概要
『神魔精妖名辞典』より抜粋
常世神(とこよのかみ)
日本において「常世」(不老不死の理想郷、あるいは死後の魂が向かう国)から来たと考えられた神。
(芋虫の姿をした神などではなく)芋虫=常世神である。
皇極天皇の時代(642~645)に「富士川の周辺で採取できる特定の芋虫を祀れば、貧しいものは金持ちとなり、病は快癒し、老人は若返り、不老不死になれる」という現世利益を目的とした民間宗教の神。
中国神仙道のいわゆる「蠱術」や陰陽道、呪禁道などの影響から発生した信仰だと思われる。
結局は邪教として滅ぼされた。
『常世の神[A CULT]』(ブログ)より抜粋
日本書紀にも記述のある「常世の神(とこよのかみ)」という宗教的集団。
この宗教が祀ったのは、虫。
長さ4寸余りの蚕に似た親指大の芋虫に緑の斑(まだら)がある虫である。
東国は駿河の国、富士川のあたりで大生部多(おおふべのおほ)という男が扇動者=教祖であった。
これを討伐したのは聖徳太子のブレーンとも言われる渡来人、秦造河勝(はだのみやつこかわかつ)であった。
その報告書によると、大生部多らの信仰は「虫を戴いた祭壇を囲んで男女が宴をし、富を得るために自らの富や家を寄進、廃棄する」という行為に走るものもあった。
表記揺れ
常世神(とこよがみ / とこよのかみ)
… pixivにおいては、こちらの子記事タグの方が多く付けられている(2021年2月現在)。
関連タグ
- オモイカネ:日本神話に登場する、知恵を司る神。『常世の神』の異名を持つ。
- エタニティラルバ:ゲーム『東方Project』の一編『東方天空璋』で初登場。常世の神を基にしたキャラクター。
- 神に近づきすぎた蝶の妖精:東方Project公認二次創作ゲーム東方ロストワードに登場したエタニティラルバ。
- 『禁断の黙示録クリスタル・トライアングル』:オカルトをテーマにしたOVA。ある描写に常世の神の逸話が影響しているとされる。
- 『ガダラの豚』:中島らもの小説作品。文中で言及。
- ファミコンウォーズDS 失われた光:作中にただの虫を神と見做したカルト教団が登場する。