惑星アップルを追われ、果物を求めて地球に来た怪獣オニオン
店を潰されたお爺さんとお婆さんの涙を見た桃太郎の決意…
そう、鬼退治!ゲンと桃太郎の作戦は?
さぁ、みんなで見よう「ウルトラマンレオ」!!
放送日
1974年10月11日
登場怪獣
STORY
暗い宇宙に輝く、色とりどりの星達。そんな中で、一際大きく真っ赤に光る赤い星が。その星はリンゴにそっくりな形をしていた。その星に生えた数々のリンゴの木の中から、大きな鬼が顔を出す。
ナレーション「宇宙には、何千億という星があります。その中の一つ、これは惑星アップル。事件は、この果物いっぱいの星から始まったのです。これぞ怪獣オニオン…おっかない顔に似合わず大好物は果物という変なヤツ」
オニオンは実った沢山のリンゴをむしり取ると、さも美味しそうに齧り付いては放り投げ、近くの茂みに図々しく座り込んでリンゴを食っていた。すると、なぜかナレーションの声に驚き慌ててリンゴを隠す。
ナレーション「泥棒!!オニオンに果物畑を荒らされてばかりいる惑星アップルの人々は、畑に番人を置いているのですが…おかしいなぁ?番人は何をしてるんだろう」
オニオンは番人がいないかと忍足で探った後、近くにあった手頃な大きさの岩を運んで踏み台にし、より高所にあるリンゴを盗もうとする。しかし、これこそ大きな罠だった。その木の上に隠れていた「番人」は、大きな声でオニオンに怒鳴った。
コケコッコー!!!
オニオンの角は途端に萎び、しかも足場を踏み外してすっ転んでしまう。すると、ここぞとばかりに大量のニワトリが現れ、大群でオニオンに襲いかかる。負けじとオニオンも金棒を構えるが、四方八方から現れるニワトリにタジタジになってしまう。
ナレーション「ハッハッハッハッハッ、愉快だねぇ…オニオンの苦手はなんと、ニワトリなんだよ」
(場面が裏返るように転換)
ナレーション「お話変わってここはお馴染みの惑星・我が地球。あれぇ?ここにもオニオン…あ、いや違った。この子は確か…桃太郎という名前だ」
噴水の前の椅子に座り、青リンゴを頬張る桃太郎少年。近くの回転ジャングルジムで遊んでいた子供達が、桃太郎の所へ近寄る。
彼を遊びに誘う子供達だが、桃太郎は何故か彼らを警戒してリンゴを隠す。すると1人の少年が、一緒に遊ぶんだから自分達にもリンゴをくれとせびる。桃太郎の家は果物屋だったのだ。
みんなもリンゴをくれと言うので、桃太郎は本当に遊んでくれるならと約束してリンゴの入った袋を渡す。
みんな喜んでリンゴを食べるので、桃太郎は鬼ごっこがしたいと彼らに言う。子供達は最初はそれはいいと賛成したかに見えたが、少し小声で相談したかと思ったら、1、2、3の合図と共に食べかけのリンゴを一斉に桃太郎目掛けて投げつける。
桃太郎「何するんだ!」
少年「お前桃太郎だろ、僕らは鬼さ!」
彼らはよってたかって桃太郎をいじめ、童謡「桃太郎」を口々に歌ってからかう。
少年A「やーい!桃太郎、お前桃から生まれたんだろ!」
少年B「だからパパやママもいないんだろ?」
少年C「やーい、桃から生まれた桃太郎!」
桃太郎「ちがわい!死んだ父ちゃんが桃太郎って名前をつけてくれたんだい!」
少年A「嘘つけ!お前は桃から生まれたんだよ、だから父さんも母さんもいないんだよ!」
桃太郎「ちがわい!」
少年B「違わないったら違わない!桃から生まれた泣き虫桃太郎!」
砂利の山の上で桃太郎を押し合って馬鹿にする子供達。桃太郎が少年の1人を押し退けて逃げると、そこにはダン、ゲン、百子、トオル、カオルの5人が。彼はダンや百子の後ろに隠れ、いじめっ子達を睨みつける。
少年A「あっ!MACの隊長だ、ちくしょう…」
少年B「チェッ!隠れやがって…」
少年C「桃太郎さん桃太郎さん、鬼退治には行かないの?」
ダン「仲良く遊ばなきゃダメじゃないか!」
少年A「だって桃ちゃん弱虫すぎて面白くないんだもん!」
ゲン「じゃ君達は、弱い者いじめをしてるのか?」
ゲンの的を射た指摘に子供達は顔を見合わせて言葉に詰まるが、「弱虫桃太郎、泣き泣き逃げろ!飯事してろ!」と捨て台詞を言って帰って行ってしまった。
桃太郎「僕には、父さんも母さんもいないから、みんないい気になっていじめるんだ」
ゲン「…そんな事ぐらいで泣きベソかいちゃダメだ!」
桃太郎「うん!」
