概要
1960年、福島町(北海道)で誕生。両親、祖父母とも教師という家に育った。
早稲田大学教育学部卒業。大学在学中から漫画を描き始め、小池一夫主催の「劇画村塾」で学ぶ。
大学卒業後就職せずプロを目指して各誌に持ち込みを始め、1984年、「森山塔」名義で成人向け漫画雑誌「ピンクハウス」で商業誌デビューした。
並行して一般誌で、本名の「山本直樹」でデビュー。1991年『Blue』が初めて東京都青少年保護育成条例で有害コミック指定を受け、行政による表現規制問題がサブカルチャーで問題意識を持たれるきっかけとなった。
一時期はほぼ一般誌のみだったが、「塔山森」名義でまた成人向け雑誌に戻ってきた時期もある。
1990年代にMacintoshによる作画に移行してからはアシスタントを使っていないが、昔彼の元でアシスタントを務めていた有名作家も多い。山本の暴力と性をクールに描く作風を引き継いだ弟子に奥浩哉がおり、性と政治の絡んだ社会派的な作風を引き継ぐ弟子に山本夜羽音がいる。
作画環境
作画に使用しているのは「Aldus SuperPaint」という古いソフト。このソフトはメーカーの消滅(マクロメディアによる買収→開発打ち切り)により1994年にバージョンアップが終了しており、PowerPCどころかそれ以前の68K時代のもの。山本が使っている環境もMac OS 9が動くPowerMac G4(2003年以前のもの)である。コミスタも買ってはいるが、慣れた環境の方がいいとほとんど動かしてはいないとか。
NHKの番組浦沢直樹の漫勉に出演して作画環境を公開した際には多くの視聴者を驚かせた。
作風
新興宗教、いじめ、連合赤軍など社会派的なテーマをよく扱い、性と暴力、人間の狂気などを好んで描く。ほとんどの作品に何らかの性描写や暴力描写が含まれ、過激な性描写から有害図書指定を喰らった作品もあるが、血飛沫や擬音などにあまり頼らないクールな演出が特徴。出発点はいわゆる「ロリコン系」エロ漫画だったのだが、いわゆる萌え系のエロ漫画とも違う、細身の美少女キャラ造型も特徴である。近年は極限状態を描いて技量が上がったのか穏やかでハードなエッチ描写がみられる。(若干萌え系に寄った気もしないではない。ちなみに60歳を超えている)
主な作品
一般作
- はっぱ64 - ビッグコミックスピリッツ名作の一つ
- きわめてかもしだ - 山本直樹風学園コメディ
- ありがとう - 4人家族の崩壊とそれぞれの自立を描く物語。
- 僕らはみんな生きている(一色伸幸・原作) - 時はバブル期、商社マンが中東の小国に送られる辛口のストーリー。
- あさってDANCE - 親族の老人から膨大な遺産を受け取ることになった男と葬儀あらしの女の恋模様
- BLUE - 先ほど述べられたエロティックストーリー。過大な評価を受け映像化された。(R-15指定)
- 安住の地 - 小学館月刊IKKI連載作品。
- 破戒 - 松尾スズキ原作の作品。サブタイトルは「ユリゲラーさんあなたの顔~忘れた」
- RED - あさま山荘事件の犯行グループたちの生き様を描くオムニバス。愚行の極致を描くために極限状態を活写、これ以後技量が上がり作風が変わった。
- ビリーバーズ - オウム真理教のような新興宗教をモチーフにした作品。2022年に実写映画化。
成人向け
- とらわれペンギン
- ペギミンH
- 田舎