概要
ヒューマンバグ大学世界における関西地方に拠点を置く巨大極道組織である天王寺組が保有する武闘派派閥。最初に東京に降り立った構成員は大嶽も含めて15名、後に馬渕が合流して16名となる。なお、最終的に東京に降り立った人数は総勢26名だが、茂木が尾行した2名などの一部構成員は戸狩派ではなく大嶽直属の可能性がある。ただし、大嶽直属の構成員と戸狩派構成員は区別がつきにくいため、本記事では大嶽直属の構成員も便宜上戸狩派の扱いとする。
最初に天羽組の前に現れたのはNo.3の室屋であり、静岡で飯豊と交戦した。その後に彼より上位の猛者である渋谷と戸狩の存在が明らかになり、渋谷は紅林と大阪で交戦した。後に大嶽直属の命令で「(城戸派が)後1か月以内に関東を落とせなければ彼らを更迭し、入れ替えで戸狩派を出陣させる」ことが決まった。
先に送り込まれた戦闘部隊の城戸派が壊滅し、城戸の葬儀を含めた数か月の準備期間を経て、大嶽と共に本格参戦する。
トップの戸狩が自身の経験故に"東京から見て大阪を下見ている"と言う考えが根付いているためか、見下す相手や組織を徹底的に潰していくスタンスが特徴的。
また、城戸派と比較するとカタギや友好組織への態度は全体的に柔らかく、特に社会的弱者への差別を許さない、完全な仁義外れになる行為はしないなどやや穏健派ともとれる。
しかし、個々の戦闘力は非常に高く、中心部や戦闘員は天羽組の武闘派ですら抑えるのが難しい場面も。
城戸派と同じくトップへの忠誠心や仲間意識が相当強く、中には右腕以外機能不全かつ車椅子生活を余儀なくされる羽目になっても復讐のために一度は負かした相手を執念のみで屠った狂人もいる。実際に多くの構成員は末端まで実力が高いだけでなく、(大嶽の指揮もあるとはいえ)チームプレイや戦略的な動きに優れている。
メンバー
中心部
- 戸狩玄弥(とがり げんや)
CV:KI
戸狩派のトップ。幼少から殺し屋組織エルペタスで殺しを学んだ経験を持つ。また幼少の経験から不当な差別を相当に嫌っている。
かつて当時の組長を庇い12発の弾丸を背中に喰らいながらも、組長を守り抜き敵組織を壊滅させたという恐るべき不死身伝説の持ち主。
これが「鋼鉄の戸狩」「鋼鉄の殺戮者」という異名の源となっている。
性格は狂人そのものの冷酷さで、高見沢の護衛に失敗して片耳を失った室屋に対し、(日頃の舎弟への接し方が悪い事の罰を含めて)残ったもう一方の耳も切り落とすという残虐なヤキを加えた。
城戸派解体以後、天羽組にとって過去最大の敵として立ち振る舞った結果として、阿久津殺害を含めて羽王戦争中で6回もの戦闘に勝利してみせた。
しかし最後は和中との壮絶な死闘の末に遂に敗れ、倒れ伏した。
しかし戦闘終了後、その場に現れた天羽組長の判断により、和中と一緒に闇医者へと運ばれて生存した。
「戸狩と申します。名前だけでも覚えて、地獄に行ってください」
「胸張って生きんかい。自分に自信があったら馬鹿にした奴らが取るに足らんアホに見えるわ」
- 渋谷大智(しぶや だいち)
CV:畑耕平
戸狩派のNo.2。
青緑色の頭髪をオールバックにしてサングラスを着用しており、緑色の肌着の上からゼブラ柄を模した黄土色のシャツを羽織っている。肌着に筋肉のラインが浮き出ているのを見ただけでもかなり鍛えられていることが窺える。
大阪を心から愛する発言や振る舞いが目立つ生粋の関西人であり、特にタコ焼きやお好み焼きなどの「粉もん文化」を誇りに思っているらしく、大阪に関連する事を馬鹿にされるとすぐ怒り出す。
また、「バカ」呼ばわりされても同様にすぐブチギレる(本人曰く「アホ」なら許せるらしい)。沸点が低いことに加え、攻撃を仕掛ける前に技の名前を言っては読まれて反撃を許してしまう等、どこか隙のある人物。
