『己の欲の為に、罪無き幼子の未来を奪う……』
「医者でありながら命の価値もわからんクズが…… 貴様に臓器など必要ない。全て抜き取って尚、永遠に生かしてみせる」
『全ての犠牲者の痛みを、この伊集院が兆倍に変えて、奴に刻み付ける』
氷室「その男は医療を冒涜し、多くの患者の命を貪った…… 私は、犠牲者と医療に関わる全ての者の怒りを背負ってこの男の前に立ちたいんだ。奴の間近にいた私がそれをせねばならん!! お願いだ!! 中に入れてくれぇえええ!!」
「二度と戻る事は出来んぞ。その覚悟があるならば、ついてくるがいい」
「この扉から先は血塗られた魔界だ」
沢村「氷室ぉ! 貴様、何故いる! 裏切りおってぇ!」
「裏切りだと? どの口が言う」
「罪無き幼子を切り刻んだのだ。貴様も味わえよ」
「氷室、出番だ」
氷室「あぁ、任せてくれ」
氷室「傷を全て縫合する。無論麻酔は無しだ」
氷室「アンタにはわからんだろうが、医者ってのは延命するものなんだよ」
「随分と細くなったじゃねぇか」
「だが喜べ。本番はここからなんだ。なぁ、氷室」
氷室「あぁ、ここまで私は医者として命を繋いだ。だが今からは、医者ではなくタダの鬼となる」
氷室「ドス黒い腹の中を見せてみろ」
氷室「外道の腎臓……こんなものいらんな」
氷室「次は肝臓だ。半分まで取っても死なん」
氷室「腸を切り取って繋ぐ。最低限あれば死なん……」
氷室「未来が……あるだと……?」
氷室「懐に入れてたんだ…… テメェが寄越した殺し屋の所為で、血塗れになっちまったがな……」
氷室「ウチの病院に来てやっと笑顔を見せてくれたんだ。その無垢な未来を奪った貴様に、未来などあっていい筈がないんだよ」
「氷室……あと片方の肺と胃、胆嚢に膀胱も摘出できるんだよなぁ?」
氷室「あぁ、私ならできる」
「今まで内臓を抜いてきたんだ。お前もスカスカになればいい」
氷室「極限まで臓腑を抜いても生かしてみせる。私の腕を信じていいぞ」
標的
自身の欲を満たす為に富裕層のみを治療するに飽き足らず、身寄りのない孤児を生きたまま開腹して臓器を抜き取って殺害し闇社会で売買、更にはそれに気づいた人間を殺し屋を使って始末していた医者の皮を被った腐れ外道「沢村」に執行。
概要
伊集院シリーズで過去に複数回行っている凌遅刑と内臓摘出を組み合わせた処刑法。
伊集院が錆びたナイフを用いた凌遅刑で沢村の全身の肉を削り落とすと、すかさず氷室がその傷を麻酔なしで縫合。
最後は生命維持に必要最小限になるまで内蔵を無麻酔開腹した上で容赦無く奪い去っていく。
経過
今回は伊集院茂夫と流川隆雄に居酒屋に誘われた氷室一真が過去を語る形で始まった。
かつて帝福大学附属病院に勤務する腕利きの外科医だった氷室は、担当していた孤児の少女「浜田有紗」を恩師であった「沢村」によって臓器を抜き取られる形で殺害されてしまい、その事を知ったが故に沢村が雇った殺し屋「岸辺克治」に襲われ重傷を負ってしまう。しかし、医者ならではの奇策で切り抜け、情報屋・伍代と遭遇。沢村の所業を聞かされた後、そのまま伊集院を紹介され、彼の元へ行き憎悪を託した。
憎悪を託された伊集院は盟友・伍代から情報を得、岸辺が沢村からカネを受け取る現場へと赴いた。すると、そこに目標の岸辺が現れた。伊集院は圧倒的実力差で岸辺を素手で徹底的に絶望を刻み付けて惨殺。そのまま岸辺の死体を伴って沢村の部屋に侵入した。沢村は岸辺を呼ぶも、既に目の前の伊集院によって惨殺死体になっており、それに気づいた沢村は絶叫するが、すぐさま伊集院によって締め落とされた。
伊集院が沢村を担ぎながら拷問室へと行くと、その前に氷室が居た。氷室は「この男によって犠牲になった人々と、冒涜された医療に携わる人々の怨念を、この男の隣に居ながらその悪行に気づけなかった私が背負うべきだ」と言い放ち、伊集院に同行を懇願した。伊集院は己の狂気とよく似た決意を宿す氷室を認め、同行を許した。
拷問室に叩き込まれ特製のベッドに拘束された沢村は何をせずとも起き、氷室に対して「裏切り者」と罵声を浴びせた(無論、医療に携わる人々と患者への度重なる裏切りを働いた外道のダブスタ妄言である)。伊集院はそれを無視し、悔恨の念を問うた。しかし返ってきたのは「自分は有能な人間を救ってきた名医。身寄りのないゴミを幾ら利用しようがプラスにしかならないのだから寧ろ感謝されるべき」というゴミクズ野郎丸出しのとんでもない戯れ言だった。
キレた伊集院は黙らせる目的も兼ねて沢村のたるんだ腹肉を錆びたナイフで削り落とし、そのまま本番に入った。
程なくして沢村は糸人形に成り果てたが、ここからが真の絶望であり、氷室は命を繋ぐ医者からタダの殺人鬼に変貌。沢村のドス黒いハラワタを生命維持に必要最小限になるまで除去していくと言う処置を行なった。
最終的に沢村は「自分には輝かしい未来があるから死にたくない」と命乞いをしたが、それはまさに氷室の逆鱗に思い切り触れる愚行であり、氷室は懐から有紗が描いた絵を取り出して広げ、「有紗ちゃんの未来という輝かしいものを奪った貴様に未来などあってたまるものか」と言い放った。そして伊集院と氷室は狂気に満ちた表情を見せ、それぞれ「他人の内蔵を抜き取ってきたお前もスカスカになればいい」「私の腕を信じろ。極限まで臓腑を抜き取っても生かしてみせるから」と言い放ち、沢村を完全に絶望させた。
