概要
前漢に書かれた『神異経』に記述される黄帝に退治されたという獣。虎や豹などの猛獣だけではなく、人も喰らうという獅子に似た獣であるという。
喰われなかったとしても、噛まれた者は病に罹ってしまう。
「恙」とは、もともとは病気や災いのことを示す漢字で、何も問題が無いことを示す「恙無」という表現は古くは司馬遷の『史記』にも記載されている。
たくさんの中国の幻獣の彫像で飾られた日光東照宮の唐門には、恙は脚に金輪をはめた唐獅子のような姿で彫られた。
また、日本には恙虫という人の血を吸って死に至る熱病にしてしまう蟲の妖怪が伝わっている。