概要
特殊舟艇部隊(Special Boat Service)は、イギリス海兵隊(イギリス海軍傘下)の特殊部隊である。通称SBS。
イギリス陸軍の特殊部隊SASの対となる部隊で、SASが陸上での偵察、潜入作戦、対ゲリラ戦、対テロ活動を行なうのに対し、SBSは海上・海中・沿岸での偵察、潜入、破壊工作、対テロ活動を行なうのが仕事である。
現在のSBSの元になった部隊が創設されたのは第二次世界大戦中の1940年、イギリス首相ウィンストン・チャーチルの命令で創設された特殊部隊「ブリティッシュ・コマンドス」の傘下として作られた、カヌーを使って偵察や奇襲を行なう部隊「Special Boat Section」(SBS)で、現在と同じ略称ながら当時は正式名称が異なっていた。世界大戦終結後は一時解隊されたものの、その後再結成され、イギリスが参戦したフォークランド紛争などの戦争に投入されている。
陸軍のSASと比べると知名度こそ低いが、特殊部隊としての能力はSASと同等以上と評されている。何せ、陸を専門とするSASと違って陸どころか海でも戦う専門性が求められており、何ならSBS隊員たちは「自分たちがSASより上」だと確信している。
また、各国の特殊部隊の育成も行うことがあり、日本の海上自衛隊特殊部隊「SBU」は創設時にSBSから教官を招聘したとされる。真相は不明だが、ウクライナ侵攻時にはウクライナにSBSが派遣され、ウクライナ軍を直接支援していたとも言われる。