その一方で、パワーやスピード、タフネスは相当に高いレベルであり、まともな殴り合いでもあの紅林二郎と渡り合えるほどである。
打撃が当たる瞬間に首を捻って衝撃を流したりと、防御に関するテクニックもかなりのものである(一度手合わせした伊集院茂夫も驚嘆していた)。
そして彼が最も得意とするナイフの腕は超一流で、あの小林とも互角に渡り合ったほど。
天羽組の構成員がアジトに乗り込んできたときには、戸狩に変わって指揮命令系統の役割を担っていた。
「おお、今の耐えるかタフやな ほな次は俺の通天閣アッパーをお見せする」
「大阪の人間が東京に関与するのはお好みの美味さ忘れてもんじゃに魂を売ったのと一緒や」
- 室屋柊斗(むろや しゅうと) ×
CV:猫絵十兵衛
戸狩派のNo.3。
見た目は継ぎ接ぎな顔をした緑髪の青年。顔にある大きな痣のせいで、周りから虐められた過去を持つ。
体格の良いガタイに反して機動力は凄まじく、基本武器の銃とドスの扱いは超一流。また、気配を消して接近する事にも長けており、スペック自体は誰もが認める天才の域に達している。
その一方で、過去に受けた仕打ちの影響もあってか、上の人間への貢献のためにヤキなど舎弟に厳しく当たりすぎるという欠点もあり、戸狩からも厳しく指摘されている。
羽王戦争では天才型ゆえに調子に乗っていたことで高見沢を守りきれず、自分も右耳を飯豊に吹き飛ばされる大怪我を負った。さらに、ヤキとして残った左耳も戸狩によって削ぎ落とされた。
戸狩派が関東侵攻に乗り出した際には、岸本と共に綾波町にある北大路組を制圧する。
後日天羽組の南雲と対峙し、一度は彼を死の間際まで追い詰めるが、数日後に自宅を突き止められ猛攻を受けて家の中で敗死した…
かと思われたが、様々な要素が重なってなんと生存していた。しかし、下半身と左腕が全く動かず、右腕は辛うじて動かせるだけで強い痺れが残ると言う、武闘派極道としての復帰は絶望的な状態だった。
阿久津の葬儀終了後、無理して参加した南雲を追いかけ、自身を人間爆弾にしてカタギが大勢いる病院敷地内で自爆しようとする凶行を仕掛ける。
南雲に勘付かれてしまい、右腕は斬り落とされるも、右胸に起爆装置を仕掛けており、残った右上腕辺りで爆弾を起動させた事で南雲を道連れ。自身は原型を留めない状態となって今度こそ死亡した。
「なに邪魔しとんねん! 背中、噴水にしたらぁ糞餓鬼が!」
「南雲梗平ぇええええええっ!会いたかったでぇえええ!」
戦闘員
- 岸本隆太郎(きしもと りゅうたろう) ×
CV:畑耕平
5年目の構成員であり、忍者刀を得物としている若手の実力派。
声は落ち着いているが、そこまで強くない相手なら二人を同時に相手できたり、敵の攻撃を躱すと同時に敵の腕を切断できるほどの高い戦闘力を持つ。
戸狩派の東京到着後に行われた作戦会議では、大嶽や中心戦力の戸狩、渋谷、室屋の4人以外の人物で唯一出席した若手である。
天羽組の若頭である阿久津襲撃時には飯豊と交戦し圧倒するが、敵討ちに燃える飯豊の執念と作戦で奇襲され大傷を負ってしまう。舎弟と二人がかりで応戦するも、飯豊の凄まじい覚悟と気合いの前に押され、先に受けた大傷のせいでパワーが出なくなっていたせいで最終的には致命傷を負う。
渋谷が用意してくれるお好み焼きを食べれない虚しさと生への執着を零しながらその命を散らした。
「僕の名前は岸ちゃんでぇす」
「蝶のように舞い…カマキリのようにぶった斬るぅううう!」
- 馬渕春斗(まぶち はると)
CV:猫絵十兵衛
天王寺組の構成員で、日本刀を獲物とする。大阪の鈴原組と喧嘩を終えた後に東京へ降り立つ。
自由に動きたい性格ゆえに派閥上層部ではないものの、大嶽と戸狩からは大幅な信頼を寄せられている。
