概要
御庭番とは、8代将軍徳川吉宗が設けた幕府の役職で、将軍等の要職の命によって諜報活動に従した隠密のことである(小和田哲男『大江戸武士の作法』2019, pp168-169)。表向きは吹上御殿の庭を巡回して警備する職とされ、竹箒を持って巡回していた。しかし実際には将軍や御側御用取次が庭に出た時に秘かに命令を受け、江戸市中の見回りや大名や幕臣の観察に努めて異常があれば報告する役目であった。職務は世襲制で、活動中は旅芸人や商人、僧侶などに変装して密偵活動に従事するためそれらの仕事についても熟知することが求められていた。将軍に御目見えなど本来は不可能な低い身分でありながら仕事上将軍に接触できる特権を持つ反面、任務の秘密を守る為に他の武士との交際を禁止されていたという(ここまで小和田、同書)
なお、創作作品では忍術を使ったり超自然的な身体的能力を発揮するいわゆるファンタジックな忍者としてしばしば描かれるが、史実にはそういった記述はない。もっともこれは史実の忍者も同様である。
著名な人物
御庭番の始祖
- 川村弥五左衛門
- 宮地六右衛門
- 薮田定八
- 明楽樫右衛門
- 西村庄左衛門
- 馬場瀧右衛門
- 中村万五郎
- 野尻七郎兵衛
- 村垣吉平
- 古坂興吉
- 高橋與右衛門
- 倉地文左衛門
- 梶野太左衛門
- 和多田孫市
- 林惣七郎
- 吉川安之右衛門
- 川村新六