ゲンは桃太郎の両肩に手を置いて、彼を元気付ける。桃太郎はそれに頷くと、少し距離をとって振り返り、言った。
桃太郎「シンちゃんもヒデちゃんもナッちゃんも、僕にやっつけられて逃げていきました、と日記には書いておこう」
ダン以下みんな大笑い。ゲンも一瞬呆気に取られるが、すぐ優しく微笑んだ。
桃太郎「僕、喧嘩は嫌いなんだ…でも、みんなを苦しめる本当の鬼みたいな奴が出てきたら、きっとやっつけてやるんだ」
ダン「うん、えらいぞ!」
百子「桃ちゃん、あたしも百ちゃんって言うのよ」
トオル「一緒に遊ぼう!」
カオル「本当に鬼ごっこしましょうよ!」
桃太郎「サンキュー!でもお爺ちゃんとお婆ちゃんが待ってるから、さよなら!」
桃太郎は祖父母のいる果物屋へ帰って行った。直後、ダンのマックシーバーに連絡が入る。
ダン「モロボシだ」
白川「怪獣です!VX-103地点から東に向かっています」
ダン「ようし、マッキー2号を回してくれ」
(場面転換)
ナレーション「惑星アップルからニワトリに追われて逃げてきた怪獣オニオンは、果物が豊富な秋の地球を襲って来たのです」
オニオンは地面を金棒で打ち鳴らし、地面を這って果物畑のリンゴの木を発見。青いリンゴの実った木を見つけたオニオンは、これまた図々しく胡座をかいて大量のリンゴを貪り、しまいには木諸共引っこ抜いて舌鼓を打つのであった。
時を同じくして桃太郎も帰宅。祖父母を連れて逃げ出すが、家の近くにはオニオンが迫っていた。
3人とも逃げる事は出来たが、店は潰され並んでいた果物も全てオニオンに食い尽くされてしまった。溢れ落ちた果物まで意地汚く食べるオニオンに、元気をなくしたお婆さんは逃げ遅れそうになるが、孫の桃太郎に助けられる。
オニオンは大量の果物を食べたことで喜び、腹を叩いて口から謎のガスを吐き出す。機嫌を良くして屈伸したり、そこら辺の建物に寝そべったりするオニオンだが、ふとそこへ飛行機の音が聞こえたのでそちらを見るとマッキー2号と3号の姿があった。マッキー2号にはダン、ゲン、そして白土が乗り込み、様子をうかがう。
ダン「青鬼みたいなヤツだな?」
ゲン「桃太郎に会ったと思ったら、今度は鬼ですか…w」
ダン「しかしその鬼は、我々が退治しなくちゃならん…マッキー3号、右側面より攻撃用意!」
梶田「了解!」
金棒を振り回してマッキー2機を警戒するオニオンに、ダンの号令で攻撃が開始される。しかしオニオンもハチの巣にされて黙ってはおらず、口から先程の緑色のガスを吐き出した。それを浴びたマッキー内のダンやゲンは、たちまち涙ぐむ。
ナレーション「鬼の目にも涙というが、この鬼みたいな怪獣オニオンはタマネギの臭いのする霧を吐いて、人間に涙を流させるんだから、ちょっとふざけてるねぇ」
霧で周辺が見えにくくなったのか、オニオンは自分で吐き出した霧を全て吸い込んでしまう。そして金棒を使い、辺りの家屋を片っ端から潰して燃え上がらせる。やりたい放題のオニオンに、ゲンは焦りを見せる。
ゲン「隊長、新兵器を使いましょう!このままだと、被害が広がる一方です!隊長…!」
ダン「…よし!やってみよう…!」
ゲン「ようし…!」
ゲンがスイッチを入れると、マッキー2号の機体下部が開き、中から巨大なミサイルが出現した。
ナレーション「MACが開発したばかりの新兵器・麻酔弾が、今使われようとしています。フッ、でも効くのかねぇ…?w」
ナレーションにさえも効用を疑われるという信頼のなさをMACが晒した所で、麻酔弾はオニオンの腹…ちょうどヘソの部分に突き刺さる。驚いたオニオンが金棒を手放して跳ね回ると、麻酔弾は注射の様に内部の麻酔をオニオンに注入する。
ナレーション「君、注射好き?この怪獣オニオンも注射は大嫌いなんだ。だから物凄く怒ってしまったんだよ」
一瞬だけオニオンの全身が真っ赤に染まると、オニオンは覚束ない足取りでその辺を歩き回り、やがて倒れてしまった。
ゲン「やったやったーっ!あはは、あははははは、効くなぁ…!」
ダン「効果が早すぎる…」
ゲン「思っていたより、強力な武器だったんですよ」
ダン「ゲン、気をつけろ…!」
無邪気に喜ぶゲンとは違い、ダンは予想外の効き目に警戒する。その予想は残念ながら当たってしまい、マッキー2機が接近してきた所で突然起き上がったオニオンは、彼らが驚いている間に両機を殴りつけた…!
