概要
漫画『ブルーロック』の登場人物の 糸師凛 × 潔世一 の非公式BLカップリング
ブルーロックのNo.1プレイヤー・凛と、ブルーロックの申し子たる主人公・潔のカップリングであり、お互いを強くライバル視しあっている。凛が高1で潔が高2のため年下×年上カップリングでもある。
下記に絡みを書いていくが細かな点は是非漫画で堪能して欲しい。
※以下単行本最新刊(31巻)まで、およびアニメ・小説・キャラクターブック・ゲームなどの内容を含みます。
本編での描写
二次選考
お互いが初対面となったのは二次選考の3on3。潔は当初凛たちTOP3と無理に戦う必要はないと考えていたものの、兄・冴を潰すことが己のサッカーの全てだと語る凛に興味を持ち、「凛と戦いたい」「そして何より凛が欲しい」と己のエゴに従って彼に勝負を挑むこととなる。(44話、6巻)
その後3on3で圧倒的な実力差を前に潔は敗北するものの、単に敗北の絶望感を感じるだけでなく、凛のサッカーの美しさに心を奪われることとなる。
「敗北と言う現実とは裏腹に俺の眼は心は奪われていた──糸師凛の蹴り描くその放物線の美しさに──」(48話、6巻)
その後ドン底から潔は勝ち上がり、4on4で再び凛と対決。試合中、凪や蜂楽の口から二人の視界が同レベルで、二人の間だけでの読み合いが発生していることが語られている。
結果は潔達の負けであったが、誰を引き抜くかの話になった際に凛は、ラストプレーに凛でさえ読めない動きをした潔に対しブルーロックに来て初めて敗北感を味わったとして「来い潔世一 お前は俺の一番近くで俺が世界一になるのを見届けろ」と言い放ち引き抜く。以前の3on3の際は引き抜くメンバーを「誰でもいい」と蟻生・時光に任せていたことを考えると、この一戦で潔が彼に与えた敗北感がいかに大きかったかが感じられる。
(なおこれ以降凛は潔を名前で呼ぶようになるが、基本的に他人を本名で呼ばない凛が兄の冴を除き唯一名前で呼ぶのが潔である。)(85話、10巻)
三次選考
チームとなった後、凛の日課であるクールダウンヨガと瞑想の場に訪れた潔は、「凛 お前は俺のライバルだ」と凛にライバル宣言をするものの、当時まだ潔をライバルとまでは思っていなかった凛には「俺にとっちゃお前はライバルでもなんでもない」と流されてしまうのだった。(88話、11巻)
世界選抜との試合では潔の動き出しを喰って凛が一点決めた時、蜂楽に「なんだよ凛ちゃん 潔がいると動きのギアがダンチじゃん」と言われている。(91話、11巻)
結局世界選抜には敗北してしまうものの、チームで唯一世界選抜に最後まで勝つ気で戦い、敗北を本気で悔しがる凛の姿に、潔はこんな人間こそ世界一に駆け上がっていくのだと感銘を受ける。いつか凛に勝つ時こそ自身が世界に通用する時だと感じ、「俺は凛(おまえ)の一番近くでお前を超えて世界一になる」と内心誓うのだった。(92話、11巻)
その後U-20戦に向け適性試験を行うことになり、潔はライバルリーで共闘してきた凪のチームと未知の可能性のある凛のチームどちらを選ぶかで悩むこととなる。そこに同じく凪のチームを選ぶか迷っている玲王に「凪がどんどん手の届かない存在になっている気がして横に並んで戦える自信が無い」「ただこのタイミングを逃したらもう次は無い様な気はしてる」「でもダメな俺を見せたらまた凪はもっと遠くへ行ってしまいそうな気がして」と悩みを打ち明けられる。玲王の言葉を受け、潔は「俺もだ」「俺にとっては凛がそうだから」と同じく不安を打ち明けるも、「ここで一緒に戦わなきゃもう二度と手の届かない存在になるかもしれない…その後悔だけはしたくないから 俺が今隣に立っていたいのはお前なんだ凛」と凛に置いて行かれたくないという思いから凛のいるチームを選ぶことを決意するのだった。(96話、12巻)
適性試験本番では潔は凛をライバルだとみなしつつも、自分と凛は「俺とお前が共存すれば初見で止めるのはまず無理だろ」と思っていたり、自分が届かないボールでも凛は届くという圧倒的信頼を寄せていた。出会って数日である。
