『利己的な感情で、一人の女性の命を奪い、死後もその尊厳を踏みにじる』
「人間の血が通わぬ下種め…… この害獣を生かしておく道理は無い!」
『この伊集院から、逃げられるものなら逃げ切ってみろ!』
「漸くお目覚めか。逃亡犯にしては呑気なものだ」
「さっきから何言ってんの? お前……」
「流川、やるぞ!!」→流川「分かりました先生! 僕も限界でした……!」
「貴様にも味わわせてやる…… 刺される事の痛みをな!」
「流川ぁ、太い血管を避けるように打て。ミスるなよ」
「心から反省したのか?」
「では何故、ハーフなどと経歴を詐称した?」
「反吐が出る答えだったよ」
「おい外道、全部消えるから、お前の負けだってよ。お前も、一緒に消えてくれ」
標的
依頼人の娘・由梨を様々な論理破綻した行動の末脅迫、殺害した逃亡犯マーク・池上に執行(あまりの論理破綻ぶりから伊集院は池上の独白を途中で遮り流川もブチ切れ、刑の完了後に伊集院が吐き気を催した)。
概要
ヨーロッパ(主に北欧や東欧)で行われていた処刑方法。罪人を墓穴専用の穴に横たえられた後、罪人の胸に杭を打ち付けて固定し、絶命させた上で墓穴を埋めるというシンプルな処刑方法であるが、動画内では罪人が簡単に死なないよう、磔にする際に太い血管を避けて杭を打ち込み、杭を傷口の栓とすることで拷問として確立するようにした。
経過
今回の罪人は警察を容易く煙に巻く逃亡者という事で、伊集院は恩人であるドヤ街の長老を頼った。
すると伊集院の目論見通り、長老は罪人である池上の居所を知っていた。教えられた場所で数日間張り込み、伊集院達は池上を確保した。
拷問室に叩き込まれ、特製の器具に拘束された池上が目を覚ましたので、伊集院は例の如く尋問した。しかし返ってきたのは「僕は悪くない。彼女(被害者)が僕の心を苦しめるのが悪いんだ。嘘がバレると困るから留学をでっち上げて関係を絶ったけど、それでも彼女が忘れられなかった。それなのに復縁を頼み込んだら拒まれた。だから彼女を殺した」という単なる自己正当化の詭弁を通り越して常軌を逸した、まさに支離滅裂極まる妄言だった。吐き気を催した伊集院は池上の顔面を足蹴にしてその妄言を遮り、流川に命じて処刑に入った。
池上は10以上の杭を打ち込まれたところで苦痛のあまり涙を流しながら謝罪した。なので伊集院が池上になぜ経歴詐称をしたのか聞いたところ「女を簡単に口説けるから」と同情の余地も無い回答をしたため、「やはりコイツは生きる資格無し」と判断した伊集院は池上の頭に杭を打ち込み、池上は頭の中身が飛び出た状態で絶命することになった。池上は死に際に「やるならやれぇ! ネット上に上がった動画は永遠に消えねぇ! ヒャヒャヒャ、俺の勝ちー!」と喚いていたが、伊集院の協力者である凄腕ハッカーが全て消すと宣言したため、伊集院に「全部消えるからお前の負けだってよ」と言い放たれ、自分自身もこの世から永遠に削除された形となった。
その後ハッカーの宣言通り、池上がアップした動画は全て消された。
元ネタ
被害者が芸能活動をしていたことや、復縁を迫った末にリベンジポルノを仕掛けた挙句相手を殺したという共通点から事件のモデルは「三鷹ストーカー殺人事件」と思われる。
裁判の中で提示されたリベンジポルノの内容の数々は、裁判員たちをドン引きさせたほどだったものだった模様で裁判の結果、犯人は懲役22年の判決。本事件が誘引となり、リベンジポルノの関連法案が成立したという皮肉の結果になっている。ちなみに池上はハーフを偽っていたが、池上のモデルであるこの事件の犯人は、本物のフィリピン人のハーフである。
余談
今回池上がドヤ街にいると突き止めた際にそこの長老と親しげだった伊集院を不思議に思っていた流川だが、その理由を知るのは翌年のこの回まで待つことになる。
ちなみにブルガリアなどでは罪人は死後、吸血鬼となって人を襲うと信じられており、処刑の他に死者が化け物として蘇らないように、心臓に杭を打ち込み確実にとどめを刺すという側面もあった。恐らく池上が話の通じない怪物であることから選ばれたと思われる。
また、池上は拷問中に伊集院に向かって啖呵を切ってみせた初めての罪人だが他には「羅威刃」の小湊圭一や「護国蒼天会」の佐郷ぐらいしかいない。