「初めてお目にかかります。私はダッカーの総元締め、総統D!」
「私が自己紹介をする相手は今死ぬ瞬間の人達だけに限ります」
概要
快傑ズバットの最終回である第32話「さらば斗いの日々、そして」に登場。
世界を股にかける大犯罪組織・ダッカーの総元締め(真のボス)。表向きには首領Lをダッカーの首領に置き、影で操っていた。
攻撃する時は「ダッカー!!」または「デーッ!!」と叫んでおり、銃火器などの武器も持っている。またズバットのムチを掴んで逆に彼を投げ飛ばすなど、単純なパワーも強い。
ズバット「2月2日! 俺の親友、飛鳥五郎を殺したのは貴様だなッ!!」
総統D「そうとも! 奴はわしの正体を見破ったのでな!」
ズバット「俺も貴様が誰だか分かった! シルベールの作り方を憶えられたのは貴様しかいないッ!」
総統D「ハハハハ、だが死んでは誰にも言うことはできまいッ!」
早川健の親友であった飛鳥を殺害した張本人である。その理由は、自身の正体を知った飛鳥の口を封じる為だった。
正体
その正体は、早川のもう一人の親友・東条進吾の中学時代からの親友・神竜 伸介(じんりゅう・しんすけ)その人。変装の名人で、瞬間記憶能力と言っていい高い記憶力を持つ。
表向きには国際秘密警察の捜査官として活動しているが、実際は「殺人による世界征服」という残虐極まりない野望を抱いており、その実現のためにダッカーを組織し、裏で操っていた。
初登場の第31話では老人の姿に化け、早川健と皆川理沙に接触した。
ホテルに着き、東条進吾に問い詰められた時に神竜伸介としての姿を現し、ダッカーの潜伏場所を伝えた。
神竜はダッカーにより銃弾で撃たれて死んだように見せかけ、自身が撃たれた銃弾の破片で飛鳥殺しの罪を首領Lになすりつけ、早川の復讐心を高めさせ基地に攻め込ませたが、ズバットとの対決で首領Lが総統Dの正体を暴露しかけたため、側近であり用心棒でもある天海山三兄弟を使って殺させた。
総統Dの姿
黄金の覆面で素顔を隠しており、天海山三兄弟と同様のシルベール製の強化スーツ・マント・Dのマークがついたベルトを装備している。
飛鳥の遺したシルベールの製造法を知っているのは飛鳥の妹と、彼女から相談を受けた神竜のみだったという理由から早川に正体を見破られた。
活躍
海岸でズバットを限界まで追い詰め、殴り合いを展開したが、最後はズバットに倒された。
東条進吾が総統Dの亡骸からマスクを剥がしたことで正体が公となり、シルベールの化学合成式図を半分に破く前に瞬間記憶能力により内容を記録したことや、その後わざと殺されたふりをしてシルベールのスーツを製造したこともわかった。
第31話で老人に化けたのは早川達にダッカーの関係者として疑われることなく接触しやすくするためであり、銃弾での負傷も偽装だと思われ、第32話で神竜を助けようとした早川が海に落ちたのも神竜がわざと突き落としたからだったのかもしれない。
早川健は飛鳥の墓に敵討ちを成功したことを報告し、
「悪の大組織 ダッカー全滅!」
と書いてあるカードを残し、どこかに去った…
余談
第31、32話のシナリオでは総統○と記されていた
作中では「そうとうデー」と発音している(ただし、次回予告では「そうとうディー」と発音している)。
昭和期においては「D」をドイツ語風に「デー」と発音することは珍しくなく、「ディーゼルエンジン」も「ヂーゼルエンジン」ないし「ジーゼルエンジン」と表記することが多かった。ちなみに法律上では現在でも「ジーゼルエンジン」が正しい表記である。
演じた矢吹二朗もとい千葉治郎氏は同じ石ノ森作品では『仮面ライダーの協力者滝和也や、『ロボット刑事』の新条強、『アクマイザー3』の島一平を演じている。
なお、ダッカーの下部組織のボスや用心棒はOPクレジットで正体が視聴者にネタバレしてしまう事がよくあったが、総統Dはそうはならず、OPの段階では正体が分からないようになっていた。
関連タグ
ガルバー、シャイン:同時期に放送されていた石ノ森作品に登場する黒幕キャラ。
ン・ダグバ・ゼバ:同じく最終決戦でヒーローと殴り合いを展開したボスキャラ。