また、凛の側も自身のチームに参加してきた潔に反応したり、烏にチームの弱点として狙われた潔を庇ったり、最後の一瞬凛を凌駕して自らゴールを奪い取った潔に「やっぱお前イラつく…」と漏らすなど少なからず彼を意識していることが感じられる。(97話、12巻~104話、13巻)
その後潔は、チームの中心となる凛との相互関係で全選手中最も優秀な数値をたたき出したことから、U-20戦に出場する11人に糸師凛 最良の存在(パートナー)として絵心に選ばれる。(108話、13巻)
U-20戦に向け、潔は休憩も無視してハードトレーニングを積む凛を心配するものの、冴への復讐の機会に燃える凛の気迫を感じ取り自分の飲みさしのスポーツドリンクを差し入れ、一度は断った凛も「今お前が壊れたらブルーロックが終わる、それは俺が困る」という潔の言葉を受けて口を付けるのだった。凛のただならぬ様子を感じ取った潔は「凛のあんな顔はじめて見た 凛と一緒に勝ちたい──」とU20戦勝利への思いを強める。(110話、13巻)
U-20日本代表戦
U-20戦直前では大勢の観客を前にして奮い立つ潔の背中を叩いて「ぬりぃぞ 何ビビってんだバカ」と彼を励ますかのような言葉を口にしている。その後も試合開始時に「いくぞ潔」と潔に声を掛けている。(112話、13巻)
冴が先制点を決めた後、この試合は冴のためのもので、自分たちブルーロックは誰にも注目されていないと場の空気に飲まれかける潔に凛が「飲まれんな潔…お前は俺だけを見てろ」と告げている。(115話、14巻)
凛が潔の様子を気に掛けていることがうかがえる。
その後ブルーロック側の猛攻が始まるが、この試合では終始潔と凛の連動がメインとなってブルーロック側の攻撃が展開されている。潔が全能力を凛との関係(プレー)だけに集中させ生み出した、蜂楽曰く嫉妬するほどの連動を起点としてブルーロック側が点を取り返し、絵心に「やっぱり糸師凛の覚醒に潔世一は必須だな」と言わしめ、更に凛は「この『歪』な関係が俺とお前には健全だろ」と潔に発言。ここまで前半30分である。(116話~118話、14巻)
前半40分、凛のミドルでブルーロックチームはU20に逆転。潔は喜んで凛に抱き着こうとするも凛には避けられてしまう。(121話、14巻)
再度U20に逆転されたのちの後半30分、潔は今まで積み上げてきたスキルの集大成でゴールを狙うも冴とのマッチアップでシュートを阻止されてしまう。そこに潔のプレーを読んで走っていた凛が「俺を視ろ」と呼びかけ潔は彼にパスを出す。この連動を止めに来た愛空からは「仲良しコンビ」と称された。(137話、16巻)
結局馬狼が潔と凛の連携を喰らって同点ゴールを決めるのだが、その方法は進化する潔が生み出すプレーを狩るためそれに唯一呼応できる凛を狙うというものであり馬狼からは「お前(潔)と凛はシンクロしすぎて一心同体にしか視えねぇぞ」「凛も潔だろ」と称されている。(138話、16巻)
この馬狼のゴール後、凛は「全部俺じゃなく潔が創り出したゴールだ」「いつの間にかこの戦場は潔を中心に回ってやがる」と潔が中心になったゴールであると考える。一方の潔は「見誤るな…ブルーロックの中心は間違いなく凛なんだ」「凛がいるから俺は自由に動いて”挑戦”を切り替えられたんだ」と凛こそがあくまで戦場の中心だと考えていた。お互いに戦場の主役を相手に奪われまいとめちゃくちゃ意識しあっている。
「“挑戦”は隣にいる──潔/凛(コイツ)を喰って俺が主役になる!!!」(139話、16巻)
後半戦終盤、凛は冴の思考を読んでコーナーキックを止めようとするが、冴に裏をかかれるも潔にこれを救われる。凛に連動できる潔にしか視えない凛の死角を潰すプレーだった。
だがこのプレーがきっかけで凛は自身を取り巻く全てに対する敵意を覚え、今までの計算されつくしたサッカーとは違う、敵の強みとする武器を引き出してそれを潰す「相手を醜く壊す」、かつて自らが封印したエゴを取り戻し、「FLOW」へ突入するのだった。(143話、17巻)
