概 / 要
小雨大豆の妖怪漫画「月歌の始まり」に登場する主人公の坊主・桃が使う鬼技(おにわざ:超能力)の一つ。
彼が認識した事《万物》を切断できる。この強力な技の性質上、攻防に秀でた鬼技として多用される。
効 / 力
桃が認識した事《万物》ならば、対象の属性・硬度などを無視して切断できる。その気になれば、桃自身の「心の声」すら切断して無かったことに出来る(それわざわざ斬る必要ある?とかの突っ込みは両断しきれない…)。
認識した事《万物》を切断するため、この強力な切れ味は防御にも転用でき攻防に秀でている(いわば攻撃は最大の防御を地で行くような鬼技)。
具体例として―
- 相手が放った雷撃を斬ったり、火炎を切り裂くなど攻撃を無効化する
- 非常に計算と硬度が高い相手の油断を突いて、単純(シンプル)に両断して一気に活路を斬り開く
- 再生力の高い相手ならば、断続的に斬り続ける剣戟「万物封殺 無間刃牢(むげんじんろう)」(※)によって、相手を消耗させる。
- 無駄に出ててしまった桃自身の「心の声」を両断して、考えなかった事にする。
※無間(むげん・むけん)とは、絶え間のないこと・間断のないこと・ひっきりなしといった意
この万物両断を使用する際は、現行だと錫杖で、過去の回想では日本刀を用いて発動している(因みに、心の声を斬る際は道具を用いずそのままズバズバと細切れにしている)。また不明慮だが桃の視線だけで遠くにいる相手を斬るような場面があった(言葉通り「鋭い視線」である)。
防御無視の埒外な斬撃に「無敵(チート)かっ」と思うが、作中ではそう簡単に事を有利に進めない局面が多い。
例えば―
- 桃が認識した事《万物》を切断できる使い手と分かっている相手が式術・式神を行使できる場合、斬られる事で発動する罠を仕込んだ式神(しきがみ:従属関係を結んだ妖怪)で桃に攻撃する事で、桃は裏をかかれて更なる窮地に陥る。
- 技数の多い攻撃だと、認識する事《万物》が多いためか、一刀(いっとう)で斬る事は叶わず苦戦を強いられる。
また桃の剣技が届く近距離で万物両断を多用しており、斬撃を飛ばす遠距離(遠当て)の使用は少ない。おそらく遠当ては彼が持つ魂魄(こんぱく:万物構成の一つであり、汎用性に優れた元素)の消費が大きく多用は難しいのかもしれない。また上記の様子から、一刀(いっとう)の万物両断で複数の切断は出来ないと思われる。
そして万物両断を使用する前提「認識した事」に該当しない対象は切断が出来ない。
具体例として―
などなど
技名に《万物》とあるが、あくまで一個人が関われる範囲での《万物》にしか届かない鬼技(おにわざ:超能力)ようだ。
関 / 連 / 項 / 目
九十九の満月:本作から数百年くらい後のお話が描かれる妖怪漫画
次元流・・・前作「九十九の満月」に登場した流派。「次元を斬る」を体現した神技(かみわざ:後天的な努力で手にする能力)で、数人の人間・妖怪が体得している剣術。万物両断とは違う理屈だが、剣技の性質から対象の硬度などを無視して「次元を斬る」ため鋭い切れ味を発揮する類似項がある。また掲載された漫画媒体(ニコニコ漫画)の特性を活かし、次元流が使われる場面では次の画(コマ)で効果音(パキッのような軽い音)と共に《漫画枠(コマ)ごと斬る》という、掲載される次元(マンガ)ならではの漫画的表現がされている。