概要
『大鉄人17』第11~13話に登場したブレインロボット。鈍色のボディを有し、巨大な両手と爪を備えた人型ロボット(ちなみに足も結構大きい)。顔の下半分はガードで覆われており、ムスッとした表情にも見える。頭には角も生えており、どことなく鬼にも見える。
その名の通り、手には鋭い爪が4本備わっており、これによる引っかき攻撃はワンセブンの装甲にも傷を入れた。また手首から先を分離させて、遠方の敵に打撃を与える事も可能。さらに掌から3万度の火花を発射して敵を炎上させてしまう。必殺技は両手で相手の頭を潰す「大爪プレス」。他にも胸にあるトゲは不用意に触った相手の表面に刺さる武器になる他、頭の角は射出してミサイルにもなる(発射しても予備が充填される)。ちなみに体をきりもみ回転させる事で地中に潜れる。
巨人頭脳ブレイン考案の「ブレインプログラム」の尖兵として猛威を振るった。
ブレインプログラム
ブレインが全能力を駆使して作り出した戦略構想。その目的はワンセブン、レッドマフラー隊、さらには日本の全兵力を抹殺する事である。ブレイン自身が「人間の心理の裏の裏まで計算し尽くしてある」と豪語しており、実際このプログラムによって日本の全兵力は混乱する事態に陥った。
第1章
大爪ロボットの両手を地下から出現させ、石油コンビナートを襲撃させる(ワンセブンはこの時大爪ロボットが起こした地鳴りに巻き込まれたサチコという少女の救出に出向いており、現場への急行が遅れてしまった)。さらにその隙にレッドマフラー隊員に扮したチーフキッドが国際平和部隊科学研究所のコンピュータールームに潜入し、組織の重要人物であるドクター宇野のデータをキャプテンゴメスのデータとすり替えた。
第2章
来日したドクター宇野はホテルでゴメスに射殺され、ゴメスは彼に変装して国防会議に出席し、「佐原博士はブレインを操っている」というデマカセを言い放ち、会議の出席者の疑いの目を佐原博士に向けさせた(しかもデータが交換されていたため認証もクリアしてしまい、出席者は偽宇野を本物だと思い込んでしまった)。
さらに佐原博士にブレイン誕生2周年の祝賀会の招待状を送り、ワンセブンの秘密を知るべく出席を決意した博士をブレイン党基地まで連行した。そして大爪ロボットを市街地に出撃させ、ワンセブンと交戦させる。両者の対決は一進一退であったが、ワンセブンがグラビトン攻撃の準備を始めると、大爪ロボットはロケットパンチでワンセブンの膝を攻撃し、ワンセブンのエネルギー増幅回路を故障させる。飛行ワンセブンの体当たりで転倒する大爪ロボットだったが、ワンセブンは煙を上げて海底に避難するのだった。
第3章
ブレインが年1回オーバーホールが必要な事を利用し、佐原博士をそれに従事させ、さらにその光景を生中継でレッドマフラー隊作戦本部に流し、それを長官に見せてレッドマフラー隊を武装解除と謹慎に追い込んだ。長官はレッドマフラー隊を除く全兵力を総動員してブレイン基地への集中攻撃を仕掛けるが、彼らが逆探知した場所は基地から数十㎞離れた区域であり、しかもその近辺には南三郎がいた。
第4章
大爪ロボットを出撃させ、日本の全兵力の壊滅を始める。また三郎および脱走したレッドマフラー隊の追撃も開始した。
ブレインはオーバーホール完了と同時に佐原博士を抹殺しようとするが、博士は密かに回路に仕掛けを施しており、ブレインは爆発してしまう。だが、超生産能力でブレインは再生し、報復として彼の右脚に石をぶつけるのだった。
最終章
「灼熱地獄」とも呼ばれる最終段階に入り、ワンセブンとレッドマフラー隊に止めを差すべく大爪ロボットを出撃させる。エネルギー増幅回路を除く自己修復が完了したワンセブンが現れると、2度目の対決をする両者だったが、グラビトンを使えないワンセブンは徐々に押されていき、大爪ロボットのミサイルが足枷になって動けなくなってしまう。大爪ロボットは大爪プレスをワンセブンの頭部に仕掛けるものの弾かれてしまい、ロケットパンチをワンセブンの足に放ち、火花の熱で溶かそうと目論む。だが、大爪ロボットはワンセブンへの追撃を余りせず、その結果ワンセブンの体内に三郎と村中隊員が背中から入り、エネルギー増幅回路が修復されてしまう(ブレインはワンセブンの秘密主義ぶりと村中隊員の火炎恐怖症を知っていて放置していたが、いざワンセブンが復活すると「なぜだ?私も分からん」と困惑していた)。ワンセブンはナイキ級ミサイルで大爪を破壊し、最大の武器を失った大爪ロボットは足枷を解いたワンセブンに苦戦を強いられ、グラビトン攻撃を受けて粉砕されるのだった。
余談
佐原博士に図々しくも招待状を送ったブレイン党だが、ヒーローに年賀状を送ったあの組織のように送り主の住所を書くような事はしなかった(ちなみに「ふざけやがって」という台詞は今回海野隊員の口から出た)。年賀状を貰った人物の役者が今回招待状を送る側にいたりするのはなかなか皮肉と言える。
なお招待状には祝賀会の日付は「来る二十七日」としか書かれていないが、第11話は5月27日に放送されたので、この日がブレインの誕生日と思われる。
第12話はワンセブンの誕生秘話が明かされたが、肝心のワンセブンが戦闘しないという珍しい回となった。
関連タグ
爪ロボット:名前から一文字取るとこちらになる。
GR2:同じくロケットパンチを放つ鈍色のロボット。口部にガードがあったり、角が飛び道具になるなど、共通点も多い。
真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である:ブレインプログラムがスムーズに進んでしまった最大の要因。