後半残り1分、攻め上がってきた冴のボールを紙一重で凛がU-20側のゴール方面へ飛ばす。ブルーロックメンバーは全員守備に回りU-20選手しか居ないと思われていたが、凛が冴に勝つと信じた潔だけが唯一ゴールに上がっていた。そのまま潔がゴールを決め、試合終了となった。(147話、17巻)
試合終了直後、健闘を称えて握手し合う潔と愛空を見つめて歯を食いしばる凛。
そこに冴が近づき、「俺が見誤ってたよ」「日本にはロクなストライカーは生まれないと思ってた」と声を掛ける。一瞬冴に認めてもらえたと思った凛は目を輝かせるも、続く冴の言葉は「お前の本能を呼び起こし日本のサッカーを変えるのは 潔世一 あのエゴイストなのかもしれない」と自分ではなく潔を評価する言葉だった。
戦場の主役を奪われたのみならず、冴に認められたのが潔であったことから、凛から潔への認識は最高潮に悪化。彼に対しこれまで以上に強い敵意を抱くようになる。(148話、17巻)
(もっとも冴の言葉の意味を冷静に考えると、彼は単に潔のみを認めたというわけではなく、凛の覚醒のトリガーとなった事で潔を評価しているようにとらえられる。
実際にはかつて凛が日本サッカーの環境で封じた才能(小説の項で後述)を凛が再び蘇らせたこと、その本能を呼び覚ました潔、両者への賛辞であると思われる。)
その後ロッカールームで、絵心はラストゴールについて自分の想像を超えていたとして「糸師凛 お前の覚醒が全てを飲み込んだ」「そしてそれに唯一呼応した潔世一 あのラストプレーは確実に──青い監獄を世界に知らしめるゴールになった」と二人を評価。
潔も凛と二人きりになった際、項垂れている凛に対して「あれは俺とお前のゴールだ」と感謝を告げるも当の凛の回答は、
「死ねよ潔…もうお前だけは許さねぇから…今この瞬間から潔(おまえ)は凛(おれの)宿敵(ライバル)だ 忘れるな「絶対殺す」って意味だ」
とかつて自分が否定したライバル宣言を非常に過激な形で潔にし返す形となった。
人間関係がドロドロしていると言われているブルーロックの中で、公式一色々とグチャグチャな感情を向けている。
一方の潔は殺意を向けてくる凛に一瞬驚いたものの、「ああ…やってみろ」と彼のライバル宣言を真っ向から受け止めた。(149話、17巻)
最終選考「新英雄大戦(ネオ・エゴイスト・リーグ)」(ドイツvsフランス開始前まで)
U-20戦後、2週間の休暇がブルーロックメンバーたちに与えられる。潔がブルーロックに来てからの自身の変化を感じる一方、凛はU-20戦で結局全てを手に入れたのは潔で自身にはまだ何かが足りなかった、冴と潔を殺すために変わらなくてはならない、という思いを強くする。(152話、18巻)
かつて冴を潰すことが己のサッカーの全てだと語った凛にとって、潔への殺意がそれと同列のサッカーの目的となっていることがわかる。
その後再びブルーロックが再始動し、ブルーロックメンバーたちも再招集される。潔は一人でいる凛に近づき、「やっぱ来るよな凛 お前がいなきゃ”青い監獄”じゃねーから」と声を掛ける。潔にとって凛がいかに大きな存在であるかがうかがえる。
声を掛けられた凛は「寄ってくんじゃねーよ主役(ヒーロー)気取り 刺されてーのか?」と言い返すも、潔には「うっせぇ悪役(ヴィラン)気取りが」と返されるなど軽快なやり取りが見られた。(153話、18巻)
その後新英雄大戦(ネオ・エゴイスト・リーグ)にあたり、潔はドイツチーム・バスタードミュンヘン、凛はフランスチーム・P・X・Gを選択。直接的な絡みこそなくなったが、イタリアチームとフランスチームの試合を見た潔が凛に反応する(169話、20巻)、潔が氷織に自身のプレースタイルを戦場の支配者と称されたときに、自身が初めて戦った時の凛のプレーを思い出しそれと同様のことを世界の一流相手にできるようになっていることに歓喜する(208話、24巻)、など潔が凛のことをライバルとして意識するシーンが度々描かれている。
