概要
小雨大豆の妖怪漫画「月歌の始まり」に登場する主人公の坊主・桃(もも)が、ある時期から身に着けている黒い眼帯。
元は隻眼の女妖怪・百足(ひゃくり)が所持していた予備を譲り受けた装備品。
多機能な黒眼帯
国盗りで己が新皇になる野望を企てる武将・平小次郎将門との闘いで呪術(のろい)を受けてしまった主人公の坊主・桃(もも)。
それは桃(もも)の能力戦闘を封じる技で、幸い平常時に不便は無いが、後遺症で右眼が変色してしまう。今後も旅を続けるにあたり人目を引いてしまうため、邂逅した将門を討伐する勢力・平将門追討軍から援助を受けれる事になった。
ぶっちゃけ目の色を隠すだけに使うのはもったいない一品だった。
この「百足印眼帯(ひゃくりじるしがんたい)」とは、隻眼の女妖怪・百足(ひゃくり)が内包する魂魄(こんぱく:作中世界で汎用性へ優れた万物構成を成す一つであり、今回だと体組成の要素が大きい)で生成した物に、仲間の妖怪・百目鬼(どうめき)が持つ鬼技(おにわざ:超能力)も応用して作られた逸品。つまり妖怪達が共同制作した備品であり、両者が所属する藤原家の総力を注がれた最先端式具足。百目鬼(どうめき)の『視る』に特化した異能(鬼技)によって作られた式回路が幾つか組み込まれ、後述の多彩な機能が搭載されている。
それで片眼が不自由な百足(ひゃくり)を補助していると思われる代物と同型の物を譲り受けた桃(もも)。
機能例
耳辺りの帯を操作する事で、以下のような機能を発揮する。
- 視覚の代用:片眼を塞ぐ代物だが、この眼帯自体が『視る』を肩代わりする模様。性質から常時発動する基本性能と思われる。
- 望遠鏡:眼帯の上に、しゅるるっと望遠魚(ぼうえんぎょ)「遠しが近し 望遠めだか」が浮き出る。外観は眼帯の周りを二匹の色違いな浮遊メダカが泳ぐ。
- 視認対象の分析:作中では地中の魂魄(こんぱく:作中世界において万物構成を成す一つであり、汎用性へ優れた活動力・組成物)を探る機能を発揮した。眼帯の上に、シュルっと式術「魂魄痕探り五式」が浮き出る。外観は眼帯が変化し、現れた小さな口の中に目玉が浮き出る。
- 按摩?:職種揉之型(マッサージモード)。外観は眼帯の上から「にゅる」っとうねうねした無数の触手が生える。
とかく新たに訪れた土地では、人目を憚ることなく滞在できた。
それと作者・小雨大豆の作風から、場面によって描き忘れたりとかがあるのは秘密だっ!
余談
主人公の坊主・桃(もも)が「百足印眼帯(ひゃくりじるしがんたい)」を付けた時期から云々かんぬん、彼は将門の刺客による策略へ嵌り暫く身柄が拘束されてしまう。
いわゆる主人公不在へ代わるように本格登場した黒い武闘家・うしとらが、主人公級の人柄・活躍をみせている。このため読者からは「主人公交代!」「さすが本作の主人公・うしとら」な感じに、すっかり主人公(笑)な風の扱いを受けている桃(もも)・・・というか、漫画制作の時系列で長期不在もあって彼は半ば存在を忘れられる事態が発生している。
そして待望?の(再)登場となった桃(もも)への対応は、作中の当事者から散々な扱いを受ける始末。
因みに―
桃「ずいぶん長いこと寝ていたような気が・・・ だいたい一年くらい」
\まさかー/
本作「月歌の始まり」の制作履歴からみれば、(電子)単行本の約5巻分ぶりに桃当人が表舞台へ舞い戻ってきており、ざっと1年も彼は不在だった事になる。
関連話(外部リンク)