概要
てんとう虫コミックス第27巻、藤子・F・不二雄大全集「ドラえもん」第10巻に収録。
「ドラえもん」の中に数ある、ドラえもんの恋愛を扱ったエピソードの一つ。
あらすじ
大好きなドラ焼きにも反応しないドラえもんをふしぎに思ったのび太が理由をたずねると、街で見かけたかわいいネコに一目惚れしてしまったという。
ドラえもんが恋をしたのは、大きな屋敷に暮らす、真っ白なペルシャ猫だった。窓越しに彼女の姿をながめながら、「お嫁さんになってほしいなあ」とデレデレのドラえもん。「ロボットが結婚なんてできるの?」と疑念を抱くのび太だが、ドラえもんは「バカにするな!僕は高級ロボットだぞ!」と怒る。
だがその直後、ドラえもんとのび太は、となりの家の屋根の上からペルシャ猫のほうを見ている黒猫の存在に気づく。
まずは彼女にプレゼントを贈ることを決めたドラえもんは、全財産をはたいて未来デパートでこたつハウス、カツオブシガム、マタタビ香水、ネズミ捕りゲーム&ウォッチといった22世紀のネコグッズをたんまり買い込み、『どこでもドア』でペルシャ猫の暮らす部屋を訪れる。突然の来客に驚いたペルシャ猫だったが、「ドラちゃんってすごいのね」と大よろこび。有頂天になったドラえもんは、いつもひとりで留守番しているという彼女にこれから毎日会いに来ると約束し、翌日にはプロポーズを決意する。
そんな中、ペルシャ猫から「一度でいいから外を歩いてみたい」と言われたドラえもんは、彼女を外へと連れ出すが、そこにあの黒猫が現れる。
その黒猫は生まれたときからペルシャ猫に好意を抱いていたことを知る。
家を出るという彼女に対し、黒猫は野良の生活がどれだけ過酷かを伝え、諦めさせようとする。
それを見たドラえもんは
「うぬうっ!ライバルめ!どうするか見てろ!」といい、何と地球破壊爆弾を取り出してしまう。
しかし、ペルシャ猫に彼ならどうにかしてくれると頼まれ、断り切れないドラえもんは考えた末に「ここなら幸せに暮らせるだろう」と2匹を「のら犬「イチ」の国」に登場した野良犬と野良猫たちの国に連れていく。
帰ってきたドラえもんにのび太は「何しに行ったんだよ。」と突っ込むがドラえもんは「いいんだ、あの子が幸せになるならば。」と涙ながらにいうのだった。
余談
- 本作は1982/10/22、2009年8月21日と2回テレビアニメ化されている。
- のぶドラ版では「ぼく失恋しちゃった」というタイトルで放送された。しかし、まだ「のら犬イチの国」はアニメ化されていなかったため最後が変わっており、ペルシャ猫の家に通り抜けフープを取り付けて自由に出入りできるようにし、ラストでどうだったか尋ねるのび太に涙を堪えながら「いいんだ、あの子が幸せになるならば。」と言って終わっている。
- わさドラ版ではペルシャ猫がリアという名前になっており、当初はのび太だけでなくみんなも最初はドラえもんの恋をバカにしていた。こちらもまだ「のら犬イチの国」はアニメ化されていなかったため最後は2匹を南の島に連れて行き、失恋に悲しむドラえもんをみんなで励ますというラストになっている。