そしてドイツチームがスペイン、イングランド、イタリアに勝利をおさめ、対フランス戦のみを残すこととなったのちの第6ゲーム、フランスvsイングランド。凛は全能力数値を限界突破させたかのようなプレーでハットトリックを決め、イングランドを圧倒する。
そして「待ってろ潔 殺す殺すコロス」と目の前の敵はイングランドにもかかわらず、次々回試合での対戦相手となる潔に対しての圧倒的な殺意を見せるのであった。(239話、27巻)
潔への殺意を胸にイングランドに勝利した凛は何がそこまで凛を突き動かすのかとの凪の問いに「糸師冴を超えるためと潔をブッ殺すためだ」と答える。それが全て終わったその先を改めて凪に問われるも、死ぬことを考えて生まれてくる赤ん坊はいない、その先が天国でも地獄でも自身の物語は自身が決着を付けると答えるのだった。(240話、28巻)
その後第6ゲーム終了時点での年俸ランキングが発表されるが、潔が1億5000万円で2位、凛が1億8000万円で1位であった。この結果を受け潔は「お前はいつも俺の前に俺の上に… 立ちはだかるんだな凛!!!」と改めて凛の存在の大きさを認識するのだった。
潔にゴール勝負で負けいきり立つカイザーも加え、「潔は俺が殺す」と決意を新たにする凛、二人の評価を超え世界一を目指す潔の戦いが幕を開けようとしていた。(241話、28巻)
その後第7ゲーム、スペインvsフランスを観戦する潔たちドイツブルーロックス。凛に勝ちブルーロックNo.1の座を得るため潔は凛を分析する。これまでになかった鬼縦回転ミドルを得て前よりもゴールの選択肢を広げた凛に驚愕するのだった。(244話、28巻)
この試合の勝利の結果を受け凛の年俸は1億9800万円まで上昇。また、フランスの指導者ロキは潔とカイザーの二軸を共存させ競わせるドイツチームに対抗すべく、フランスチームも凛・士道を共存させる布陣で迎え撃つことを決定。ここに四つ巴の殴り合いが幕を開けることが決まるのだった。(246話、28巻)
最後の戦いを前にしたドイツブルーロックスに絵心が金言を伝えに来る。自身の飢餓の先にこそ自己独創性があり、世界はその挑戦的集中が魅せるフットボーラーの輝きを待ち望んでいると語る絵心。この時のイメージ映像にも潔と凛が採用されている。(247話、28巻)
最終選考「新英雄大戦(ネオ・エゴイスト・リーグ)」(ドイツvsフランス)
ついに再会した潔と凛。潔は凛に近づき「やっと戦り合えるな No.1を賭けて」と話しかける。その言葉に対し凛も潔に近づき「…No.1? んなもんどーだっていい 俺が欲しいのは潔…お前がぐちゃぐちゃになる瞬間だ」と強い潔への執着を示すのだった。
(この時の二人は額を突き合わせるような形でほぼゼロ距離となっている。)
ついにライバル同士として因縁の戦いが幕を開ける。
「挑戦を目標を── 宿敵(おまえ)を超える!!!」(248話、28巻)
キックオフから息もつかせぬ攻防が展開されるも凛の抜け出しに潔のみが反応しボールカットを行う。「ぬりぃぞ No.1」「…ほざけ ブチ殺す」(249話、29巻)
その後カイザーからボールを奪った凛の猛攻が行われる。七星からのパスを受けてシュートを撃とうとするもカイザーと潔がそのシュートを止めようとする。ところが凛はこの状況に対し、「この瞬間を… お前を待ってたんだ潔…!」と呟き、なんと潔の襟首を掴み宙に飛び上がりそのままシュートを放つという衝撃の行動に出る。
「お前は俺の一番近くで俺の世界一を見届けろっつったろ ホラ特等席だ」
あまりのブッ飛び具合に潔も驚愕するも、このシュートは間一髪凛の行動を読んだ氷織に「イチャこくなや No.1・2!」とツッコまれつつ防がれることとなる。
この時に氷織は「潔くんに魅せつけるためにワザとおびき寄せてシュートとかフリ効きすぎてオチ読めるわアホ… ゴール欲しかったら僕にも読めん脚本持ってこい!」と述べており、潔を引き付け目の前でシュートを撃つという一連の行動が凛の計画であったこと、また氷織視点でも凛の潔への執着が明確だったことがうかがえる。
