概要
CV:内山昂輝
金田一一の幼馴染。
初登場はノベルズ版「邪宗館殺人事件」。その後マンガ版「黒魔術殺人事件」で再登場。(TVシリーズのアニメではこれら2つの事件が映像化されていないため未登場だが、黒魔術殺人事件は原作の20周年記念シリーズ第3巻と第4巻の限定版付属OADという形でアニメ化している。)
金田一よりも身長が10センチほど高く、地毛の栗色(OAD版では暗めのピンク色)の髪を肩付近まで伸ばしている。小学生の頃は短髪だった。モデルのような美青年という記述があり、公式イケメンである。
プログラミングの天才。幼い頃に実の家族(父親と母親と妹)を事故で失い施設に預けられた後、菌類学の専門家の絵馬龍之介に引き取られ、龍之介の息子の絵馬純也と、同じく引き取られた常葉瑠璃子、荒木比呂と共に軽井沢の洋館「邪宗館」で暮らしていた。施設にいた頃からリーダーシップを取っていた研太郎は純也達のまとめ役だったらしい。
10歳の時点で高校数学を学ぶほどに頭が良く、高校には進学しなかったものの県内のトップ校でも簡単に受かる成績だと中学の教師からは惜しまれた。
金の卵を開花させることに秀でた教育者でもある龍之介のもとで純也、瑠璃子、比呂とはそれぞれが他人よりも優れた特別な才能を持つ「仲間」として強い絆で結ばれていたが、閉塞的とも言える環境で邪宗館に縛り付けられているという意識もあった様子。(本人曰く『自分たちは純也の才能を光らせるための研ぎ石』)
また純也、瑠璃子、比呂とは違い研太郎の才能は芸術に秀でたものではないため、純也からは明確に他の二人と区別されている描写があるなど置かれている状況は複雑である。
小学生の頃、郵便局で瑠璃子と共に窃盗の疑いを掛けられていたところを軽井沢に遊びに来ていた金田一に助けられ、その類い稀な推理力に感銘を受けた研太郎は彼を「仲間」の一人にすることを提案。金田一はその年の夏休みの間、一時的に邪宗館で過ごすことになる。
本人曰く金田一は自分にとって「初めて知的コンプレックスを抱かせた」存在。幼少期から頭の良さでは誰にも負けたことがない彼にとって金田一一との出会いは衝撃的なものだったようだ。
また当時の研太郎は瑠璃子に想いを寄せており、彼女が金田一に興味を示したこともあって金田一を一番のライバルとして見ていた。しかし、
- 金田一の話を一番に聞きたいがために怪我をした彼を真っ先におぶりたがる
- 瑠璃子から「(金田一君を)独り占めしないで」とつっこまれる
- 金田一の推理力に懐疑的な純也から金田一を庇う
など邪宗館の面々の中では特に金田一と繋がりが深く仲が良かった様子が窺える。
金田一は金田一で純也達の芸術を理解するのが難しかったのか、興味を示し面白がっていたのは研太郎のパソコンくらいだったらしい。
「黒魔術殺人事件」では「あいつ(金田一)のすごさは俺が一番よく知ってる」と発言し、ヒロインである七瀬美雪に「一番よく知ってるのは‥一応あたしだと思うんだけどぉ‥」と異議を唱えられるという場面もあった。
以下、ネタバレにつき注意。
邪宗館で起こった事件以降は絵馬家を去り、プログラミングのスキルを活かして会社を立ち上げて自立した。しかし会社も軌道に乗り生活も安定した頃に彼の元に届いたとあるレポートが彼の人生を大きく捻じ曲げてしまう。
それは研太郎の家族の死因が事故ではなく殺人だという「井沢一家殺人事件」のレポートだった。
半信半疑で過去の事故について調べた彼はレポートの内容が真実であることを知り激昂。レポートの送り主である地獄の傀儡師・高遠遙一にトリックを授けられ「黒魔術の呪い(※OAD版での怪人名)」として家族を死に追いやった火祀家の四人への復讐─────黒魔術殺人事件を起こす。
まず始めに火祀青竜を電車に轢かせて殺害。
高遠がトリックを授ける条件として金田一をその場に呼ぶことを強要したため、その後は自分が殺人犯であることを唯一無二の友人に暴かれるかもしれない恐怖の下で殺人を決行することになる。
「クライアントである火祀青竜の死因を調べてほしい」という名目の元で金田一を火祀家の「葡萄の館(別名ブードゥー=黒魔術の館)」に招き、火祀九曜、火祀暁を殺害。
最後の一人である火祀星子も手に掛けようとしたが、その前に金田一に一連の連続殺人の犯人であることを看破された。
それでも復讐を諦めきれなかった研太郎は隠し持っていたナイフで星子を刺殺しようとするが、咄嗟に彼女を庇った金田一を誤って刺してしまう。友人を自らの手で刺してしまったことに動揺した研太郎はナイフを取り落とし、そして刺されてもなお友人である自分のことを案じる金田一の優しさに触れて泣き崩れるのだった。
その後逮捕され、拘置所に面会に来た金田一に「家族を失ったやり場のない虚しさや憤りはどうしようもない」と吐露しつつ、家族以外にも本気で自分を気に掛けてくれる存在=金田一がいたことに気付けたとして「これからもたまに会いに来てくれよ」と微笑んだ。
OAD版では事件後に金田一が明智警視から電話を受けるアニメオリジナルのシーンで、高遠がなぜ研太郎にレポートを送りつけたのかという理由が明かされている。
それは「金田一一の幼馴染だったから」。
ただそれだけの理由で研太郎は地獄の傀儡師に目を付けられてしまったという事実によって原作より一層後味が悪くなっている。
「金田一少年の事件簿外伝犯人たちの事件簿」ではファイル21「黒魔術殺人事件」に登場。カラーでの髪の色はOAD版と同じくピンクである。
「美しさ」を優先して意地でも金田一を呼ぶと言う高遠に「犯罪は芸術じゃねーんだよ」とブチギレていた。しかし高遠のトリックを評価した彼は腹を括って犯行を起こすに至る。
自分の黒魔術の力が火祀達を呪い殺したと思い込んでいる星子を「呪いで人は死なない」と一刀両断しながら、黒魔術系女子として目覚めて(?)いく星子に対して知恵と努力と科学の力でトリックを実行しオカルトを全否定していく。
金田一に追い詰められ、犯人でないのならその(毒入りの)ハーブティーを飲んでみろと促された際には「敵国のスパイにやるヤツ」と慄いていたが、最後は友人として自分を信じる金田一の心に負けを認めた。
その後は恒例の犯人インタビューに場面が移行するため、金田一を刺した一連の件については触れられていない。
黒魔術殺人事件編以降その他の事件でも犯人キャラクターへの応援役として登場した。