幼少の経験から聴覚が異常なまでに発達しており、音だけで敵の位置を完璧に把握できる。また気配を消すのにも長けており、闇夜の戦いでは和中も旋律するほどの強さを発揮する。
大嶽曰く、「一つ仕事渡したら最後までやり切らなきゃテコでも動けない奴」と評され、リーダーの戸狩も「変わり者」と思っている。
最終盤で小林のち永瀬と対峙する。永瀬から徹底的に自分の強みを潰される戦術を取られたため不利な状況が続き、互いに限界を超えた後でもその先に極限があることを知っていた永瀬に最後の力を振り絞られ、強烈な貫手を喉に喰らって喉を砕かれ倒れた。
激戦の末に両者ともに気絶したものの、野田が現れるまでの間に目を覚ましていた。
野田にトドメを刺されそうになるも、直後に似鳥たち舎弟陣が現れたことで、「永瀬も一緒に助ける」という条件のもと天王寺組お抱えの闇医者へと移送された。
「戦闘の基本は、相手の力を削ぐことや」
「視界さえ悪かったら...たとえ相手が宮本武蔵でも、俺は負けません」
舎弟
- 似鳥正男 (にとり まさお)
CV:小柴大始
天王寺組2年目の若手構成員。極道にしてはチャラさが目立つ陽キャな印象を与える。
声出し担当(?)を自称しており、2023年7月22日付の状況整理動画にて渋谷大智とともに登場した。
渋谷から某家具チェーン店を彷彿させるような苗字だとツッコまれたが、その点については特に気にしていないどころか、むしろノリノリで「さすがに人間でしょ!どう見ても」と返答している。
最終盤にて瀕死状態で野田に人質とされていた馬渕を発見する。「永瀬を助けるならば馬渕も一緒に助けてやる」という野田の要求を独断で了承し、天王寺組お抱えの闇医者のもとへ馬渕・永瀬・野田を送り届ける。
しかし、馬渕の安否を気にするあまり野田に対する警戒が疎かになってしまい、途中まで同行していたはずの野田に車を奪われて病院に取り残されてしまった。
「どうも!天王寺組の舎弟、似鳥正男です。」
「もう、誰も死んでほしない...」
- 高槻(たかつき)
CV:猫絵十兵衛
入門4年目の戸狩派の舎弟。
金髪に紫色の半袖シャツが特徴的な男性。天羽組が戸狩派のヤサに突撃し、渋谷の指示で最終防衛ラインに選ばれた精鋭の一人。それだけに鍛え抜かれた天王寺組の構成員の中でも熟達している実力を持っている。特に拳銃の腕が組内でもレベルが高く、鉄火場でも冷静に立ち回る胆力を持っている。それだけに、舎弟達をまとめる立場も担っている。
- 田中(たなか) ×
戸狩の舎弟。
戸狩と大嶽が北関東の極道組織を取り込む中、運転手として登場する。肉まんを買うために降りたコンビニにて、小峠の近くで関西弁を用いて話した事で戸狩と大嶽の存在を勘付かれるも、戸狩の圧倒的な実力と的確な判断力で切り抜けた。武闘派なだけにチャカの腕前は小峠も認める程に高い。
後日再登場するが、爆弾作戦の罠に引っかかり至近距離で爆風を喰らい即死した。なお戸狩からは捨て駒と思われていたが、いざ死の寸前には彼から「(見捨てて)すまん」と謝られていた。
「調子乗んな小峠!」
- 大仁田(おおにた) ×
室屋の舎弟。
天羽組若頭の阿久津敏朗襲撃計画に参加。任務中に南雲梗平が放った銃弾で腹を打ち抜かれて致命傷を負うも、任務達成を優先した室屋に見捨てられてしまう。その後、自分は助からないと判断した彼は、根性と忠誠心の高さゆえに「せめて阿久津の命だけでも」と阿久津への銃撃を試みたが、撃つ前に南雲に察知され、トドメを刺されて死亡した。
「なるほど!東京はうなぎも蒸すらしいしな!」
- 小森(こもり)
戸狩派の舎弟。
黒髪の短髪オールバックに白いタンクトップが特徴的な男性。天羽組が戸狩派のヤサに突撃し、渋谷の指示で最終防衛ラインに選ばれた精鋭の一人。天王寺組の幹部や主戦力を除けば実力はある方であるのはうかがえるものの、集中力を上げた小林によって戦闘不能になってしまう。
