概要
6世紀後半から7世紀半ばにかけて大和朝廷で活動した渡来系氏族の秦氏出身の人物。
朝廷の中で重きをなし、聖徳太子に最も重用された側近の1人であった。
神格化されており、仏教の神である摩多羅神と同一視されている。
戦国武将の長宗我部元親は彼の子孫とも言われている。他にも秦氏の末裔を名乗る氏族は多い。
逸話
- 秦氏は渡来系氏族であり、そのルーツを秦の始皇帝に求めた。
- 7世紀頃に書かれた『隋書』には、風俗が華夏(中国)と同じである秦王国なる土地が日本にあったことが記され、当時日本で勢威を誇った秦氏と結び付ける説もある。
- 学説(通説ではない)によっては秦氏は、景教(ネストリウス派キリスト教)を信仰するユダヤ人の一族だったのではないか、とも言われており、聖徳太子の誕生などの話も彼らがキリストの逸話などにからめたのではないか、という説もあがっている。
- 『日本書記』によると、大生部多が流行らせ、当時の都や民衆に甚大な被害を与えた新興宗教「常世神」を討伐し、時の人から「神の中の神」と称えられた。
- 聖徳太子から自作の面を与えられた、という話が子孫を称する世阿弥の『風姿花伝』の中に記載されている。また鳥山石燕著『百器徒然袋』には、この面が付喪神化した妖怪「面霊気」について描かれている。
関連項目
秦こころ : 同人サークル上海アリス幻樂団による東方Projectに登場する、上記の聖徳太子と秦河勝との逸話をもとにしたキャラクター。作中では「面霊気」の称で呼ばれることもあるお面の付喪神の一人で、こちらも上記のとおりの逸話をもとにしている。詳細は「秦こころ」記事を参照。
摩多羅隠岐奈 : 同じく同人サークル上海アリス幻樂団による東方Projectに登場する、秦河勝、及び秦河勝と同一視される摩多羅神をもとにしたキャラクター。台詞やインタビューで秦河勝について語られている。