概要
イラストや属性を見るに相剣大邪-七星龍淵と覇蛇大公ゴルゴンダが合体した姿だと思われ、カード名はビーステッドをも意識したのと思われる。
軍師時代やシンクロ体にあった1200のバーンダメージが消失し、カード名も『龍淵』の2文字が分けられていることから覇蛇大公ゴルゴンダと結合したことで龍淵としてのアイデンティティを失ってしまったことを表しているのかもしれない。
加えて、自身の効果で特殊召喚された場合はフィールドから離れると除外されてしまい蘇生できないので、最後の悪あがきという事なのだろう。
ザ・ヴァリュアブル・ブックEX3によると、氷剣竜ミラジェイドに敗れた相剣大邪-七星龍淵が覇蛇大公ゴルゴンダと合体した姿であるとのこと。
本誌によると覇蛇大公ゴルゴンダは元々相剣陣営の本拠地である大霊峰で龍淵と共に覇道の野望を抱いていたが、相剣大公-承影によって霊峰を追われて現在の蛇の怪物となり果てたのだという。そして今度こそ覇道を極めんとして龍淵に統合されて誕生したのがこのモンスターのようだ。
このカード自身は高レベルの幻竜族なので七星龍淵のS素材にも適しているが、逆にゴルゴンダとは(2)でフィールド魔法を引き剥がす必要がある点で非常に噛み合わない。
カードテキスト
このカードは通常召喚できず、幻竜族モンスターの効果でのみ特殊召喚できる。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):カードの効果でモンスターが表側で除外された場合に発動できる。
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
(2):このカードが特殊召喚した場合、
フィールドゾーンのカード1枚と相手のフィールド・墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
解説
(1)はカードの効果による除外をトリガーとした特殊召喚。
コストや召喚条件による除外には対応していないが、汎用的なものでは墓穴の指名者や抹殺の指名者や封印の黄金櫃やトリシューラ系統等、幻竜族ではメタファイズが担当する。
(2)はフィールドゾーンのカード1枚と相手のフィールドもしくは墓地のモンスター1体を除外する効果。
フィールド魔法を活用するデッキは非常に多いのでそれらへのメタにもなるが、逆に言うとフィールド魔法が置かれていなければ効果を発揮できないのでチキンレース等の使い捨てになりやすいものを自分から用意したい。
自身以外の特殊召喚でもトリガーとなるので真竜や竜星、天威の龍仙女等でSSするのも一つ。
余談
相剣デッキにおいては彼という軍師が居なければエースの相剣大公-承影が場に出ることが出来ず、シンクロ体で共に並べばダメージを与えつつあちらの補助をこなせるのに対し、このモンスターは『相剣』の名を持ちながら相剣デッキとは一切のシナジーが無い。この為一部決闘者からは「軍師時代こそ龍淵が最も(本質的には承影以上に)周囲から必要とされていた時期」と言われている。
背景ストーリーでは
アルバス・トライブリゲード連合軍とデスピアの最終決戦で登場し、そのまま連合軍と戦うかと思いきや龍淵を追って氷水啼エジル・ギュミルと氷水艇エーギロカシスが乱入し彼女たちと戦う事となる。
後の関連カードを見る限りどうやら彼女たちに敗北したようで、氷水帝エジル・ラーンのイラスト背景で氷漬けとなったこのモンスターが俯くエジル・ラーンの背後に映っている。
覇道を目指し自らの陣営を裏切った男は裏切った陣営の指導者たちが力を託した若者に敗れ、かつての本拠地を終ぞ完全に滅ぼせず、最後は成長した氷水の生き残りによって氷の中に封じられるという末路を辿ることとなった。上半身(頭)が『龍』淵、下半身(尾)が覇『蛇』大公であることも合わせると正に竜頭蛇尾そのものと言える。
ちなみに、相剣大公-承影とは素の攻撃力が3000でフィールドと墓地のカードを除外するという共通点があるが、このモンスターが場に出た時点で承影のパンプアップと除去効果が起動し、戦闘で勝てなくなる上に除外されてしまう。この為、本性を表そうと、アイデンティティをかなぐり捨てて覇蛇『大公』と結合して承影を真似ても龍淵は決して承影に勝つことができない。更に相剣大邪-七星龍淵の時なら、先に場に出てさえいればあちらの着地に合わせて除外できるので勝ち目自体はある為、強化されたように見えて実質的には自分から勝てる可能性を捨てているという非常に皮肉の効いたデザインになっている。