- 峯田(みねだ)
戸狩派の舎弟。
髪と上着が薄い茶色の男性。天羽組が戸狩派のヤサに突撃し、渋谷の指示で最終防衛ラインに選ばれた精鋭の一人。小林に撃たれるも、倒れる寸前に小林の脇腹に銃を命中させるなど、拳銃の腕は中々のもの。高槻によって渋谷とともに病院に搬送された模様。
氏名不詳の構成員
- 戸狩派構成員A ×
爆弾作戦担当の戸狩派の構成員。
大嶽の指示で天羽組事務所に車で特攻し、庭に手榴弾を投げ込んで爆撃した後に(小林が乗り捨てた車に罠が仕掛けられている事を小峠と飯豊に忠告したのもあって)逃走に成功する。しかし、これは綾波町を根城にしている「北大路組」の組長が天王寺組打倒のために協力を求めようとする事を妨害するための一手であり、大嶽の狙い通り天王寺組戸狩派は「北大路組」を手中に収める事に成功した。
後日、二度目の爆撃を実行しようとするも、天羽組は以前よりも警戒を強めていただけでなく、その時の警護筆頭は和中であったのもあって完璧に対処され一刀のもとに死亡。
- 戸狩派構成員B ×
岸本の舎弟。
薬物の売人を排除する岸本に同行するが帰路で飯豊に襲われる。全く役目を果たせずに返り討ちにされ死亡。
- 戸狩派構成員C・D・E ×(全員)
正面玄関担当の護衛。
永瀬と須永に奇襲を受け、全員が銃殺され死亡する。
- 戸狩派構成員F・G ×(両者共)
構成員C・D・Eとは別の出入り口の護衛。
和中の奇襲に対応できず、一瞬で切られて死亡する。
- 戸狩派構成員H ×
裏門担当の守衛。
小林に奇襲を受け、素早く銃で応戦するも、小林のトゥーキックからのグリンで瞬殺された。
- 戸狩派構成員I・J・K・L ×(全員)
大嶽のヤサ内部の護衛。
速水のフォローを受けた小林の大立ち回りで全員が死亡する。
大嶽直属部隊からの増援
- 杉山陽太(すぎやまようた)
関東侵攻計画の増援として大嶽のもとに派遣されることとなった戦闘員。
小林の指示で動いていた茂木の尾行に気づけず、東京での活動拠点を間接的に天羽組に教えてしまうという致命的なミスを犯してしまった。
最終決戦では本部防衛を担当していたと思われるが、最終的な生死は不明。
- 藤田和雄(ふじたかずお)
杉山陽太と同時期に大嶽のもとに派遣されることになった戦闘員。
最終決戦では本部防衛を担当していたと思われるが、最終的な生死は不明。
上記2名に加え、前項に記載した「氏名不詳の構成員」のうち数名は戸狩派ではなく大嶽直属の可能性がある。
余談
岸本を除く戸狩派の主要メンバーの過去には差別に深く関わっているという共通点が見られる。
- 戸狩・渋谷 : 赤森地区出身であるのだが、この地区の出身者は出身地域による理不尽な差別(いわゆる部落差別)を受けていた。後に渋谷も同地区の出身と判明しており、戸狩に語るまでは出身地域をぼかしていた。
- 室屋 : 顔面の痣により、同級生に遊んでもらえないなど幼少期に不当な扱いを受けていた。彼自身も容姿にコンプレックスを抱いており、極道になった後も当時いじめていた者達を見返したいという思いを抱いていた。後に戸狩に活を入れられる形でコンプレックスを克服している。
- 馬渕 : 自身は差別を経験していないものの、視覚障がい者の親友が壮絶な差別の末に、階段から蹴り落とされる。幸いその友人自体一命は取り留めたものの、両手が麻痺してしまうと言う更なる障がいが残る事になり、この出来事がきっかけで馬渕は仇討ちに乗り出し成功させた。しかし、その代償に少年院行きとなってしまい、そのせいでまともな職に就く事が困難になった事でグレにグレた。
関連タグ
城戸派 - 天王寺組が誇る2大武闘派派閥の片割れ。