概要
1958年に暁星書房から刊行された水木しげる作の貸本単行本。
この作品にはなんとあのゴジラが登場しており、そのゴジラの血で人間が怪獣化すると言う内容であり、後の水木しげるの名作『ゲゲゲの鬼太郎』の1エピソード「大海獣」の原点とも言える作品。異形の者の悲しみや著者の戦場体験、引き揚げ者の労苦を織り込んだ傑作と言われる。
あらすじ
ニューギニアのとある山に怪獣ゴジラが発見されたと言うニュースを受け、ゴジラの血を採取するべく日本からライバル関係にある二人の天才水木一郎と井川二郎を含む探検隊が出発した。
しかし探検隊はゴジラにより壊滅し、二郎は功績を独り占めにしようとして毒を受けた一郎にゴジラの血を輸血してしまう。
そして一郎は異形の怪獣ラバンに変貌し、東京を襲撃する。二郎はそれに対抗するべくラバン17号と言うロボットを建造する。
余談
この作品は『初代ゴジラ』と『ゴジラの逆襲』くらいしかゴジラシリーズが無かった当時にしては後々のゴジラ作品、そして東宝怪獣作品の要素を色々と先取りしている。
一郎の怪獣化の原因であるゴジラの血、即ちG細胞が平成シリーズ以前より存在し、それで怪獣が発生すると言う点はビオランテなどを先取りしている。
また怪獣に対抗する為に怪獣を模して作られたロボットは後のメカニコングとメカゴジラの先取りと言える。
関連タグ
大海獣:この作品をベースにしたものと言える。
オルガ(ゴジラ怪獣):宇宙人がゴジラの細胞を吸収した結果、変身した異形の怪獣。
バルガロン:ゴジラのゲーム作品のオリジナル怪獣で、吸血生物である彼もゴジラの血を吸ったせいで怪獣になったと言う設定。
大怪獣バラン:一文字違いの東宝怪獣。
???:ネタバレ注意