(変に間の抜けたbgmと共に画面が裏返り、Aパート終了)
地上に落とされたMAC。マッキー3号から脱出した梶田はパラシュートを急いで回収し、ゲン達3人と合流。ダンの指示で4人は退がるものの、オニオンは彼らを見逃さず迫り、4人纏めて踏み潰そうとその大きな足を振り下ろそうとした…が、なにやら様子がおかしい。オニオンは中々足をゲン達に下ろさない。いや、下ろせなかったのだ。ゲンが異変に気付いて警戒を解いたとき、オニオンはよろつきながら後ろめりに倒れた。
ダン「そうか、やっと効いてきたのか…」
梶田「ようしっ、腐ったタマネギみたいにぶっ潰してやる!」
梶田を筆頭に、ダン以外の3人がここぞとばかりにマックガンで次々とオニオンを撃ち抜く。だがオニオンもタマネギガスで反撃し、ゲン達は攻撃を中断。オニオンも引き際と見たか金棒を突き立て、それを手で登る様にして空へ逃げようとするが、力が入らず失敗。再度タマネギガスを撒き散らす。
ナレーション「どうしたことか、その効果が半分しか現れなかったんだねぇ…」
ナレーターの懸念は残念ながら当たってしまった。丘の上に避難した4人は、タマネギガスにやられた目を擦りながら今後を考える。
ダン「麻酔弾の効果は24時間だ、その間に何とかしないと…被害が続出する」
オニオンはガスを吐きながら立ち上がろうとするが、力が出ずに座り込んでしまい、悔しそうに地面を金棒で殴る。
そんなオニオンの様子をうかがう4人の後ろを、避難する町の人々が横切っていった。その中に紛れていた桃太郎は、怒りと悔しさに満ちた目でオニオンを、そしてゲンを見つめ、近くに生えた雑草を引きちぎり走り去った。
ナレーション「桃太郎君は、お爺さんお婆さんの涙がタマネギの臭いのせいじゃないって分かっていました。何しろお店は潰され、果物は全部オニオンに食べられちまったんです。本当は勇敢な桃太郎君、お爺さんとお婆さんの涙を見て決心しました。そう、鬼退治です!」
オニオンの横暴に我慢できなくなった桃太郎は、祖父母が止めるのも聞かずにオニオンを目指し突っ走っていく。
そんな彼に続いたのは、なんと先程まで彼をいじめていた筈の少年達。彼らは桃太郎の覚悟を見て改心し、口々に詫びる。
少年A「桃ちゃん、ごめんよ!」
少年B「僕達も鬼退治を手伝うよ!」
少年C「リンゴ貰ったもんね!」
桃太郎「うん、ありがとう!よーし、行くぞ!」
子供達は一丸となり、オニオンへ突っ込んで行く。それを発見したダンは、慌てて子供達へ戻るよう呼びかけるが、今の彼らを止められる者はもうなかった。
だが、作戦も無しに怪獣と戦って勝てる訳もなく、全員オニオンの吐いたタマネギガスの餌食に。目や喉をやられた子供達は、助けに来たMACに救助された。しかしそれでも、桃太郎は諦めきれなかった。
ゲン「大丈夫か!?」
桃太郎「おおとりさん、僕約束したよ!みんなを困らす鬼が出たら、退治するんだって!」
ゲン「MACに任せるんだ!」
しかし、桃太郎は首を横に振る。町へ行き、僕は桃太郎なんだと自分に言い聞かせる。すると、歩道橋の上で何かを思いついた桃太郎は、何処かへ駆け出す。
