概要
現在の西ヨーロッパのアイルランド島にキリスト教を本格的に広めた、修道士・司教の聖パトリキウス(パトリック)の命日とされる3月17日を記念日としたものである。
19世紀半ばのジャガイモ飢饉に起因する多くのアイルランド人の移民によって北米など世界各地に知られるようになり、20世紀のアイルランド(共和国)の独立を経て今日では同国の文化と歴史への理解を深めるイベントとしての一面も総じて大きくなっている。
日本語においては一定の基準となるような呼び方がないため、「聖パトリックデー」や「セントパトリックデー」、「聖パトリックの日」など表記揺れが多い。
この日は三つ葉のクローバー(四つ葉ではない点に注意。正確にはクローバーではなくシャムロックという一群の草で、ムラサキツメクサやカタバミなどのいわゆる三つ葉の植物をひっくるめて指す)をモチーフとした飾り付けが街じゅうに施される。建物を緑色にライトアップしたり、川や池を緑に染めたりする(シカゴで行われるものが有名)ところもある。
また、緑色の服を身に着けたり、緑色の品物を家庭に飾ったり、緑色に色を付けたビールを飲んだりと、身の周りを緑で彩る。とりわけアメリカなどでは、アイルランド系でなくとも春の風習としてこのイベントに参加する人々も多い。
聖パトリックの祝日当日に緑のものを身に着けていないと、周りの人につねられるという。
ところで、なぜ三つ葉のクローバーがシンボルとされるのかというと、聖パトリックがキリスト教をアイルランドに布教する際に、キリスト教の大切な教え「三位一体」をクローバーの三枚の葉になぞらえて「神とはこの葉っぱのように、ひと柱でありながら三柱、三柱でありながらひと柱なのです」と説明したからである(だから四つ葉ではないのだ。大事なことだから二回書いたぜ!)。そしてクローバーの葉はもちろん緑色であるので、緑が聖パトリックの祝日のテーマカラーともなったわけである。
関連項目
名称は、昭和天皇が生物学者として植物の研究もされていた事に由来するとされている。
アメリカ合衆国のプロアメリカンフットボール(NFL)チーム。
チームカラーの緑は、1963年に球団のオーナーに就いた人物の誕生日が聖パトリックの日であった事に由来する模様。