概要
声優は「A's」までは高橋美佳子。「StrikerS」から杉田智和。
初出は「とらいあんぐるハート3 リリカルおもちゃ箱」であり、高町なのはのライバル役として登場した。一言でいうと小狼。
アニメ版でのバリアジャケットやデバイス「S2U」のデザインはこの時のものがほぼそのまま使用されている。
すなわち、クロノが真っ黒で攻撃的で堅苦しい服装をしているのは、主人公・高町なのはの対となる最初のライバル役だったからで、とくに少年時の方は私立聖祥大学付属小学校の女子制服を真っ黒に塗ってコート風に改造したようなデザインになっている。
また、原作本編が魔法アイテムを通してとらハヒロインの過去を垣間見たり最終的に広域時間災害を防ぐことだったりしたことから、「クロノ」という名前は車名のクロノスではなく『時間』そのものであると推測される。(ちなみにStrikerSで付けられた英語表記はしっかり"Chrono"となっている)
アニメ版ではクロノは途中から「フェイト・テスタロッサ」の義兄となるが、こうしてみるとクロノはいろんな意味でフェイトの兄であるといえる。(フェイトもライバル役で黒く、「Fate(悲劇的な運命)」というシナリオにリンクした名前を与えられている。)
ちなみにこのような勘繰りが原作者の耳にも届いたのか、作品を追うごとにどんどん「似たもの兄妹」設定が増えていっていたりする。クロフェ派歓喜?
キャラクターにありがちなことだが pixiv ではフルネームよりも「クロノ」で登録されているイラストの方が多いため、そちらのタグで検索した方がイラストには出会いやすい。ただしクロノトリガーやクロノクルセイドほか多数の他作品クロノも相当数が投稿されているのでかなりしんどい作業だが。
作中での活躍
原作ゲーム版におけるクロノ
なのはのライバルとして登場。こちらでは「クロノ・ハーヴェイ」と名乗っている。
時空規模の災害である「ヒドゥン」に対抗するため、人々の記憶を吸い取りエネルギーに変換する遺失技術「イデアシード」を復活させ、なのはの世界にバラ撒いた。
見解の違いからなのはとイデアシードを取り合うことになったが、一方で正体を隠してなのはと接触するうちに、互いに好意を持つようになる。
最終的に彼の計画は失敗したが、なのはと協力してヒドゥンを退けることに成功した。
その後は事後処理のためミッドチルダに戻ったが、数年後に再び来訪し、晴れてなのはと結ばれた。
なのはのライバル兼のちの恋人役に恥じないよう、高い魔法の才能や開発技師としての才能、運動の資質を備えている。しかも母親はミッドのリーダー。設定だけ見るとやり過ぎなくらいである。
しかしイデアシード回収においてはなのはに譲ることが多く、微妙にいいところがない。
また、芯は強いが諦観的な性格をしており、目的のためには自分の命を使うことに躊躇がなく、全てのBADエンドにおいて描写はされていないが世界を救うために死んでいる。
なんというか「ガラスの少年」という形容が相応しい。ぶっちゃけヒロイン。
ちなみに彼女の兄とは雰囲気がどこか似ており、なのはがクロノに惹かれた理由ではないかと作中人物によって語られている。
アニメ無印におけるクロノ
14才。次元航行艦アースラ所属の執務官。
母親のリンディともども中盤に登場。
先輩ポジションで、なのはやフェイトと同じくジュエルシードの捜索に当たっている。
プレシアの事件のクライマックスでは、彼は大きく活躍した。
なお、前述のゲーム版の設定を引き継いでいたなごりか、なのはに好意を持っているような描写が幾度もあった。
原作者によると魔力はなのはよりも上限値がちょびっとだけ低いくらいらしい。
性格はお硬く前向き。むしろ図太い。原作と真逆である。
この時点ではフェイトよりはるかに強く、もしフェイトが正面切って向かっていたらあっさりお縄にされていた可能性が高い。
「A's」におけるクロノ
自分の父親が殺された事件に関わる「闇の書事件」の捜索に当たっている。
アタッカーとして出ると思えば、バックヤードとして出ることもあった。
終盤では、グレアムから最強の武器・デュランダルが託され、今回も事件の解決に大きく活躍した。
事件解決から6年後のエピローグでは提督に昇進し、母に代わってアースラの艦長を務めていた。また、声変わりして杉田声になった。
本作から「才能はそれほどでもない努力型」であるという設定が追加された。
