概要
2016年のプリキュアシリーズ『魔法つかいプリキュア!』は、「魔法つかい」というタイトルが示す通りプリキュアとしては初めて「魔法」を明言した作品であり、タイトル発表後多くのファンは…
「プリキュア伝統の肉弾戦が見られなくなるんじゃないか」
などと憶測していた。
またプリキュアの概念についても、これまでの「伝説の戦士」ではなく「伝説の魔法つかい」と定義されたため、その不安は高まった…と思われた。
しかし実際『魔法つかいプリキュア!』が放送されると…。
・第1話でプリキュアに変身した後、「怪物よ、あっちへ行きなさーい!」と2人そろってヨクバールに正拳突きを繰り出し、それを「魔法」と言い切る。
・続く第2話では2人そろって飛び蹴りも繰り出した。
・第3話ではプリキュア伝統行事(?)となった「巨大なものを持ち上げる」をやってのけた。
・ついに第4話では自ら「考えるより動かなきゃ!」と発言し、相変わらずの肉弾戦を繰り広げた。
・第6話ではリズが魔法の詠唱中にヨクバールの攻撃で吹き飛ばされた直後に肉弾戦で戦い、「魔法より物理」を表現するような展開を見せた。
と、ちゃんとプリキュアの伝統は守られていたのであった。
念の為に補足しておくと、プリキュアのそういった超人的な力を発揮出来ることそのものが、本作においては魔法の賜物であり、言わば身体強化系の魔法(RPGでいうところのステータス強化魔法)が変身した時点でかかっているのだと思われる。
なお、プリキュアに変身するみらいとリコはもともと「魔法つかい」であり、変身前は普通に魔法らしい魔法を使っているので、古典的な魔女っ子らしさというものはむしろ作中には多分に盛り込まれている。
ただの魔法を使うだけならばプリキュアになる必要なんてないというのが本作の世界観なのだ。だが、プリキュアが戦う敵たちはただの魔法なんかでは太刀打ちできない理不尽な連中ばかり。そしてプリキュアは魔法と物理が両方そなわり最強に見えるからこそ、普通ではない「伝説の魔法つかい」とされているのだ。
要するに実際には「魔法つかい(の)プリキュア(に変身する)」話ではなく、「魔法つかい(が)プリキュア(に変身する)」話だったという訳である。
この点についてシリーズディレクターの三塚雅人は「魔法で敵を倒すというよりも、魔法の力は後押しで留めておく。結局、事を為すのは自分の手なんだ、と。必殺技以外の場面では極力、自分の身体で行動させることにしたんです」と語っている。(『Febri』第36号掲載インタビュー)
つまり、一見いつもの変わらないプリキュアの設定に「魔法」という要素が加わっているわけである。どの道、平常運転であることに変わりはないが……。
だからといって魔法を軽視しているわけではないことは言うまででもない。
尤も、魔法を題材としたニチアサ作品においては身体強化系の魔法を使う事は恒例なのかもしれない。
…流石にこんな姿にはならないようだが(代わりに同年戦隊のレッドがムキムキになった)。
余談だが、『魔法つかいプリキュア!』第14話で、再テストの勉強中にテレビドラマを見ようとしたみらいをたしなめるためにリコはテレビの「電源」を消すつもりで「テレビよ、消えなさい!」と魔法を使ったのだが、その魔法で「テレビそのもの」を消してしまった。
その第14話放送終了後のエンドカードでリコは自腹で新しくテレビを買い直したという描写があったため、これもある意味「魔法(物理)」と言えるだろう。
その後
2017年放送のキラキラ☆プリキュアアラモードにて、プリキュア伝統の肉弾戦が封印されると公式で発表された。
これにより『魔法つかいプリキュア!』放送前の憶測は1年後に当たる事となった。
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