向かった先は誰かの立派な家の門。扉を開けると、そこには鎖に繋がれた犬が。桃太郎は鬼を退治するんだと言って犬を連れていこうとするが、犬は言うことを聞かずついてこない。
続いて猿のいる所へ赴くも、猿も彼についてくる気はないようだった。
桃太郎「お前も嫌か…」
(画面が裏返り場面転換)
辺りを夕焼けが包む中、桃太郎は線路の上を一羽のニワトリを抱えて歩いていた。ゲンは桃太郎を見つけると、彼の所へ駆け寄る。
ゲン「桃太郎君!桃太郎君、なんだい?そのニワトリ」
桃太郎「雉の代わり!」
ゲン「えっ?」
桃太郎「犬も猿も協力してくれないし、雉はいないけど僕は桃太郎だからね」
ゲン「無茶だよ!」
桃太郎「無茶でも行くんだ!」
ゲン「待てったら!」
桃太郎「お爺ちゃんとお婆ちゃんが泣いてた…僕は鬼をやっつけるんだ!」
ゲン「…わかった!僕は協力するよ!」
桃太郎「…!」
ゲン「よーし、2人で作戦を立てよう…!」
桃太郎「うん!」
ゲン「うん!よし、行こう!」
まだ年端もいかない桃太郎の心に、確かな覚悟を見たゲンは遂に折れた。彼に力を貸す事を約束し、2人の鬼退治作戦が始まる。
(場面転換)
ニワトリの鳴き声が、青空にこだまする。いよいよ決戦の朝が来た。
丘の上でダン達は眠るオニオンを監視していたが、時計が示す時刻はまもなく麻酔の使用から24時間を迎えようとしていた。
欠伸をしながら目覚めたオニオン。するとそこへ、大嫌いなニワトリの鳴き声が。ツノを萎させて震えるオニオンだが、見つめる先にあるのは風に揺れる風見鶏だった。
オニオンは「脅かすな!」とでも言いたげな仕草をとると、偉そうに寝そべって大量のガスを吹く。すると、現場へゲンが軽い足取りで戻ってきた。その姿を見つけた白土が、丘の上から呼びかける。
白土「おおとりー、どこ行ってたんだー!」
だが、ゲンは笑顔を浮かべるだけ。ダンと白土が訝しげな目で彼を見つめていると、ゲンは黙ったまま空を指差す。見ると、そこにはMACが保有するヘリコプター・モスキーターの姿があった。しかも、大きな桃をぶら下げて。
桃を見つけたオニオンは嬉しそうに反応する。全てを察したダンが、ゲンに尋ねた。
ダン「ゲン、まさか…」
ゲンは満面の笑みをたたえて頷く。
ダン「大丈夫か?」
まだ飲み込みきれていないダンが再度確認するが、ゲンはそれにも頷いた。モスキーターはオニオンの周りを旋回しながら接近し、顔の真正面で上昇。桃を捕まえようとしたオニオンは面食らうが、ある程度の高度でモスキーターは桃を切り離した。
オニオンは桃をキャッチし、モスキーターは現場を飛び去る。すっかり機嫌を良くしたオニオンはモスキーターを手を振って見送り、早速桃を食べようと口へ近づける。その時だった…
コケコッコー!!!
またしてもあのニワトリの声が鳴り響く。それも、この桃の中から。オニオンは大慌てで桃を投げ捨て、角を萎びさせる。
地面に落ちた桃は真っ二つに割れ、まずニワトリが飛び出す。
そしてそこから姿を現したのは、立派な陣羽織と桃の鉢巻を身につけた、我らが英雄・桃太郎だった!
不思議そうにオニオンが桃太郎を見つめていると、桃太郎は背中に用意した矢を弓につがえ、オニオン目掛け勢いよく射った!
