イースターとは"Easter"の転写であり、
- キリスト教の祭事のことである。日本語では「復活祭」ともいう。
- もしかして ⇒ イースター島
概要 🥚🐰🐇🌼💐🐑🐏👯👯♂️
イエス・キリストが死後3日目に復活したことを記念し、キリスト教徒が行う行事。日本語では「復活祭」「復活節」とも。
西方教会では、3月22日~4月25日の間のいずれかの日曜日、東方教会では、4月4日~5月8日の間のいずれかの日曜日に祝われる。
クリスマスと並ぶ祝祭で、ニューヨークでは毎年イースターに盛大なパレードが行われる。
イースターのシンボルとして知られるのは、百合の花やウサギなど。
テッポウユリの別名をイースターリリーという。
卵も重要なシンボルで、この日のためにイースターエッグという飾り卵を作る。ロシアの王室に伝わる贅をこらしたイースターエッグも有名。
この日にレントの節制が解除され、家族で卵料理や肉料理を食べたり、プレゼントを交換したりする。
クリスマスカードほど盛んではないらしいが、イースターカードを贈る習慣もある。
隠した卵を探すエッグハント(卵狩り)や、卵をスプーンに乗せて運ぶエッグ・スプーンレースなどの遊びも行われる。
イースターの日曜日までの数十日間も祭りの一環とされる(四旬節)。
直前の金曜日には、十字の入ったパン(ホットクロスバン)を食べる。
正教会では「復活大祭(聖大パスハ)」と言われており、「イースター」の言葉はあまり使わない。「祭りの中の祭り」として祝われており、降誕祭(クリスマス)より盛大に祝わている。時間も夜中に行われており、祈祷後には盛大なパーティーが行われる。
料理としては「パスハ」(チーズケーキのようなもの)や「クリーチ」(パンとケーキの間のもの)が食べられる。ドイツでは「オシュターフラーデン」(粉砂糖でウサギを描いた円型のパンケーキ)が食べられ、イタリアでは「コロンバ・パスクァーレ」(ハトを象った菓子パン)が食べられ、イギリスでは「シムネルケーキ」(ドライフルーツ入りのケーキ)が食べられ、ギリシャでは「マギリッツァ」(羊モツスープ)が食べられ、ポーランドでは「マズレク」(タルトのようなもの)が食べられる。他にも、イースタービスケット、バブカなど、様々なイースター用の食べ物がある(卵料理、肉料理、焼き菓子が多い)。チョコエッグなど、卵型に象った食べ物を食べることも。
時期と由来
聖書では四つの福音書ごとに記述は違うが、十字架につけられ、遺体を墓に葬られたイエス・キリストは三日目の朝によみがえった。この復活を祝い、これを記念する行事。あくまで記念する日であって、別に春に復活したわけではない。
元々ユダヤ教の過ぎ越しの祭り(パスハ)(出エジプト記で神がエジプトに災いを下されたときに、ユダヤの民の家だけは「過ぎ越し」たことを記念する祭り)と、異教の春を祝う祭りがキリスト教に習合されたものである。
クリスマスと違い、復活祭日(イースター・デー)の日付は毎年移動する。春分の日が来てから、最初に満月が出た日の、すぐ後の日曜がイースター・デーとなる。最初の満月がちょうど日曜だった場合は次週の日曜に持ち越される。たとえば2010年は4月4日。2011年は4月24日。2012年は4月8日(正教では4月15日)。2013年は3月31日(正教では5月5日)。2014年は奇しくも東西教会で4月24日であった。
西方教会と東方教会では使う暦が異なるため、日が重ならない年もある。
「イースター」の名の由来はゲルマン神話の女神エオストレと言われている。イギリスのキリスト教聖職者ベーダ・ヴェネラビリスはこの女神の名を冠し、春の訪れを祝う祭りが行われる「エオストレモナト(Ēosturmōnaþ、エオストレの月)」について言及している。
エオストレという語じたいが「夜明け」や「暁」を意味しており、イエスが復活したとされる時刻と一致する。
イースターの由来をメソポタミア神話のイシュタル(Ishtar)とする考えもあるが、メソポタミアやその周辺で主流の東方教会側では「パスハ(復活祭を意味するギリシャ語)」が用いられる事を踏まえると、「イースター」という名称を異教起源とする場合、エオストレ由来とするほうが自然と考えられる。