(なお余談だが、このエピソードが掲載された週刊少年マガジン本誌の発売日は2024年2月14日、バレンタインであった。)
(251話、29巻)
潔はボールを奪ったシャルルのパスの選択肢の予想として凛をマークするも、シャルルと士道の即興での最高表現の掛け合わせでフランスに先制点を奪われることとなる。(252話、29巻)
この際士道に対する「目障りだピンク虫」という凛の言葉に「いや目障りはマジ同感」と潔が乗っかっている。(254話、29巻)
シャルルと士道を超える、氷織と國神との最高表現三連の化学反応でのゴールを狙う潔は、ゴール前に完全に抜け出すも凛とカイザーに挟まれる形となる。なんとこの二人は潔しか視ておらず、戦況や試合展開ではなく「潔を潰す」ことに全振りしたプレーをしておりそれが二人の最高表現であったのだ。潔は動揺するも、これまで新英雄対戦で積み上げてきたピースを組み合わせ、アドリブで新技・二銃式直撃弾を開発。ゴールを決め、ドイツがフランスに追いつくのだった。(257話、29巻)
その後カイザーは己の過去を振り返り、潔への執着を捨てることで覚醒し1点を決める。ラスト一点を奪い合おうと潔に告げるカイザー、それを受けて立つ潔。その二人を見つめながら凛は「殺す…」と呟くのだった。(267話、31巻)
凛たちフランスチームはドイツ内の化学反応が完成する前にドイツを潰そうとするも、潔とカイザーの最高表現のしのぎ合いに飲まれていく。凛は潔に負けたU20戦の日から潔に勝つためだけに全ての時間を捧げてこの試合を待っていたが、未だU20戦のFLOW状態には至れておらず、あの時の破壊衝動を引き出せば潔にも冴にも勝てるはずなのにこのままでは潔に勝てず復讐心も執念もぐちゃぐちゃにされる、と焦りを覚える。
だがそうした状況に「あぁ潔…コレだよコレ—潔(おまえ)のこの重圧が欲しかった!!!」とFLOWの片鱗を見せ潔とのマッチアップに突入するのだった。(268話、31巻)
潔と凛のマッチアップは黒名との連携もあり潔に軍配が上がる。しかし凛は自身に真に必要だったのは精神の重圧、自身を苦しめるヤベェ存在であることを理解する。誰よりも強く何よりも正しく凛の世界に立ちはだかる絶対的理不尽強者(イメージ映像として冴と潔が使用されている)を壊したい衝動こそ己のFLOWの引き金になることを理解し、黒名から再度ボールを強奪するのだった。なおこの際黒名を「潔ンチャクおさげチビ」呼ばわりしている。(269話、31巻)
獲物の最高を引き出し破壊する本気の状態に突入した凛。潔は、凛が潔を常に意識しているためフィールドが潔中心になるほど能力を発揮しやすい不自由型であること、また、潔への執着を手放す方がパフォーマンスの上がるカイザーと異なり潔へ執着を深める方がパフォーマンスが上がる自分型であることを分析し、「この糸師凛(ヘンタイ)をどう捻じ伏せる!!?」と思案する。U20戦の時は冴が凛を抑制していたが、現状では凛を止めるには潔が冴の代わりをするしかないと考え、両者は再度激突するのだった。
「No.1は凛・潔(おれ)だ!!!」(270話、31巻)
凛は潔とのぶつかり合いの中でふと自身の過去を思い出す。幼い頃の凛は与えられたおもちゃをすぐ壊してしまったり、高い所から飛び降りてケガを負ったりするような子供で、冴は唯一凛のそういった面に理解を示してくれていたのだ。子供たちに人気の特撮ヒーロー・エヴォルメンを熱心に見ている凛に、冴は彼の周囲の友人もエヴォルメンに憧れていると話す。だが凛の答えは…
「違うよ兄ちゃん おれはこのラスボス怪獣がいいんだ
ホラみててコイツはね 自分より凄い奴に勝つために…いのちをかけて戦うんだ。
カラダに穴があいてもじばくしてでも…ヒーローを倒すために戦うそれがめっちゃカッコいいんだ
だからおれも傷ついてもボロボロになってもいつかあんなふうに
凄ぇ奴とたたかって ブッこわして 死ぬんだ」
ラスボス怪獣がエヴォルメンを自爆に巻き込むその瞬間を見つめる幼い凛の口元にはFLOWの時のように涎があふれていたのだった。