見事オニオンの左目に矢は命中し、大爆発。矢には爆薬が仕込んであったのだ。オニオンは伊達政宗よろしく眼帯を装着し、腹を叩いてご立腹。
しかしオニオンがいくら怒ろうと、ニワトリの鳴き声が辺りに響くと途端に力が抜けてしまう。続けて二本目の矢が放たれたが、今度はオニオンが金棒で防御。オニオンは立ち上がり、元気に跳ね回る。
白土「あっ!しまった、麻酔が切れた!!」
ゲン「桃太郎君…!」
焦って桃太郎の元へ向かうゲンに、梶田がヘルメットを投げ渡す。ダンも梶田と白土に援護するよう指示し、ゲンら3人は丘を駆け降りる。
オニオンは力が戻った反動か陽気にコサックダンスなどの踊りを始め、ニワトリも悲鳴をあげて逃げ出す。残った矢も一本となり、進退窮まった桃太郎。しかし、それでも彼は諦めなかった。
ナレーション「名も弓矢八幡大菩薩、桃太郎君、最後に一本残った矢を弓につがえ、ひょうとばかりに…」
完全に油断しきっていたオニオンに、矢は命中。それも、よりにもよってとんでもない部分に。そう、パンツに…
ナレーション「狙いは正確!さぁ、困ったのは怪獣オニオン。いやぁ、本当に困るよねぇ…こういう時、君も経験がある?」
こんな下品な怪獣にも恥ずかしいという概念があるのか、オニオンはずり落ちたパンツを戻そうと悪戦苦闘。いやにセクスィーな動きで真っ赤なケツを手で隠そうとしながら、パンツを戻そうとするが、矢を受けたパンツは中々うまくはまらない。
かくしてチャンスが生まれた。ゲン達MACがマックガン片手にオニオンをまたもハチの巣にするが、オニオンは左手でパンツを抑え、右手で金棒を拾い上げる。タイミング悪く桃太郎も逃げる途中で転んでしまい、オニオンが彼目掛けて金棒を振り下ろした瞬間だった。
ゲン「レオーッ!!」
ゲンがレオへと変身し、オニオンの金棒を蹴り払う。かくして、戦いが始まったのだが…誰がどう見てもオニオンの不利は明らか。それもそのはず、オニオンはパンツを押さえながら戦わなくてはならないのだ。
ご自慢の怪力で果敢に挑みかかるものの、パンツが気になって力を発揮できないオニオン。それでも何とかレオを踏みつけてジャンプで潰そうとするが、レオには難なく躱される。
打撃の応酬が続くが、ほぼ一方的にレオにしてやられ、怯んだオニオンは動きを止めてしまう。
そして気を抜けばすぐにパンツがずり落ちてしまうので、そっちに手一杯のオニオンはレオにボコボコに蹴倒される。
そしてレオはレオブレスレットを光らせ、ブレスレットブーメランを発射。オニオンの立派なツノを二本とも切り落とす。
♪桃太郎さん 桃太郎さん
お腰につけた きび団子
一つ私に くださいな
それにオニオンが動揺した隙に、レオは続け様にチェンジングビームを放ち、これを浴びたオニオンは手を広げたと思えば、なんとリンゴの木になってしまった!
やりましょう やりましょう
これから鬼の 征伐に
ついていくなら やりましょう
そしてレオは両手を輝かせ、大きく掲げると胸の前でクロス。額のビームランプからチェンジングビームⅡを発射し、リンゴの木に実を実らせた。
行きましょう 行きましょう
貴方について 何処までも
家来になって 行きましょう
ナレーション「鬼のツノは、お爺さんやお婆さんの神経痛の薬になるんだよ?こんなに沢山あれば、沢山のお爺さんお婆さんが喜ぶぞ!さぁ、犬が後押すエンヤラヤ!」
辺りの町並みが何故か絵本の様になる中、桃太郎はMACの面々を後ろに連れて凱旋。後ろには、立派なオニオンのツノが二本並ぶ。
立派に鬼と戦った孫の勇姿に、彼の祖父母も感動。お婆さんに至っては涙ぐんで孫を迎える。
桃太郎「お婆ちゃーん!!」
オニオンのツノを乗せた台車は進み、どこからともなく百子や梅田兄妹、そしてあの子供達もやってくる。見事鬼退治を果たした桃太郎は、仲間達に盛大に出迎えられるのでした。めでたし、めでたし…
そりゃ進め そりゃ進め
一度に攻めて 攻め破り
潰してしまえ 鬼ヶ島
面白い 面白い
残らず鬼を 攻め伏せて
分捕り物を エンヤラヤ
万万歳 万万歳
お供の犬や 猿雉は
勇んで車を エンヤラヤ
余談
第33話以来のギャグ回。
第25話でも登場した大槻隊員の2話目にして最後の登場回。
MACのヘリコプター・モスキーターの最初で最後の登場回。ちなみにモスキーターは作中登場するMACのメカの中では唯一『レオ』の企画書に名前が記されたメカの中で本編に登場した機体だったりする。
桃太郎がキジの代わりに連れて行ったニワトリだが、ニワトリはキジ目キジ科のキジの仲間なのであながち人選としては間違ってなかったりする(人じゃないけど)。
この回のみ次回予告が童謡「桃太郎」のbgm仕様で流れ、本来のbgmである「ウルトラマンレオ」は最後の「レオ!」の部分だけ使われている。
桃太郎役を演じた吉田友紀氏は、初代『あばれはっちゃく』役や特撮番組の常連として有名で、後に『ウルトラマンダイナ』でもフドウ・ケンジ役を演じている。