行キハヨイヨイ……帰リハ…サア…ッ!……アハハハッ…!
帰ス…モノカヨォ! ココデ…ココデ…シズンデ逝ケョ……!
アハハハハ…ハッ……!
概要
2023年初春イベント『絶対防衛線!「小笠原兵団」救援』にて新たに登場した深海棲艦。
艦種は「深海戦車揚陸艦」。
同イベントのE-6「決戦!硫黄島逆上陸作戦」最終ゲージに出現し、同海域および本イベントのラスボスとして立ちふさがる。
容姿
身体の一部が人外じみていたり異様な風体をしていたりすることの多い深海棲艦の中では珍しく、かなり艦娘に近い容姿をしている…どころか、砲や機銃といった装備が背中の艤装以外に見当たらず、戦闘に不向きな印象さえ感じさせるものとなっている。
黒い髪を左右で三つ編みにしており、額の左右からは一本ずつ角が生えている。肌は白く、その眼は艤装ともども緑色に発光しているが、その表情は虚ろで生気が見られない。
セーラー服に似たものを着ており、上下とも裾部分に歯の意匠が見られる。また、靴は履いておらず裸足で、爪は黒。このあたりは一部の姫級ボスと同様だが、彼女の場合は極端なVネックとでも言うべき特殊な襟の形で、襟元が首回りどころか上腹部まで達している。
艤装は魚にも似た生物然とした姿で、その巨大な口には鋭くとがった歯が多数並んでいる。目の前にある物を呑み込まんとばかりに大きく開けた口の内部には、中央に発光する線がある板のような構造が存在する。艦種を踏まえると、これは戦車を送り出すための渡し板であろうか。
最終形態「壊」になると発光部分が赤く変化。さらに装甲破砕ギミックを解除すると額の2本の角のうち右側がなくなり、艤装の歯の一部が欠ける。
ソウサッ……! チョク接…ジョウ陸サセルノサァ……ッ…
揚ゲテル間ニ…ヤラレチマゥダロゥガァ……アハハハハッ!
オ前ラニ……ヤラセルモンカ…ヨォ……!
性能
システム上の艦種は「航空戦艦」となっており、スロットも5つ存在しているが、その割に火力は甲作戦「壊」状態でも【178】と、こちら側の戦艦娘でも主砲をガン積みすれば上回れてしまう程度には控えめ。とはいってもこちら側の戦力を一撃で中大破させてしまう威力には違いないが。
他方、搭載する装備は意外に厄介で、小口径主砲2つ・水上偵察機・ソナーに加え、水上爆撃機を搭載しているのだが、これがなんと反跳爆撃を仕掛けてくるため、状況次第では戦艦であっても一撃で大破させられてしまう。
跪ケ!
オ前タチモ…ココデ…擱座シロォッ!
また、大規模作戦のラスボスにふさわしく、甲作戦「壊」時の耐久【1080】・装甲【383】は歴代深海棲艦の中でも指折りの高水準(これを上回る深海棲艦は同じイベントにてE-2ボスとして現れた欧州装甲空母棲姫くらいしかいない)。「航空戦艦」ゆえ徹甲弾でのダメージ増大がある程度見込めるとはいえ、特殊砲撃を使うにしても油断は禁物である。
これに加え、随伴艦も強力。第一艦隊には戦艦水鬼・空母棲姫Ⅱ2体・重巡ネ級改2体が並び、第二艦隊にもネ級Flagshipがいるなどしていることから、正面からの砲雷撃戦では撃破は容易ではない。
…そう、正面からの砲雷撃戦では。
実は、この海域では潜高型の潜水艦姉妹に2.9倍というとんでもなく強力な特効が付与されており、小破以内であればただの雷撃一発で随伴艦を容易に吹き飛ばし、魚雷カットインの一撃を以てすれば本命たるこの深海棲艦すら4ケタダメージで消し飛ばすことが可能。ついでに回避補正も生じていたためか道中で被弾するリスクも比較的低かったことから、道中対策を十分に行いボスマスは潜高型姉妹に任せる、という攻略法でも充分に勝ち目があったのである。
さらに、このボスマスではアトランタをはじめとするレアドロップも少なからず見込め、そうしたレア艦の掘りにこのボスマスが最適と目されたことで、結果として攻略・周回ともに潜高型姉妹が放つ魚雷カットインで吹き飛びまくる羽目に。
何ノタメニキタンダヨォッ!?
弱いわけでは決してなく、むしろ搦め手と高い生存性で撃破を阻む「要塞」であるはずだったが、その生存性が特効効果により見事に相殺されてしまったが故の悲劇と見るべきであろうか。
もっとも、その生存性を存分に発揮した場合、歴代最難関とさえ言われた前段E-2並みかそれ以上の難敵となることは避けられなかったと思われるため、彼女と提督たち双方にとってこれで良かったのかもしれない…。
続く2023年夏イベント『船団護衛!輸送航路防衛戦』の後段作戦『反攻上陸!ノルマンディー上陸作戦』にてまさかの再登場。
E-6「タイガー演習」第三ゲージの旗艦として現れたこちらでは、戦艦夏姫や重巡ネ級改夏mode、そして初登場となるSchnellboot小鬼群を引き連れており、変わらぬ高耐久・高装甲ぶり、そして回避力の高いSchnellboot小鬼群による仕留めにくさで提督たちを苦しめた。
余談
「擱座」という言葉、および「戦車揚陸艦」というその艦種から、モデルは日本側が陸軍・海軍双方で使用すべく大量生産した第百一号型輸送艦と思われる。
起工されたものだけでも同型艦100隻以上が存在したこのグループは空襲や戦闘などによる喪失も多く、小笠原諸島近海でも実に10隻もが喪失の憂き目にあった。
ちなみに海軍が運用していた第百三十四号輸送艦は、暴風雨により硫黄島にて擱座した後、そのまま放棄される運命を辿っている。この深海棲艦が口にする「擱座」という言葉はここから着想を得たものであろうか。
ちなみにこの海域の突破報酬たる艦娘は第百一号型輸送艦の一番艦だが、南方での輸送任務に出向いたこちらはオルモック湾にて最期を迎えており、小笠原方面にて運用されたことは無い。
上述した再登場時には欧州方面にて姿を見せているが、史実のタイガー演習においては米軍の戦車揚陸艦数隻がSchnellboot小鬼群のモデルとなったドイツ軍のSボートにより被弾・沈没しており、これが再登場した理由と推測される。つまりこの再登場は枢軸国側ではなく連合国側でのものとなるが、登場からここまで間を置かずして明確に連合国側・枢軸国側双方での役回りを担った深海棲艦というのもなかなか珍しい。
艤装部分は巨大な口や目を有するなど生物的な見た目だが、その牙のような多数の歯、ヒレを思わせる構造物などから、恐らくは小笠原諸島近海に多数生息するウツボがモチーフの一つであると考えられる。
アハッ…イチマイイタト…チョクセンコウゾウジャ…ダメダッテ…?
コレハ……ケッコウイケテルト…オモッタンダケド…サァ……ッ。
……アッ。…ソウ…ナノ?……ワタシ…わたし…マタ…イケル?…いけるの?
提督、ナラ…お願いします!はい!