その後沢村は氷室の宣言通り極限まで臓腑を抜き取られ、その状態で3日間も生かされた挙句、最後はヘドロめいた色に変色して壮絶死し有紗の仇を取られた。
今回の登場人物
- 沢村(さわむら)
今回の断罪対象。帝福大付属病院の院長であり、氷室の上司であり恩師。優秀な医師の家系であり、手術の手腕はプロ級で、「心臓移植の権威」「医療界のサラブレッド」と呼ばれている。
しかし、裏では身寄りのない孤児を殺して奪った臓器を売買する事で荒稼ぎしたり、助けた政治家のコネで出世する等の悪事に手を染めている。
トリアージの例もある様に手術の順番を入れ替えたり、救えない命があるのは医者としての宿命でもある。この時点でキレた氷室には、幾ら自分を慕っている少女を助けたいと言う思いがあれども、沢村に手を挙げたのは間違いだっただろう。
しかし、身寄りのない孤児を騙して臓器売買の対象や新薬の実験台にしたのは言語同断。
おまけに手術室がブラックボックスである事を利用して好き放題行い、法的リスクを潰すべく各所へ根回しするなど悪質性が高い。
総じて「白い巨塔」の様な医療の栄光と腐敗を体現したかのような人物である。
有紗の臓物を奪った事を氷室に知られた為、岸辺を差し向けて口封じを図るが失敗。
氷室が伊集院に依頼をした為に命運が尽き、最終的に伊集院と殺人鬼と化した氷室のコンビプレイによって、文字通り骨と皮だけになって惨死した。
- 岸辺克治(きしべ かつじ)
沢村に雇われた殺し屋。岸辺流護身術という古武術宗家の御曹司だったが、18歳の時に殺人衝動と女犯衝動に覚醒し出奔。それから20年間、実家からの追手を悉く返り討ちにし、後に殺人で快楽を得る為にフリーランスの殺し屋になり裏社会では知られる存在になっていた。本時系列では沢村に雇われ、沢村の所業を知った相手への口封じを担っていた。
伊集院との戦いでは序盤に手傷こそ負わせたが、最終的に動きを読み切った伊集院から絶望的なまでの実力差を見せつけられた挙句、鼻の穴から脳髄を掻き出され絶命した。また伊集院は山田康生やレオナルド島田のように悪質な共犯者も拷問してきたが、この回では拷問せずにその場で討ち果たしている。
- 児童養護施設
今回のグルと言ってもいい悪徳施設。
臓器提供における『本人の拒否の意思が無ければ、15歳未満でも家族の承諾によって提供が可能』という問題を解消すべく、金と引き換えに法的後見人の立場を利用して契約のサインを書いた。
また、有紗をはじめとする児童に暴行を行っており、いつ警察や伊集院の立ち入りを受けてもおかしくない魔窟だった。
- 浜田有紗(はまだ ありさ)
今回の被害者。氷室の担当の患者で、8歳の少女。先天性の心疾患にかかっている。元々は児童養護施設にいたが、職員達から虐待を受けた過去を持っている。
絵を描くのが上手で、氷室に対して好意を抱いており、将来は絵描きになる事と氷室のお嫁さんになる事を夢見ていた。
しかし、沢村によって臓器を抜かれて死亡し、結果として氷室が闇医者となるきっかけとなってしまった。
余談
時系列では流川が伊集院に弟子入りする前の出来事となり、更に前後編という形式だった為か、暫く前に廃止された伊集院の開眼シーンがデスゲーム回以来11ヶ月ぶりに復活している。
氷室のフルネームは長らく不明だったが、今回の話の終盤で「氷室一真(ひむろ かずま)」と判明した。
また、終盤で見えにくいが携帯の画面で氷室の携帯を鳴らした相手は天羽組の飯豊朔太郎であることがわかる。
しかし、2024/7/19の動画の冒頭では京極組の一条康明と久我虎徹が裏神の辰巳春希を担ぎ込んでいる場面があり、この回と繋がっている可能性もある。
伊集院と他のキャラが外道に圧をかけて絶望に陥れる展開は伊集院茂夫によるアドバンスドファラリスの雄牛以来であり、氷室が外道に圧をかけるのはこれが初である。
関連タグ
灼熱浣腸&肉削ぎ落としからの腐った豊胸手術→人間糸人形の刑→チェンソーから子ライオンの餌
伊集院茂夫による改造野兎責め:流川隆雄の過去が明かされた回。「断罪対象は権力者であり、殺し屋を雇っている」「被害者は幼い少女(流川の場合、年の離れた妹・エミリ)」「拷問部屋の前で伊集院に覚悟を口にする」といった共通点がある。
氷室による臓器全摘と鼠の餌:今回と同じく氷室がメインで拷問した回で、外道の腹を無麻酔で切り開き、臓器を摘出したところが同じ。また、拷問対象が医者であり、切り刻まれながら氷室の腕に驚嘆している点も共通している。
伊集院茂夫による強酸浣腸と氷室による臓器摘出:「断罪対象は少女を殺害する金持ち」「氷室による延命処置で外道の臓器を抜き取り、長時間外道に苦しみを与える」という共通点がある。
伊集院茂夫による糞尿拷問の満漢全席:前編冒頭における伊集院の語りで回想として一場面が挿まれている。