概要
1960年の鹿児島県に生まれる。女性。
1983年、『花とゆめ』増刊に掲載された「たじろぎの因数分解」でデビューした。
主に白泉社にて活動。
1996年に鹿児島市に引越し、活動拠点にする。
2005年、『ブレーメンII』で第36回 星雲賞コミック部門と第4回(2004年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞を受賞。
作風
デビュー当初から妙に哲学的で独特の作風の持ち主で「カーラ教授」の愛称も持つ。
それにより、良くも悪くも少女漫画らしからぬ雰囲気をまとうケースもあるがそれがまた何とも言えない味となっている。
どれほどかというと、『笑う大天使』において女生徒の隠し撮り写真を挟んだ聖書を神父が頬ずりしている姿を見た主人公3人が、
ショックのあまり、「カエサルの物はカエサルに―」からなる新約聖書の一節を持ち出して(アレはなーんにもおかしくはないんだ)と自分たちに暗示をかけている様を描写するほど。
初期の雰囲気は残しつつも徐々に角が取れてハートフルな物語を描くようになり、絵のほうも特徴的に上達して高い評価を得た。
シリアス絵とコミカル絵を使い分けるタイプだが、特に後者は個性的で画風パロディの題材になることもある。
田中芳樹との関わり
田中芳樹の名作『銀河英雄伝説』のファンであり、徳間文庫版第7巻「怒涛編」の解説を執筆しているほど。
なお、川原の代表作『笑う大天使』には司城一臣という小説家が登場する。(画像左側)
アクションからミステリー、SFまで幅広く手掛ける作風で、明言こそされていないものの田中芳樹のオマージュであると考えられる。
ちなみに、一臣は作中で節操のない物書きと評されているが、川原こそ作品の題材をお嬢様学校からブドウ農家兼ワイナリー、スポ魂から反戦平和と節操なく引用しているため、一種のシンパシーであると察せられる。