概要
CV:石原凡
階級は中将。54歳(享年)。「Strikers」時における、時空管理局の地上本部においてトップにあたる人物で、首都防衛隊の代表。
管理局員の中でも武闘派として扱われ、作中でも過激な発言等が多く、また組織の運営において自身の思想を強引に押し通すワンマンな傾向がある事から、同じ時空管理局…特に、なのは達次元航行部隊からは、危険人物と見なされ毛嫌いされていた。
一方で、レジアス自身も、魔力を扱える人間に対する差別意識こそ持ってはいないが(個人で局面を左右しかねないレアスキルはあまりよく思ってない模様)、個人で強大な魔力を持った局員を半ば独占・重要視しているだけでなく、過去に大規模な犯罪に加担、関与していた者まで、優秀ならば局員として積極的に取り込もうとする、本局側の形振り構わないに等しいあり方を快く思っていない。突出した力を持った魔導士達を半ば独占している次元航行隊の中でも、特に機動六課に対して強い反感を抱いており、権力に物を言わせるも同然の形で機動六課を連携で支援している本局側や聖王協会にも反意を示していた。
これらの考えは決して狭量とは言えず、また本局側と地上本部側の保有する戦力や人的・物的資源に大き過ぎる差もある為に、不満の一つや二つを覚えるのは当たり前な事で、前科のある人間まで、管理局員として取り込む姿勢への反感も、秩序を重んじている側としては至極全うな考えであったと言える。
少なくとも犯罪を防ぎ治安と秩序を守る役目を持った人物としては、非常に優秀かつ重要な人物であったといえる。
因みに彼自身は非魔導士。魔法偏重の管理局では所謂「生まれながらの才能によって左右される覆しようの無いノンキャリア」の身であり、どのような形で出世したかは不明。
ただ、『Strikers』における過去の回想からも、卓越した政治的手腕によって将官クラスにまで上り詰めた事は確かな様で、相当な苦労人であった事がうかがわれる。
レジアスの思想
『Strikers』劇中では具体的に明かされなかったが、その本質は決して冷酷非道なタカ派ではなく、リンカーコア(つまりは魔力)を持たない人間ながらも、犯罪者達に屈しようとしない強い正義感と使命感の持ち主で、そして優れた統率力や絶大なカリスマ性も持ち合わせていた為に、地上部隊では「正義の象徴」として、揺るぎの無い存在となっていた。
地上本部の予算拡大の重要性を唱えた演説や、魔力資質に依存しない魔道兵器「アインヘリアル」の独自製造をする等といった独立路線の打ち出しも、あくまでも犯罪発生率を少しでも抑えて検挙率も向上させる為であり、私利私欲的な他意は全く無かった。
この為、娘であり部下でもあったオーリス・ゲイズも、レジアスの行き過ぎた行動に不安を覚えながらも、最後までその信念を信じ続けていた。
しかし、そういった必死のレジアスの行動や思想を、肝心の時空管理局の本局側は、「ただの危険思想」と一方的に決め付けていた傾向があり、ミッド地上よりも次元世界全体の安定ばかりを重視し、地上本部側を代表するレジアスの主張や要請も、全く耳を貸そうともしなかった(主人公チームである機動六課にもそういう考えがあったようでヴィータ等は「タカ派のオッサンがまた危ないこと言ってる」的な印象を抱いてた)。
そればかりか、本局側は次元航行部隊や聖王協会と連携までとる形で、地上部隊に対する締め付け政策を実行。地上部隊の主力として成長し活躍していた隊員達を次々と航行部隊側へと引き抜く形で戦力は削り取られ、更には何かと理由をつけての予算削減までもされた結果、地上部隊が担っていた地上で起きている問題解決は非常に困難となってしまう。
事実、ミッドチルダの首都であるクラナガン周辺で荒廃している都市区画が放置されたままである点からも、土地の整地すら出来ないまでに地上本部が切迫した状態である事を窺わせている。
結局、本局側のレジアスを中心とする地上本部への扱いは、絶望したレジアスの暴走や、管理局内部における権力闘争、J.S事件の発生、そして同志であったゼスト・グランガイツやレジアス自身の死といった、数々の悲劇を誘発させる原因となってしまう事になった。