単なる破壊衝動ではなく、ボロボロになってでも宿敵を倒す”生命を懸けた破壊“が凛の本性だったのである。
(なお、エヴォルメンのエヴォル=英語で「進化」を意味するevolutionの略ではないかと考えられる。またエヴォルメンの能力は他人の生命力の吸収。
また凛のラスボス怪獣とヒーローへのスタンスを踏まえネオエゴ開始時の潔と凛の会話を振り返ると…)
(271話、31巻)
凛は己のエゴを自覚したことで、U20戦であそこまでのパフォーマンスを発揮できたのは冴という最強の存在に自身をぶつけられたためと気づき、同じ条件を揃えるため殺したい存在である潔と邪魔な存在であるカイザーに命を懸けて挑もうとする。カイザーはそれをかわすものの、個人技レベルでは確実に凛がブルーロックNo.1の逸材であること、潔が凛を倒すために適応を続けて進化してきたこと、二人の宿敵関係がブルーロックの中心であると見抜く。(272話、31巻)
凛は氷織、黒名、雷市を抜き去りシュートチャンスを掴むものの撃つことをしなかった。これを決めても、自身の中の最強の幻影である冴を超える存在がいないため自身の進化には繋がらない、最強の目標(てき)に最強の自分をぶつける生命を燃やす行為にはならないと考えたからだ。シャルルにボールを戻し、「一緒に死ねるヤツ集合ぉ」と呼びかける。これには敵味方全員困惑と恐怖を覚え、マスターであるノア・ロキにもそのイカレっぷりと逸材ぶりを再度認められるのだった。
潔も凛がU20戦以上の何かを求めていることは感じたものの、これまで天才と感じてきた人間と異なり「俺の脳でも分析できない破壊獣」と恐怖を感じてしまう。
凛は脳内でフィールドの選手たちに、生命懸けてサッカーしたことがあるのか、誰か糸師冴を超える最強のイメージを生命を懸けて俺にくれ、と問いかける。(273話、31巻)
理解できない凛に怯える潔に対し凛は、「こんなもんかよ 潔世一は?」「死ぬ覚悟で来いよ 殺しに来いよ」「そんなぬりぃ生命じゃ…俺の宿敵失格だぜ」と言い放ち抜き去る。潔はその言葉を受け、死ぬ覚悟なら俺にだってある、凛の覚悟とは違うかもしれないが自分だって何度だって死んで生まれ変わってきた適応能力の天才・潔世一だ、と覚醒の兆しを見せるのだった。(274話、31巻)
凛は、シャルルのスーパークロスを受け、士道にも届かない高打点からのシュートという難易度の高い挑戦に挑もうとするものの、それでも冴の幻影を超えられないことに気付く。これ以上の進化のためには冴への殺意だけではもうアイディアが浮かばない、誰か俺に新しい衝動をくれと願う凛。その目の前に潔が、冴の幻影をかき消しながら現れるのだった。
「懸けてやるよ 俺の生命くらい…!」
衝撃を受ける凛。潔にシュートコースを消されぶつかりそうになった瞬間。
「湧く!!!お前と死ぬ!!!未体験破壊の想像力──
俺の欲望を!!この衝動を!!”ブチ撒けたくなるのは──
やっぱ宿敵(おまえ)なんだよ潔!!!」
望んだとおり、冴を超えるイメージを宿敵・潔が生命を懸けて与えてくれたことで完全に己のエゴを覚醒させ、潔にタックルされながらも、空いている左角でなく人が密集している右角へ高精度なシュートを放ち同点ゴールを決めるのだった。
そのまま潔と共に地面に倒れこんだ凛は、「あーヤベ なんだこれ… ブッとぶ… 気持ちいぃ」と今までにない未知の快感に鼻血を流しながら呟くのだった。(275話、31巻)
凛のスーパーゴールに湧くフランスチーム。一方の潔は士道の動きを読んで凛を止めようとしたにもかかわらず凛が止まらなかったこと、先ほどの凛の「気持ちいぃ」発言が自身がブルーロックに来たばかりの頃に感じた衝動と同じで凛の才能は今自覚して始まったばかりのものであることに気付き、自分は凛の覚醒のための超脇役(スーパーモブ)でしかないのでは、とショックを受けてしまう。
