概要
全長：75m
重量：850t
『大鉄人17』第14話「空中戦艦の中の少女」・第15話「ゴメス!戦場に散る」に登場したブレインロボット。戦艦のようなフォルムをしているが、航空機のような翼を備えており、そして何よりも水上でなく空中を進んでいるのが特徴。
前方と左右に大中小の大砲を10門以上有している（尤も劇中では前方の大砲ばかり使っていたが）。飛行時には黒雲を発生させる。また錨を2つ備えており、これは鎖を伸ばして武器にもなる他、崩れた態勢を正すための補助装置にもなる。さらに艦橋にはレーザー砲も装備されている。
最大の特徴は今までのブレインロボットと違って有人操縦だという事であり、これは操縦士にワンセブンとゆかりのある者を選ぶ事で、彼に攻撃を躊躇させてその隙に倒す事にあった。なお操縦士は黒いヘルメットを装着し、基地にいるブレインもしくはハスラー教授の指示によって目的地まで移動する事が可能。操縦室にはハスラーやブレインと会話するためのスピーカーがある。緊急時には遠隔操作で撤退させる事も可能。
劇中の活躍
最初の出撃（操縦士：ガイラー）
反射神経に優れるガイラー（演＝サム・シェパード）というブレイン党員が操縦し、第1次テストとして大島上空を飛行していたジャンボ旅客機を撃墜し、レッドマフラー隊第3航空基地にも奇襲を仕掛ける。続いて第2次テストとして「人間とワンセブンのコンピューターの対決」という名目でレッドマフラー隊の第1戦闘航空基地（南三郎がパトロールをしていた）を襲撃してワンセブンと戦うようブレインに命じられる。サブマシンの三郎を襲撃するが、飛行ワンセブンの体当たりを受けて地上に落とされてしまう。集中砲火でワンセブンの左脛を損傷させるが、操縦士がいる事を悟ったワンセブンに砲弾2発を投げ返され、操縦室が被弾してしまい、ガイラーも戦死してしまう。ハスラーは仕方なく遠隔操作で戦艦ロボットを撤退させるのだった。
実は一連のテストは「操縦士がブレイン党員だった場合のワンセブンの反応」を知る事が目的であり、ガイラーはブレインにとって捨て駒でしかなかった。
2度目の出撃（操縦士：佐原ルミ）
「ワンセブンが殺せない人物」として佐原博士の次女・ルミが選ばれ、レッドマフラー隊員に変装したチーフキッドにさらわれた彼女に洗脳を施し、ブレインの指示で再び第1航空機を襲撃する。ワンセブンと交戦を開始し、手出しができない彼を翻弄し、レーザー砲で左目を破損させる。だが、ワンセブンはシグコンジェットを出動させ、操縦室に突撃させて催眠ガスを噴射し、ルミを眠らせてしまう。やむを得ずハスラーは再度戦艦ロボットを撤退させるのだった。
その後、キャプテンゴメスの密告でレッドマフラー隊に潜伏場所が知られ、彼らの活躍でルミは救出された（洗脳の方はワンセブンによって解除された）。
最後の出撃（操縦士：キャプテンゴメス）
クーデターを目論んだゴメスに対する罰として彼が操縦士となり、修理とルミの洗脳解除が完了したワンセブンと対決した（なおヘルメットは未装着）。「勝ったら全ての罪を許す」というブレインの提案を受け、攻撃を開始するゴメスだったが、前回と違って攻撃に躊躇がなくなったワンセブンに翻弄されてしまう。地上に不時着した隙に脱出を試みるゴメスだったが、操縦室のハッチは開かず、さらにブレインから機関室にはキッドが仕掛けたTNT火薬があり、逃げ出せばそれが爆発する事を知らされる。ワンセブンへの攻撃を再開するゴメスだったが、ナイキ級ミサイルでレーザー砲が故障してしまい、自暴自棄に陥って体当たりを敢行するも、大砲2門までもぎ取られ、またもや地上に不時着してしまう。グラビトン攻撃の態勢に入るワンセブンだったが、ゴメスは叫ぶ。
ゴメス「チーフ…貴様に勇気があるなら…この戦艦ロボットに仕掛けたTNT火薬を…爆発させてみろ!!」
その言葉を受けて顔色一つ変えずにキッドはTNT火薬のスイッチを入れる。これにより戦艦ロボットは爆破し、ゴメスも力尽きるのだった。ワンセブンも全てを悟ったかのように「武士の情け」でグラビトン攻撃を行わず、剣持隊長は目の前に落ちていたゴメスの軍帽に1輪の花を供えるのだった。
余談
グラビトン攻撃で倒されなかった唯一のブレインロボットである（一部の軍事兵器もグラビトン攻撃で倒されなかったが）。だが下記の作品を含め双方の最終回を手掛けた伊上勝＆山田稔の黄金コンビによる軍艦ロボットと同一条件だったゴールドネッシーは、ゴメスに対してやらなかった「武士の情け」を破って…。
第14話から、OPに後にワンセブンの声をも兼任する小林恭治氏のナレーションが入るようになった。
冒頭で撃墜される旅客機の機長は小林稔侍氏が、副操縦士には高月忠氏が演じた。両氏は実写版『ジャイアントロボ』の最終回にて、小林氏がゲストキャラのテロマン・高月氏がBF団員（彼はメイン・レギュラーメンバーの一員）で共演していた。
関連タグ
鬼の戦艦：32年後の作品に登場した空中戦艦。ただし、全長は4000ｍにも及び、戦艦ロボットの50倍以上にもなる（まあワンセブンも後年の作品で同スケールのサイズアップを果たすのだが）。
軍艦仮面：同じく艦艇モチーフの敵キャラ。こちらは「動く要塞」という空中戦艦を操った。
