概要
2015年10月より始動している『刀剣乱舞-ONLINE-』を原案としたミュージカル作品、ミュージカル『刀剣乱舞』(通称:刀ミュ)の第2作目にあたる作品。
本作では蜂須賀虎徹を隊長に、加州清光、大和守安定、和泉守兼定、堀川国広、長曽祢虎徹の6振が、正しい歴史を再生する戦いに身を投じていく物語が描かれている。
Pixivでは主に公演の感想レポートの他、本編を基にしたファンアート、2部の衣装に身を包んだ刀剣男士を描いた作品に、「刀ミュ」タグと併せて使用されている。
2020年9月~11月、「幕末天狼傳2020」と題して再演。演出や楽曲、ストーリーの一部が変更されている。
新型コロナウイルスの影響によりソーシャルディスタンシングを始めとした対策が取られており、初日より全公演ライブ配信が行われた。
2020年9月24日、関係者に陽性が確認された為、事前の協議に従い東京公演の中止が決定。その後、北九州ソレイユホール/京都劇場にて開催予定だった福岡/京都公演が中止となり、2020年11月3日、専門医の指導の下、東京凱旋公演からの再開となった。
あらすじ
阿津賀志山での戦いの後、加州ら6振は内番に励んでいた。
ある日審神者からの命令で第一部隊の隊長に蜂須賀が任命され、編成に新撰組の刀5振が選ばれる。
何故自身が隊長である必要があるのか、そしてなぜ虎徹の贋作である長曽祢と組まされるのかを疑問に思う蜂須賀。ぴりついた空気の中で出陣した彼らは、後に新選組を結成する前の時代における前の主達の姿を目の当たりにする。
そこに迫る時間遡行軍を、第一部隊は危なげなく撃破。正しい歴史を守る為、様子を見届ける事となる。
やがて時は流れ、歴史の通りに京都へ向かう元主達を追い、一行も京都へと飛ぶ。
その中で「敵の狙いが新選組であるなら」と、大和守はある決断をする……
「虎徹」の名に拘泥しつつ、近藤への忠義から己を虎徹と定義して戦う長曽祢の有り様に思い悩む蜂須賀。彼もまた、大名道具として飾られ、刀として用いられなかった苦悩を抱いていた。
池田屋での奮戦の末に折れた加州に対し、残された身の苦しさを吐露する大和守。
幕末を駆け抜けながらも、新たな時代に選ばれる事のなかった元主達への悲しみ、最後まで一緒にいられなかった悔しさを繰り返す和泉守と堀川。
「選ばれる事を選べない」「選ばれぬ事を選べない」と、各々の心情を歌い上げながらも、彼らは刀剣男士として「歴史を守る」使命の為、歴史修正主義者との戦いに身を投じる。
そうした刀剣男士の物語と同時に、人間の物語も展開。
江戸の片田舎で剣術修行に明け暮れ、士分に取り立てられる事を夢見た男たちが、京で浪士組を結成。
後に新撰組と改め、侍として戦い抜いたその果て、近藤勇が捕縛・処刑されるまでの物語が描かれる。
部隊編成
歴史人物
- 近藤勇(郷本直也/小柳心(2020年再演))
後の新選組局長。天然理心流剣術道場「試衛館」の師範として活動し、門弟である土方・沖田を弟のように可愛がっていた。後に京都へ上り新選組を結成、激動の幕末においてその名を挙げる。
しかし時流には抗えず、幕臣として新政府軍と交戦する中で流山に追い込まれるが、土方達を助ける為に投降。板橋刑場にて斬首を待つ身となるが、そこへ……
- 土方歳三(高木トモユキ)
後の新選組副長。実家の石田散薬の行商かたがた、剣術の出稽古に明け暮れていた。侍となる事を夢見、近藤・沖田と共に時代を駆け抜ける。普段近藤の事は「近藤さん」と呼ぶが、「かっちゃん」と昔の呼び名を使う事も。
流山ではここを最後と腹をくくるが、近藤が投降する間に逃げて生き延びるよう命じられ、「弟が兄より先に死んじゃいけねえよ」と説得される。涙の別れを交わし、最後の命令を胸に北へと向かう。
- 沖田総司(栩原楽人/定本楓馬(2020年再演))
後の新選組一番隊隊長。子供のように無邪気な青年にして、最強格の剣客。
近藤を敬愛し、よく土方をからかっては追い回される。二人を士分にする事を願っており、自分の剣はその為にあると心に強く誓う。
しかしその身を蝕む病によって徐々に命を奪われてゆき、終盤では本隊から離脱。臥せっている所に「板橋で近藤勇が処刑される」と聞かされ、本来の歴史から逸脱した行動に走ってしまい……
余談
2020年版では、演出や楽曲が大幅に変更。
沖田総司を惑わせる黒猫の正体が時間遡行軍ではなく、とんでもないものに代わっている。
これは「つはもの」「葵咲」で描かれた描写を踏襲しており、これに伴って加州清光と大和守安定の描写にも変更が入っている。
シリアスから一転したギャグパート、日替わりネタで人気なのが通称「宴会」。
2020年版では新型コロナウイルス流行の影響もあり、若干縮小して行われた。
長曽祢に対する辛辣な態度が原因でなかなか馴染めない蜂須賀に対し、堀川が「交流」と称して「飲みましょう!」と提案。「京では楽しく遊んでいた」元主達を真似して、どんちゃん騒ぎの無礼講と相成る。
兼さんの私物を質に入れ、手に入れた金で購入した高価な伏見の名酒で乾杯。なお和泉守本人は最初こそ怒りはしたが、結局「無礼講」という事で場は収まった。
いざ乾杯となるが、酒に滅法弱い和泉守は「ここで一句!」と元主譲りの俳句(毎公演ごとに異なる)をひねるや早々に爆睡、いい気分になった一同は長曽祢の宴会芸「かっぽれ」に合わせて陽気に歌い踊るのであった。
初演大千秋楽では堀川は蜂須賀にジョッキを渡して酒をなみなみと注ぎ、なおかつ蜂須賀はそれをお上品にイッキ飲み。客席からも歓声が飛び、大和守からも「蜂須賀が輝いてる!キラキラ輝いてるよ!」と絶賛された。
「こう見えて、蜂須賀家は荒っぽいんだよ!」更にその後、一升瓶でラッパ飲みも披露する豪快さを見せた。やべえよ蜂須賀家。
第二部では、マスカレードをモチーフにしたような衣装で登場。2020年版では着物をアレンジした装束となっており、より煌びやかさが増している。
イラストや公式ブロマイドではコートを脱いだ2つの姿(通称「第2形態」「第3形態」)で描かれる事が多い。
『シブヤノオト』(NHK総合)に出演した際、「片仮名がよくわからない」と言っていた。上記の楽曲一覧でも分かるとおりバリバリの英語ソングを歌っているのにである。
また、注目のアーティストは?と聞かれた時、好きな人と解釈した大和守は「沖田総司くんです」と答えていた。
関連動画
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前作→阿津賀志山異聞