凛は潔に「なぁ潔 俺はお前を宿敵に選んでよかったぜ…」「そうだ憎め…それが俺を強くさせる…潔(おまえ)は凛(おれ)を死ぬまで殺しに来る義務がある」と告げる。潔はこの発言を受け舐めんな、決勝点で必ず喰い返してやる、と決意するのだった。(276話、31巻)
本編外媒体での描写
アニメ
1期
1期2クールが主に、原作二次選考の内容となっている。あわせてキービジュアルについても潔と凛をピックアップしたものとなっている。
また、2クール目OPについても、サビのシーンで潔と凛のマッチアップを描くなど二人の対決が2クール目の肝となっている。
2期
原作でのU20戦範囲をアニメ化しているため、やはり二人の絡みが非常に多くなっている。また、キャラクターの日常生活を中心としたショートアニメ、あでぃしょなるたいむ!についてもまとめる。
- 「っぽい」(28話)
凛と同室になった凪と雪宮が様々なキャラクターを動物に例えて遊ぶ。我関せずであった凛だが、自身をヘドロモンスターと動物でもなんでもないものに例えられて流石に腹が立ったのか口を挟んでくる。更に、直前に潔が(髪型が理由で)カブトムシに例えられていたのに対し、「潔はカブトムシじゃねぇ あの双葉触角は鳥に食われる幼虫だろ」と何故か潔の解釈にだけ物申すのだった。(同じ話題の30話のあでぃしょなるたいむ!も含め、凛が自ら動物に例えたのは潔のみである)
小説「戦いの前、僕らは。」
ブルーロック入寮前のストライカーたちの様子を描く公式スピンオフ小説。
本編前の時間軸ということで直接的な絡みはないが、潔と凛への理解を深められる内容となっている。
潔編の小説では、幼少期の潔がサッカーを初めて見た際サッカーに惹かれた理由がその美しさにあることが明らかとなっている。潔が初めてサッカーに魅せられた際に抱いた感情と、二次選考の時凛のサッカーに心を奪われた理由が同じ美しさであることが判明した。
また、潔編では潔が中学では地元・埼玉県では敵なしのストライカーであったものの、一難高校のチームプレーを是とする環境の中でゴールへのエゴを封印し、その才能をチームの勝利のために捧げストライカーとしての可能性を殺してしまっていたこと、すなわち日本サッカーが殺して誰にも見つけられないまま消えていく才能であったことが絵心にブルーロックに招集された理由であることが語られている。
一方で凛編では、彼が冴がいた頃は衝動のままにプレーをしていたが、冴が渡西した後、チームを勝たせるために自身のゴールへのエゴを封印し、冴の代わりとなって周囲を活かすプレーをすることで日本的チームサッカーをするようになった様子が描かれている。
両者とも日本サッカーの環境に殺されかけていた才能であったという意外な共通点が明らかとなったのだった。
キャラクターブック「EGOIST BIBLE」
Vol.2
U20戦範囲をまとめたキャラクターブック。
選手たちによって互いの投票による格付けを行った「なんでもBEST3」で「ごっつい強運の持ち主は?」1位に選ばれた潔に対し凛が、「潔だろ。俺と戦えたコトで人生変わってんだから」とコメントしている。
その他「監督として成功しそうなのは?」ワースト1位に選ばれた凛に対する潔のコメントや、「家族思いなのは?」ワースト部門を独占した糸師兄弟に対する潔のコメント、U20戦最後の二人のやり取りに関する先生方の解説なども確認できるため必見。
ブルーロック Project: World Champion
ブルーロック初のスマートフォンゲーム。選手を育成して様々なコンテンツに挑戦することができる。
潔と凛も実装されており、ゲーム内で様々な絡みを見ることができる。
また、TV CMでキャラクターがゲームを解説させられるというものがあり、凛や潔が担当するCMではお互いが相手の担当するCMに登場し、二人の微笑ましいやり取りを見ることができる。現在全3編で公式Youtube・X・Tiktokなどで視聴できるので、ぜひチェックしてもらいたい。
表記について
潔は漢字一文字で名字、凛は漢字一文字で名前を表すため、Twitter等では上記のひらがなや英語のrnis等で発言した方が検索避けになると思われる。