一方で、最高評議会からは重用されていたものの、結託していたスカリエッティの正体を考慮すると、レジアスは最高評議会から仕組まれた上で良い様に利用されていた節もあり、最初から全ての責任をレジアスを中心とする地上本部に押し付け、地上本部自体を解体に追い込む形で切り捨てられようとしていた可能性も否定できない(最高評議会はドゥーエによって抹殺された為、実現こそしなかったが…)。
レジアスの過去
かつては同志にあたるゼストと共に、地上本部の地位を向上させるべく尽力しており、ゼストが前線で活躍するのに対し、レジアスは政治面等において活躍していた。
しかし、本局側は事件の規模が小さい等を理由に、ミッド地上よりも次元世界全体ばかりを優先し続け、ろくな人的・物的資源を得られなかった地上本部は、一向に問題の解決しないまま、発生した事件等に対し満足に対応しきる事すらできず、レジアスやゼスト達は、常に辛酸を舐めさせられる一方となっていた。
当時、管理局員ではなかったスバルとギンガの姉妹も巻き込まれた首都近郊の空港で起きた大火災事件でも、まともな設備や機能を持たない地上本部は火災を止める事すらままならず、結局は偶然居合わせた次元航行隊のメンバーであるなのは、フェイト、はやての3人による劇的な活躍によって、死者を一人も出さずに事件解決されてしまったという結末で終わっており、もはやレジアス達は、地上本部の存在意義自体が否定されてしまう寸前にまで追い込まれていた。
思い描いていた理想と目の前の現実のあまりにもの違いに絶望する中、レジアスは時空管理局の最高評議会の召集を受け、自らの功績を評価する彼等からある「密命」を受ける。
しかし、その内容とは「犯罪者であるスカリエッティを雇い、人造魔導師や戦闘機人の製造計画を進める」という明確な違法行為であったのだが、地上本部の慢性的な戦力、資源不足を補う為には形振り構っていられなかった実状を痛感していたレジアスは、それに一切の理解を示さなかった本局側に見切りをつけ、密命を引き受けてしまう事になった。
それ以前に、「組織の最高機関からのれっきとした命令」である以上、部下であるレジアス本人には拒否権など無きに等しく、下手に拒否すれば自分はおろかオーリスを始めとする身内にまで何をされるか分からなかったと言えなくもない。
これらは、事実に薄々と気付いていたゼスト達との確執を生むだけでなく、機密保持の為に動いたスカリエッティ一味によってゼストやその部下であるクイント・ナカジマが殺されてしまう事態を招いてしまう事になり、それらを知ったレジアスは、もはや完全に後戻りを許されなくなってしまう事になった。
自らの行動が招いてしまったゼスト達の死に、レジアス自身も後悔と自責に苛まされていた様で、後に再会したゼストの前での様子からも、その事が窺われる。
レジアスは私腹を肥やすような悪人ではなくただ治安と秩序を守るために動いていただけの男だったのである。
最期
自らの行動が原因で命を落とす事になってしまったゼストと再会し、彼の部隊が壊滅してしまった真実を語るも、背後に潜み管理局員に化けていた戦闘機人のドゥーエによって致命傷を負わされてしまい、無念の死を遂げる末路となった。
その後
彼のこれまでの行い、そして死が以後のミッドチルダ社会にどのような影響を与えたのかについてはVividからForceまでの後の時代でも特に言及されていない(しかし、Forceでの描写を見る限りそこまで劇的に改善されているとは言い難く、むしろ悪化しているとも言える)。
死後、中心となっていたレジアスを失った地上本部の動向も語られていないが、身柄を拘束された部下のオーリスによって今までの裏の活動が明らかになったとすれば、その地位は更に低下してしまった可能性も否定できない。
二次創作における注意
よく管理局へのアンチ・ヘイト系の二次小説には魔法至上主義のオリキャラが出るがレジアス自身は魔力を持たないので注意すること。
関連タグ
魔法少女リリカルなのは ゼスト・グランガイツ オーリス・ゲイズ
ゴンドウ・キハチ:同じくその心に抱く正義感こそ確かなものではあったが、やり方を間違えてしまった防衛組織の高官。最後は彼なりに過ちを償い、曲がりなりにも大きな貢献を果たす形で最期を迎えるなど、レジアスよりは救われた最期といえる。
更識楯無、更識簪:同じく二次創作内で原作と大幅に剥離した設定を付けられやすいキャラ。特に楯無は悪役にされやすいなどの共通点がある。