アイドルがデビューすることが増え、2010年代からはSNSや動画サイトなどの隆盛も手伝い、男性地下アイドルグループが急増している。

また、数は少ないものの、地方を拠点とするローカルアイドルグループや、日本のライブシーンで活動する外国人(※有名な例としては、新大久保を拠点の一つとして活動するK-POPアイドルグループを指す「しのくぼアイドル」など)もいる。

なお、ソロやデュオも多い女性の地下アイドルとは違い、3人以上のグループでの活動が大半である。


加入前にニコニコ動画YouTubeTikTokなどの踊ってみた歌ってみたといったジャンルで活動していたり、元は大手の事務所やその養成所に所属していたりといった経歴を持つ人物も増えており、アイドル以前から「固定のファン」が付いていることも少なくない。


質の差は地下だけにピンからキリまでといった状態だが、距離の近さを魅力と感じるファンも少なくない。

運営も大手芸能事務所から新興の小規模事務所まで幅広くなってきている。



メン地下の問題点編集

短期間かつ急激にグループ数が増えたこともあり、競争の激しさや運営の質の差が著しいことも手伝い、様々な問題点が指摘されている。


女性の地下アイドルと同様にプロ意識が十分育たず素行の問題を起こしてクビになる者もそれなりにいるが、メン地下の場合熱烈な女性ファンを相手にするが故の問題点も発生している。


地下アイドルの現場では、ライブ自体は格安、無料であったり、繁華街でのチケットの手売りやSNSでの直接営業が盛んであったりと、ライブへの参加の敷居を低くして、「物販」と呼ばれるアイドル本人によるグッズの手売りや、ライブ後に「特典会」などと呼ばれるチェキ撮影などの営業イベントで売り上げを伸ばす、というのが通例化している。

しかし、運営費を稼ぐため多額のオプション(「たくさん買えばたくさん喋れる」というようなシステム)をつけて課金合戦になりやすいシステムのところが多く、しかもライブの本数がメジャーアイドルより多いため営業イベントの開催回数もかなり多い。このため、推し活が行き過ぎて生活に悪影響を及ぼす廃課金状態に陥ってしまう危険性が、メジャーなアイドルに比べて高いといえる。


またファンの側にも距離の近さから推しに対する独占欲が強くなりがちな環境にあり、推しからのレスや認知を得る得ないや同担拒否にこだわるあまり現場のファン同士で勝手な慣習を作り上げてしまうことが往々にしてある。女性アイドルやマイナーヴィジュアル系バンドの現場でもあったような「最前管理」「最前交渉」などの非公式慣習がより過激化している界隈もあり「同担が客席で縦や横に並ぶべきではない」といった珍妙な価値観を吹聴する場合もある。

これにより新規客への敷居が高くなったり、常連客がSNSでそうしたローカルルールを全ジャンル共通かのように吹聴して炎上するケースもある。


良心的な運営であれば、アイドルとファンの私的な繋がりは禁止・もし確認された場合は契約解除などの厳しい処分を課し、ライブマナーでも最前管理等の一部ファンによる勝手な非公式ルール作成やメンバーと私的な繋がりを目論む「狙い」行為、チェキ会での過剰接触を禁止して演者とは一線を引かせており、破ったファンには出禁措置を行なっている。

しかし悪質な運営だと、アイドルとファンの線引をあえて明確にせず、曲は適当なカバー曲だけを使ってアイドルのステージ外のコントロールやライブパフォーマンスの質向上を放棄し、ファンのガチ恋感情を煽って利用する商売に走るところもある。


ホストクラブまがい(場合によってはコンセプトカフェやクラブなど店そのものが運営母体になっていることもある)の方針をする運営もおり、撮影会中にファンと過剰なボディタッチをする、高額な課金をさせることでメンバーとデートや旅行する権利を買える、SNSで個人的な連絡を取るなど「ファンとメンバーの線引きが危うい営業」(色恋営業)をアイドルにさせることもある。

これにより、「ガチ恋」で冷静な判断ができなくなったファンが「アイドルと付き合えるかも」「そのアイドルの一番のファンになって『認知』してもらえるかも」とどんどん金を注ぎ込み、「課金」額が月数十万〜100万以上という、ホス狂と変わらない状態に陥ってしまう危険性が指摘されている。

最も過激な界隈だと、撮影会中にアイドルが「サービス」としてファンの胸を揉んだり、下着に手を入れたりというほぼ性犯罪状態になっているようなケース、さらには枕営業を図るケースも確認されているが、性的関係を持ったことで余計にのめり込むタイプの女性を厳選して少数の太客で大儲けを目論む事務所も存在する。


同性のファンや年齢層の高いファンも多い女性地下アイドルに比べると、男性地下アイドルは若い女性のファンが集まりがちであり、未成年も少なからずいる。このため、過激営業系のグループにハマって稼ぎの良い水商売や(違法行為である)援助交際パパ活を含む)、立ちんぼに走ったり、家から無断で金を持ちだしたりといった、金銭面だけでなく、人間関係の悪化や学業等への影響など精神的にもに追い詰められていくケースがままあるという。

当事者であるメン地下ファンの間からも、過激営業に走る事務所には批判が出ており前述のようなセクハラレベル営業を「前戯物販」と蔑称で呼ばれている。


保護者からの「娘がメン地下にハマりすぎて身を持ち崩している」といった相談も警察に多く寄せられているようで、2022年暮れ〜2023年初頭には警視庁少年育成課が、メン地下と特定する形で「推し活」に関しての注意喚起が行われている。

また、2023年1月には未成年ファンに手を出したメン地下のメンバーが逮捕される事件が起こっており、彼らが所属していた事務所が特に過激な営業のところだったため物議を醸し、メン地下ファンの中には「警察の注意は実質この事務所を名指ししていたのでは」との声もある。実際、運営元が同じコンカフェが同年摘発され、2024年には「チェキ会の時に所属メンバーがファンの胸を揉むなどのセクハラ行為をした」として当該の事務所社長が逮捕されている。


このような悪質な運営の場合、その下にいるアイドル側も、歌やダンスで人気を獲得する、ファンと対等かつ一定の距離感を保って接する形で活動する機会を奪われており、健全な芸能活動に支障をきたすどころか違法行為の片棒を担がされ前科者となるリスクもある。さらに、一部のグループの悪評が「メン地下」という界隈そのものの印象を下げるという問題も大きく、適切な運営を行っている事務所・グループにも悪影響を及ぼしている。



著名なメン地下グループ編集



関連タグ編集

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