誘導分岐
概要
中国の春秋時代の歴史を記述した書、かつ儒教の経典とみなされる「四書五経」の五経の一つ。
名前の由来
この歴史書の名称に関しては「魯国の歴史書独自の名称である」という意見や、「春秋戦国時代の各国の歴史書に採用された名称である」というという意見が存在し定説はない。
成立
この書籍はもともと紀元前5世紀頃記述されたという魯国( 古代中国に存在した「春秋十二諸侯」の一つ )の歴史に関する記述を孔子が整理した、あるいは新たに執筆したとされる文献であり、この文献自体は年月日ごとに淡々と書かれた年表風となっているが、この文献自他は単独で存在しておらず、注釈書とともに現存する形となっている。
派生文献
この文献は簡潔に記述されたものであるが、この中に孔子の思想が含まれるのでないかと考えられ、各人による注釈がつけられれ、それらは複数存在したと思われるが、前漢初期には公羊氏が孔子の弟子である子夏から伝え聞いたものをまとめたものを董仲舒が入手したとされる『公羊伝』、前漢末期に左丘明が編纂したとされるが前漢末の劉歆の偽作扱いされることがある『左氏伝』、穀梁子が子夏から伝え聞いたものをまとめたとされるが公羊伝を参照したとされる『穀梁伝』の3つのみが完全な形で伝えられ、その後の解釈もこれら三つの解釈に沿ったものが多くなる。
用いられ方
これらの解釈の解釈は春秋学と呼ばれ国の公的な面においては、前漢では『公羊伝』『穀梁伝』が重用されたが、後漢以降は『左氏伝』が主流となり、これは唐の半ばまで変わらなかったものの、その後これらの解釈は否定的に取られるようになった、なお儒教での五経の扱いとしては『春秋左氏伝』が主流となった。