概要
てんとう虫コミックス42巻及び、藤子・F・不二雄大全集16巻に収録。
自分の好きな物を専用のお札に書いてこの中へ入れて願い事を言うと、その願い事が叶う代わりに1年間その好きな物は断たなければいけなくなる。ただし元々嫌いな物や、他人の裁ち物をお札に書いて神社に入れても、効果は表れない。効果が現れるのは少なくとも1年は好きなものを断たないと現れないらしいが、断ち切るものが使用者にとって好きな物であればあるほど、または断ち切る物が多ければ多いほど効果が現れるのは早い。
また、願掛けをする者とは別の者がお札を入れてしまった場合、入れた者には効果は現れず、おふだを書いた者が事前に何らかの望みをこの道具に願っていた場合、そちらの願いは叶う。
ストーリー
のび太はジャイアンとスネ夫にズタボロにされた上、「俺に逆らうとろくな目に会わないこと、今度こそよーく分かったろう」、「そう!よーく覚えておくんだよ!」とバカにもされてしまった。悔しくてたまらないのび太はドラえもんに泣き付くが、ドラえもんはそのためには色々と努力することが必要だと力説し始める。けれどものび太から「僕が体を鍛えた位でジャイアンに勝てると思う?」と聞かれ、やっぱり無理かと思い、「断ち物願かけ神社」を取り出した。
ドラえもんから、母親の病気を治すために大好きな魚を断った男性の話を聞いたのび太は、別に魚でなくても良いと言われたものの、自分も魚は嫌いだからちょうどいいと、お札に魚を書いて神社に入れジャイアンに勝てるように祈った。さっそくジャイアンとスネ夫に再戦を挑むもあっさり返り討ちに遭い、「ホントに物分かりの悪い奴」と呆れられた後、元々嫌いな物を断っても意味がないことを説明される。
そこで「ジュース」、「漫画」、「しずかちゃん」など大好きな物を色々書き出すが、少なくとも一年は断たないと効き目がないと言われ、しばらく考えることにした。すると居間でパパが禁煙をできずに悩んでいたため、お札にタバコと書き神社に入れてお願いすることにした。だが本当にパパがたばこを吸わないか不安になり様子を見ると、ママがコーヒーをタバコの上にこぼして全てダメにしたり、パパが買いに行ったタバコ屋が休みだったり、自動販売機も故障中だったりして効果が出ていることを確認した。
そこで改めてジャイアンとスネ夫に宣戦布告をするが、ドラえもんがやって来て他人の裁ち物では全く効き目が出ないと言って来たため、逃げるしかなくなってしまった。一方その頃、のび太が書き出したお札は窓から吹いた風で散らばってしまい、神社を屑籠だと勘違いしたママが、これの中に入れた。すると神社がのび太の好きな物に反応した。
一方でのび太はジャイアンとスネ夫に捕まり、またしても「ドガ チャガ」とズタボロにされてしまった……
と思いきや、ズタボロにされたのはジャイアンとスネ夫の方だった。そう、のび太はジャイアンとスネ夫に勝てたのだ。
現実を信じられなかったものの、喜んだのび太は自販機でジュースを買いお祝いをしようと思ったが、なぜか出て来たジュースが跳ねて溝の中に落ちてしまい、それからも漫画を見せてもらおうとしたら男子達に逃げられ、しずかにまで逃げられてしまった。これを見ていたドラえもんは「この訳を説明するのは、あまりにも残酷で僕にはできない」とつぶやくのだった(なお、のび太はこれ以外にも「玉子焼き」、「テレビ」、「昼寝」もお札に書いていた為、おそらく、と言うか間違いなく…)
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1989年6月9日に放送されたが、水田版では現在のところまだアニメ化されていない。
1989年版
- のび太がズタボロになったのは、ジャイアンとスネ夫にサッカーを付き合わされていたからで、のび太は至近距離からボールを蹴られズタボロになった。また2人の去り際のセリフも変更されていて。スネ夫のは「のび太はおうちであやとりでもしてたら?」になっている。
- ドラえもんはのび太の声を聴いて全てを悟りそのことをのび太に言うと、のび太も「分かってんじゃなのの」と笑顔でドラえもんにすり寄ったが、ドラえもんは原作の説明をしだした。
- のび太はジャイアン達に再戦を挑んだが、またもサッカーボールでズタボロにされてしまった。
- のび太が願掛けにパパのタバコを使った際、「ジャイアン達より強くなりますように」とお願いしている。
- パパが行ったたばこ屋にはシャッターが下ろされていた。
- ドラえもんは、のび太がジャイアン達に宣戦布告するまにも一度忠告にやって来ていたが、説明の途中でのび太が行ってっしまったため再度忠告しに行き、のび太が宣戦布告した後「ちょっとタイムね」とのび太を引き離し、他人の裁ち物では効果がないことを説明した。
- ママはのび太の部屋に掃除に来た際、掃除機を持っていた。
- ドラえもんはのび太と一緒にいたため、のび太がジャイアン達をやっつけた後、心配になって家に戻りママが札を神社に全部入れたことを知った。
- ラストはのび太がしずかの名を叫びながら彼女を追いかけ続け、最後は夕日に向かってジャンプして終わっている。