また、魔法の中でもバインドが得意という設定が加わり、以後のキャラ付けとして採用されている。
本作ではとうとうなのは達に強さが追い抜かれたようなイメージを多くのファンに持たれたが、のちの「魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE BATTLE OF ACES-」(なのはBOA)では、追いつかれつつも何気にまだまだ格上であるということが判明している。
同作内の会話から、おおよそシグナムと同格クラスである模様。
本作ではフェイトと義兄妹関係が成立したり闇の書の間接的被害者だったりと、ドラマがいろいろあったことから、放送当時にはフェイトや八神家とのカップリング二次創作(おもに小説)が多数制作されていた。
↑当時の盛り上がり様はこんな感じだった。
後のなのはBOAでフェイトとの兄妹の絆やヴォルケンリッター達の贖罪の念とクロノの赦しがフォーカスされているので、この視点はあながち的外れでもなかったのかもしれない。おもに素材的な意味でだが。
「Strikers」におけるクロノ
25才。(前作から10年後の世界だが彼だけ11歳加算されている)
本作ではクラウディアの艦長を務めている他、エイミィと結婚して二児の父親になっている。
機動六課の監査役でもあり、カリム・グラシア共々はやてにかけられたリミッターを1回だけ解除する権限を持っている。
序盤から名前は出たものの、本人はかなり遅めに登場。
今回もサポートに入るが、艦長である都合上かつてほど大きく活躍することはなかった。
デバイスを使用する描写もなかったが、バリアジャケットは着用している。
ちなみに劇場版BDのコメンタリーによると、機動6課解散後にフェイトについて同艦に配属になったティアナを模擬戦で縛りまくっていたらしい。なんておいし…いやけしからん。
またブラスター持ちのなのはであってもクロノの射程内では戦いたくないそうで、前線に出ることがほとんどなくなった現在でも一線級の実力を保持していることが窺える。
使用デバイス
S2U
CV:久川綾(デバイス自体の声ではない模様)
ストレージデバイス。演算能力が強く、クロノのサポートに一役立っている。
原作ゲーム版では母親であるリンディのお手製。
名前には「Song to you」の意味が込められており、オルゴールのように音楽を奏でる機能が付いていた。
また、如意棒のように小さくなることで持ち運びやすくする機能もある。
ヒドゥン撃退後は再会の証として、なのはのリボンと交換された。
デュランダル
CV:トーマス・キング
ストレージデバイス。グレアムから託される。
凍結を伴う魔法に特化されたデバイスで、あらかじめ最強の氷結魔法「エターナルコフィン」がインプットされているが、使える人は限られている。「エターナルコフィン」はいわゆるぜったいれいどのような技で、死なせること無く多大な冷気で相手を凍らせる事によって封印してしまうという物。
クロノの努力に対してデュランダルが答え、事件の解決に大きく役立った。
なお、現時点で喋るストレージデバイス(応答機能のみとはいえ)はデュランダルのみである。
劇場版ではエターナルコフィンの魔力を反射させる4本のビットが追加されている。
ちなみに、神話のなかに同名の剣が存在するが、無関係と思われる。
特徴的台詞
原作版
「開発者や技術者は…いくらでも、代えが効くんですよ。僕は…やるべきことをやって、消えるのなら…それでいい」
「僕は……僕も…あなたのことが、好きだから……だから、僕は…なにを捨ててでも…あなたを守る」
リンディに対して
「……それほど長く、生きてきたわけじゃないし……わりと…沢山の記憶を、捨ててきたけど……かけらだけでも、覚えてることで…こんなに楽しくて…幸せだった時間って、他に無かった」
クライマックスにおいて、なのはに
アニメ版
「世界はいつだって、こんなはずじゃないことばっかりだよ!ずっと昔から、いつだって、誰だってそうなんだ!こんなはずじゃない現実から逃げるか、それとも立ち向かうかは、個人の自由だ!だけど、自分の勝手な悲しみに無関係な人間を巻き込んでいい権利は、どこの誰にもありはしない!」
第1期において、プレシアに対して
「なくしてしまった過去は、変えることは出来ない。だから今を戦って未来を変えます。」
A'sにおいて、グレアムに対して
うーん……ほんとに同一人物?