パスハはヘブライ語のペサハ(ユダヤ教の過越の祭のこと)に由来し、ユダヤ歴で過越の時期が始まる「ニサンの14日」は時期的にはグレゴリオ暦における三月末から四月初頭までのいずれかとなる。
福音書によると、イエスが十字架刑で処刑されたのは過越の日と書かれている(『マタイによる福音書』26章2節)。ペサハでは『出エジプト記』12章でのYHVHの命令にちなみ、傷の無い子羊がほふられる慣わしがあるが、初代教会においてイエスはこの「過越の子羊」に見立てられていた(『コリント人への第一の手紙』5章7節)。
新約聖書にはキリスト教徒が過越やイエスの復活を祭りとして祝う慣習については言及されず、記録上は二世紀中盤ごろから現れ始める。
イースターの前後
復活祭の当日までの40日間をレント(Lent)、日本語では「四旬節」という。
四旬節の始まる日を「灰の水曜日」といい、カトリック及び聖公会では、「灰は灰に、塵に過ぎない人は塵にかえる」という意味をこめて額に灰で十字を描く儀式を行う。ここからイースター当日まで断食または節食をする(日曜日はしない)という風習がある。卵や肉を控え、魚をメインにするが、酒類は禁止されていない。イエスが荒れ野で40日間の断食を行った事にちなむ。とは言え、現在はだいぶゆるやかな地域もある。
四旬節の前日の「懺悔の火曜日」にはパンケーキを作って食べる習慣がある。パンケーキの日とも呼ばれる。「マルティグラ」とも呼ばれるが、これは謝肉祭(カーニバル)の最終日にあたる。レントが始まるまでに肉や卵を処理してしまうという意味がある。
「四旬節」には主日(日曜日)を含まないため、総合的には46日間になる。
始まって5週目の日曜日には"Passion Sunday"(パッション・サンデー、受難の主日)、
次の第6日曜日には"Palm Sunday"(パルム・サンデー、シュロの主日)などの特別な呼び名がある。この日はイエスがエルサレムに入城したのを民が歓迎してシュロの葉を振った故事からきている。「灰の水曜日」に使う灰はこの日のシュロの葉を燃やした物である。
なお第4日曜日を"Mothering Sunday"(マザーリング・サンデー)といい、イギリスでは母の日がここに来る。
第6日曜日から当日までの一週間は「聖週間」または「受難週」と呼ばれる。
聖木曜日は、洗足式を行う。最後の晩餐のときイエスがタライに水を入れて弟子達の足を洗った事にちなむ(ヨハネによる福音書第13章)。
聖金曜日は、イエスが十字架に架けられた受難日として、十字印のパンを食べる。
聖土曜日がイースター・イブ。明くる日曜日がイースター。
キリスト教圏の国では、聖金曜日(グッド・フライデー)や、翌日の月曜(イースター・マンデー)を祝日に定めている。
学校や会社にイースター休暇があり、この前後を通して休みになることも多い。
正教会では「大斎(おおものいみ)」と言われており、
基本的にはカトリックと似ているが、卵や肉、乳製品に加えて魚、油(主にオリーブオイル、平日のみ)、酒も控える食事の節制等が忠実に行われている。
なお、無理する人や好意の食事で食べる食べないの争いがないように「愛の無い斎は悪魔の斎(ものいみ)」と注意喚起している。
大斎に入る前に「マースレニッツァ」という期間があり、この時期には肉を食べない。このときロシアでは「ブリヌイ」(ロシア版パンケーキ)を食べる。
特徴的なのは「エフレムの祝文」の箇所で参祷者が「伏拝」(イスラム教の平伏礼拝のようなのの)が行われる。
受難週の読み方は「聖大○曜日」となる。
大斎の期間は日曜日だけではなく土曜日も数えないためさらに長い。
ちなみに正教会の主日とスボタ(土曜日)は以下のとおりである。
第1週
フェオドルのスボタ
正教勝利の主日
第2週
全死者のパニヒダ
グレゴリイ・パラマの主日
第3週
全死者のパニヒダ
十字架叩拝の主日
第4週
全死者のパニヒダ
階梯者イオアンの主日
第5週
アカフィストのスボタ
エギペトのマリヤの主日
第6週
ラザリのスボタ
聖枝祭(主のエルサレム入城)
別名・表記ゆれ
関連タグ
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イースターバニー/イースター・バニー うさぎ/ウサギ 子うさぎ