作家概要
自称・ポンチ絵描き。
主に、日本、東アジア、南アジア、東南アジア、中東、オセアニア、中南米などの民俗・民族的要素を題材に盛り込んだファンタジー、伝奇漫画を手がける。ほとんどの作品で、濃厚なアクションを描く。眼帯の下は異種再生との談。
「己の力を信じるな!! 勘違いで勝てりゃ苦労はない!!
勝負は常に力学だ!! 自分の力量と目の前の現実を正確に認識しろ!!
開ける道があれば道は必ず開ける!!」
実体験、経験に根ざした人間の在り方、「現実主義」へのこだわりを作中に反映させることがある。
一方で、既存の映画、アニメ、漫画などからのパロディや小ネタ大ネタを随所に取り入れるなど、この作者独特のコメディやスラップスティックギャグが、シリアスな場面の中でいきなり展開されることがある。
作者本人が劇団員出身という経歴のゆえか、作中キャラに「役者」をあてるスターシステムを導入することが多々ある。その代表的スターとして「黒眼鏡のおじさん」が、『斬魔剣伝』では新免宮本武蔵、『モンスターコレクション』ではリザードマンの王シン・メーン、『荒野に獣慟哭す』では薬師丸法山であったりと、人格や行動のタイプを設定したキャラを、作品ごとに設定・配役を変えて登場させている。これに類する「俳優」や「女優」が他にも何人か存在し、伊藤勢劇団を彩っている。
親交がある夢枕獏の小説作品の漫画化をいくつか手がけている。
そのうちの代表作『荒野に獣慟哭す』では、漫画家の伊藤さんが登場し、主人公らと時に邂逅しながら中南米のジャングルを大冒険した。
「イケニエの儀式に 人喰いの巨大生物!! 連載の中断!! 半獣人に銃撃戦!!
2016年から2019年にかけて、「天竺熱風録」(原作:田中芳樹)をヤングアニマルにて連載し完結させた。
7世紀のインドからネパールにかけての外交冒険奇譚であるが、連載にあたり作者コメント欄にて、「今回の物語の舞台は、おおむね土地勘があるので助かります。」とさらっと言ってのける人生経験を有する漫画家。
原作ものを手掛けるも、原作者からの信頼と放任により、伊藤勢独自の解釈、人物、物語の再構成をふんだんに盛り込むのが特徴。原作物にして、作画者オリジナリティが強いという不思議な作品に仕上がっている。
ヤングアニマル2019年5号にて、田中芳樹との対談記事によりついにその姿を現す。
さらに2020年、「瀧夜叉姫」連載にあわせて、夢枕獏との対談記事にて再びその姿を現す。
Pixivで確認できる主な作品
羅睺伝(らごうでん)
モンスターコレクション ~魔獣使いの少女~
(原案:安田均・グループSNE)
荒野に獣慟哭す
(原作:夢枕獏)
原作が1990年代を一応の時代設定にしているのに対し、この作品では2000年代。おまけに掲載誌休刊に伴う連載休止期間の出来事を再開後に取り込むなど、時事に旺盛。
闇狩り師 キマイラ天龍変
(原作:夢枕獏)キマイラシリーズの作品設定において、主人公を、『キマイラ』に登場するキャラクター、九十九三蔵の兄で『闇狩り師』の主役である九十九乱蔵にしたもの。
天竺熱風録
(原作:田中芳樹)
瀧夜叉姫 陰陽師絵草子
(原作:夢枕獏)