概要
SBU(Special Boarding Unit)とは、海上自衛隊の特殊部隊である。
正式名称「特別警備隊」、略して「特警隊」とも呼ばれる。1999年に起きた北朝鮮不審船による能登半島沖不審船事件を受け、2001年に自衛隊初の特殊部隊として創設された。
広島県江田島市の海自江田島地区に本部を置いており、海自の実働戦力を統括する自衛艦隊司令部が直轄する。隊員は世界でも一二を争う練度で知られる海自掃海部隊、水中処分員(EOD)の出身者が多いとされ、4個小隊60名と総務班、医務班といった支援部隊の計90名から構成される。
創設時にはアメリカ海軍SEALsやイギリス軍SBSによる訓練の支援を受けている。
任務
海上警備行動時に不審船の武装解除及び無力化を主任務とし、対象船舶・艦艇へヘリコプターや高速ボートによる移乗強襲、潜水による水中浸透を行う。また、SEALsやSBSのように沿岸地域へ上陸・偵察したり、状況によっては陸上自衛隊の特殊部隊である特殊作戦群とも共同で作戦を行うことも考えられる。
ただし、自前の輸送手段は高速ボートを除いてほとんど有していないため、現場への展開には護衛艦搭載のSH-60J/K/L哨戒ヘリコプターや、MCH-101掃海輸送ヘリコプターが用いられると思われる。水中浸透や空挺降下の訓練をしていることから、海自潜水艦を用いた海中からの浸透潜入、あるいは海自航空集団のC-130R輸送機からのパラシュート降下によって上空から展開する可能性もある。
2024年4月には隊員を複数の太平洋島嶼国に派遣し、各国の海上保安機関で立ち入り検査などに関する能力構築の支援を行うことが発表されている。自衛隊の特殊部隊が、国外で能力構築の支援を行うのはこれが初。
装備
関連動画
国際共同演習リムパック2022に参加したSBU。海自ながら陸自と同じ迷彩服を用いているのが分かる。